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 目が覚めた。いつもと少し違って変な予感がした。第六感というのだろうか?何かが違う。何か気持ち悪いものが私にまとわりついている感じがする。


「...変な感じ」


 外はまだ暗く、物音ひとつしない。とても静かだ。

 とりあえずもう一眠りすることにしよう。明日になったらこの不快感も少しは薄れているだろう、そう思って。そう願って。私はもう一度深い眠りへとついた。




 朝になっても不快感が消えることはなかった。むしろ夜中に起きてしまったときよりも、不快感は大きい。なんだろう、例えるのならば、まったく勉強をしてない定期テストの日の朝のような感じ。もしくは、一日中ゲームしてた夏休みから次の日、朝起きたら今日から通常授業の学校という、目覚めが最悪な感じだ。例え方が学生あるあるになってしまったが、それくらいの不快感が私にまとわりついている。


「あれ...?」


 さっきまで不快感のことに注目してたからか、今日はオリヴァーお兄ちゃんがいないことにはじめて気がついた。いつもなら目が覚めたら、『レティアの寝顔を眺めてた』と言い、ソファに座っているのに。

 当然、オリヴァーお兄ちゃんがいないので暖炉に火はなく、カーテンも閉ざされたままだった。どうりで部屋が暗いわけだ。

 私は半身ベットから起こすと、天井に向かって伸びをする。


「寒い...」


 暖炉に火がついてないので寒い。結構寒い。もう一度布団に入り、布団を被ったまま暖炉へ向かい、火をつける。

 布団を被ったまま歩くだなんて部屋の中でだけと言えど、貴族、ましてや王族の娘がやっているのだとしたら、はしたない極まりないだろう。でも前世では、冬の日の朝はこの状態でリビングまで行っていた。私にとってはこれは当たり前のことなのだ。

 暖炉に火をつけてしばらくすると部屋が暖かくなってくる。


「オリヴァーお兄ちゃん...どこに行ったんだろう?」


 ある程度目が覚めてきたのでとりあえず布団をベッドに戻し、私服に着替える。いつもなら服もオリヴァーお兄ちゃんがある程度決めているのだが、今日はいないので自分で決めることになる。うん、改めて服選びが面倒だと実感した。


 私服に着替えると、食堂へ向かう。もしかしたらオリヴァーお兄ちゃんとルシアンは朝食を食べているのかもしれない。そう思ったのだが、食堂の扉を開けても誰もいなかった。ただ、机の上にクロシュがかぶせてある、おそらく私のだろうと思われる料理がおかれていた。クロシュをとると、中にはメモと私の分の朝食がおかれていた。料理はまだほんのりと温かかった。

 そして、メモにはこんなことがかかれていた。




 レティアへ

 そこの料理は君の朝食です。僕とオリヴァーはちょっと所用があるから出掛けてます。夕食までには帰るつもりだけど、もし帰っていなかったら、自分で作って食べてね。それと、もし誰かがここに来ても絶対にいれないでね。そして君がレティア王女だとばれるような真似は絶対しないでね。だから、今日は城の外に出ないで。もしかしたらサヴィニアの兵が隠れているかもしれないから。

 あと、暇潰しになるように書庫の鍵を開けておいたから。好きに読んでもらっていいよ。

 じゃあ今日一日、お留守番お願いします。

 ルシアン



『所用.....ねぇ』


 私はメモを読み終わるとふぅと短く息をついた。しかし、久しぶりの一人の時間。最近はずっとオリヴァーお兄ちゃんがべったりと私に付きまとってたから。嫌な訳じゃない。ただ、もう少し頻度というものを...。あの美形は見てたらほんとに...心臓が...。

 色々と考えながらもルシアンが作ってくれた朝食を食べる。やっぱり少し冷めてしまっただろうか。


『今日はとりあえず書庫行ってみようかな』


 私はこの時、心の不快感が大きくなってるのには気づかないふりをしていた。


クロシュ...別名クロッシュ、料理の上にかぶせるあの銀色のやつです。

近いうちに一旦、キャラ一覧をだそうと思います。今後は他のキャラの視点等をたくさんいれていくつもりなので...。

そしてブックマーク、誤字脱字報告本当にありがとうございます。

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