表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/75

61

 





「ここは?」


  気がついた時にはすでに知らない所であった。じめじめとした部屋のような、なんともいえない不気味な空間。それにしては壁が薄いように思う。部屋はほとんど真っ暗で自分の体をやっと確認できるレベル。立ち上がろうとするが、足と手が鎖に繋がれていて上手く身動きがとれない。必死に体をよじるが、鎖から抜けることはできなさそうだ。無駄に体力を使う訳にもいかない。諦めて身体を動かすのをやめると同時に奥の扉が開いた。


「お気づきかい?レティア王女」

「リック…」

「気分はどうだい?」

「さいっっあくの気分よ」

「それはそれは」


  彼の不敵な笑みがいつもより何倍も増して怖く見える。おそらく自分に危険が迫っているからであろう。背筋がヒヤリとし、鳥肌がたつ。でもここで弱気になるわけにはいかない。出来るだけ怖がっていることを悟らせないように平常心で、少し強気に言葉を返す。


「私をここまで連れてきて何をしようっての?悪いけど、オリヴァーお兄ちゃんはあんたなんかよりずっとずっと強いんだから!すぐにでもあなたの――」

「黙ってもらえますか?あなたのその声は私の頭に響く。甲高くピーチクパーチク喚きやがって」

「、、、っ」


  囮として使われるだろうから、攻撃はされないだろうとこちらが調子に乗るべきではなかった。彼の言葉の一瞬で顔が青ざめる気がした。あまりしゃべり過ぎると私の舌でも引っこ抜かれるかもしれない。リックは口にしていないが、多分そうしてくる。そういう奴だ。今は少し声を出すだけで何か攻撃が飛んでくるだろう。これ以上刺激をしないためにも黙るしかない。もう私には黙って助けが来ることを待つことしか出来ない。成す術なしだ。


「さあ、オリヴァー、さっさと探して来るがいい。私がこの手ですべてを終わらせてやろう」

「、、、。」


 早く来てと願いつつ、私は目を閉じた。



 ※※※



 彼女がリックに連れていかれる。早く彼らに伝えねばとリックが向かった方向を確認し、彼らの元へ。声のした方へと一目散に駆け出す。少し走ると直ぐに彼らと合流することができた。


「っ、トウマ様、どうして」

「急いで、彼女が、レティアさんが連れ去られた!」

「「何だって、何ですって」」


 まさかリックがここで話に出るとは思わなかったのだろう。驚いて目を丸くしているオリヴァーさんと、何かを悟っているのか青ざめた顔のセシルさんが顔を見合わせる。


「リックさんが、意識のない彼女を、、、。とりあえず急いで!」

「おい、リックはどこへ向かった」

「あっちの方です」

「行きましょう。待っててください、レティア様」


 リックが行った方を指差すと彼はさっさと走り出してしまう。そこまで彼女を大切に思っているのだろう。僕も彼を助けないとと思いセシルさんに向き合う。二人で頷くと僕たちも向かうべくその後を追っていった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ