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「おーい、レティア!朝ごはんの時間だよ。これ以上寝坊して私を困らせるならちょっと強行手段に出ようかな?」
オリヴァーお兄ちゃんの『君をおとす』発言から1日目。私のベットの側で私を起こそうとしているオリヴァーお兄ちゃんの発言は相変わらず重い。
「おはよう、かわいいレティア」
「おはよう、オリヴァーお兄ちゃん」
私も目元をこすり、小さくあくびをしながら答える。さすがに強行手段に出られてあんなことやこんなことをされるのは望んでないので、しぶしぶベッドから出る。
部屋は事前に暖められていたらしく、全然寒くない。部屋が寒くないのは嬉しいが、このまま周りのことをすべて手伝ってもらいながら生きてたらダメ人間になるかもと、前世の記憶が訴えている。
「さっ着替えも用意しておいたんだ。今日はピンクか紫のドレスどちらにする?」
「今日は青の気分...」
「ん?青がいいって?青も素敵だけど今日はかわいらしいフリルのピンクか、ちょっぴり大人っぽい紫のどちらかがいいと思うよ。さぁどっちを選ぶ?どうしてもって言うなら特別に私の服でも貸してあげようか?今日夢で見たんだけどとある惑星ではカレ服を着るってのがあるらしいよ。それに私の服を着たレティアかきっとかわいくて―――」
朝から話が長い。それに服の話題でこんなに語るだなんて。それにカレ服って...日本の事かな?前世でそんなことやったことないけど。
とりあえず着替えるために一旦部屋から追い出す。『私が手伝ってあげるよ』と言われたけどさすがにお断りする。その後に『将来、僕の妻になるから別に大丈夫でしょう』とも言われたがそれも無視して部屋から追い出す。
結局、青色のドレスを着て部屋から出る。それはそれでオリヴァーお兄ちゃんに『とっても素敵だ。まるで水の女神のようだね』と言われた。もう恥ずかしいという感情が薄くなった気がする。
とりあえず着替えが終ったので食堂へ向かう。もちろんオリヴァーお兄ちゃんのエスコートで。
今日の朝食も朝からとても美味しかったです。
「とりあえず今日は何をしようかな?」
「私のそばに1日中いてくれれば大丈夫だ」
「うひゃぁ!」
いきなり耳元から話しかけられたら驚く。ほんとにいきなりドッキリ系は無理。
「今日はじゃあこの汚いお城の掃除でもしようかな?」
「いいや、もう終わった。これで今日やることがなくなったな。では...」
掃除でもしようかなと言った直後に魔法ですぐに城がきれいになった。なんだこの便利な魔法。それにオリヴァーお兄ちゃんそこまで私といたいのか?私もオリヴァーお兄ちゃんのことは好きだが、ずっと一緒にいるのは恥ずかしい。あんなに綺麗な顔を見続けるだなんて心臓が持たない。
『ヤバい本当にやることがない』
「やることがないって悩んでるね」
「よくわかったね。オリヴァーお兄ちゃん」
私は苦笑しながら答える。
「君の考えている事だなんて、手に取るようにわかる」
ちょっぴり怖い。こんな発言出来るのはストーカーかオリヴァーお兄ちゃんにしかできないだろう。
「あっ、じゃあ、わかった」
「何が?」
「魔法の練習でもしよう」
「魔法の練習?」
「そう、私が教えるしやってみようよ。今はレティア気配遮断魔法くらいしか、しっかりと使えないでしょ?どうせならもっと練習していろいろ使えるようになりなよ」
「魔法の練習か...」
それなら毎日時間が潰せるからいいかも。それに魔法の練習をすることによって聖なる魔法とかも使えるようになるかもしれないし。
「やってみる」
「じゃあ決まり。早速庭にでも行こうか」
そう言うと彼は庭も城と同じように綺麗にしてしまった。凄すぎて声がでない...
とりあえず今日から私の魔法のレッスンが始まった。