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「.....」

「.....?」

「.....」


 皆さんどうもおはようございます、こんにちは、こんばんわ。

 現在、城の前で人を待っているところをオリヴァーお兄ちゃんに見つかり、にらめっこをしている。事前に彼が来ることを伝えておいたから、別にやましいことじゃないのに何故睨むのか。まさか、私が約束を破ると思っているんでしょうか?いえいえまさか。そんなことはしません。ただ、ちょっと一目だけでも見ようと...。これくらいは許してくれ。オリヴァーお兄ちゃんが提示した案はちゃんと覚えてるから。


 彼とは喋らない、半径2メートル以内にはいれない!


「5メートルだ」

「よくわかったね.....」

「君の考えていることは大抵わかる」


 もうやだ。なんで自分の考えがわかるの?チート?チートだよね。何でもお見通しなら思考を放棄したい。その方がいっそ楽かもしれない。


「やはり今からでも断るか」

「え!なんで!約束を破るの!?」

「いつ約束した?」

「え?そりゃあもちろん...あれ?約束したっけ?」


 そういえば約束なんてしていないような...。オリヴァーお兄ちゃんを世界で一番愛してるってのはオリヴァーお兄ちゃんに誓ったけど...。

 うん、約束なんてしてないね。くっそーーー。指切りしといたら良かった。


「今から約束しよう」

「却下といったら?」

「もう口きかない。小屋に隠しカメラおいて、土下座したのはどこの誰だっけ?」

「くっ」


 レティアWin!!!はっはっは、ざまぁ見ろ。私でもオリヴァーお兄ちゃんを従えることができるようになったぞ。こうやって他人をいじることこそ悪役の存在価値。でも口調は、王女にふさわしくないよね。今度から気をつけよう。


 一人、勝ったとニヤニヤ笑っていると、どこからか足音が近づいてきました。音のする方を見ると、人影があります。


「彼かもしれない」

「そうか」


 とりあえず、自分の身だしなみを今一度整えます。いくら彼に気を使うなと言っても、さすがに女性として誰に会うとしても身だしなみは整えますなければ。深呼吸をして、気持ちを落ち着けていると急に人影が走り出しました。


「レティアさーん」


 ん?何故私の名前を...。セシルが教えたのかな?

 まあいい。多分あの人影はトウマだ。喋ってはいけないので、手で大きな丸をつくります。更に彼は走るスピードをあげると、私たちのすぐそばまで来て...


「えっ?」

「んなっ」


 あ~あ。やっちまった。トウマ君よ。目、つけられちゃうよ。ラスボスであるオリヴァーお兄ちゃんに。というか、すっごいオリヴァーお兄ちゃんからの視線が痛い。


「レティアさん、やっと会えました」


『彼を5メートル以内にいれない』オリヴァーお兄ちゃんの言葉が頭をよぎります。もう、本当にまずい。何がまずいかって...


「は、離れてくれませんか?」

「あ、そうですよね、すみません」


 へらへら笑って彼は私から離れます。


 そう、彼は私に抱きついてきたのである。







いつも読んでくださりありがとうございます。

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