【第2話】誘拐された?!!
「んー…うぅ…」
あれ、私、何してたんだっけ?
体がとてもだるい。まだ寝ていたいが重たいまぶたをゆっくりと持ち上げる。
「…ん?うわぁっ?!」
な、なな、な?!なんだ?!
目を開けると、澄んだ青色の瞳をした少女が、すごい至近距離で私の顔を覗き込んでいた。
目があった瞬間 ーていうかめをあけた瞬間?ー その子はとても嬉しそうに声をあげ、とんでもない勢いで抱きついてきた。
「わーい!わぁい!えへへ~」
知らない子に急に抱きつかれて、私の頭はクエスチョンマークでいっぱいで、しばらくの間思考停止状態に陥った。
「えーっと??あなたはだれ?」
やっとの事で問いかけると、女の子の後ろからひょっこりと目を輝かせながら知らない男子が出てきた。
「僕はロロだよ!!ここで君を見張ってたんだ☆」
「へ、へぇ~…見張ってたんだ?なるほど。」
君に聞いたつもりはないんだけどって…
見張ってた?!なんで?私、なんかしたっけ?しかもこんなにはっきりと語尾に星マークがついてるような声初めて聞いたんですけど。
改めてロロという名の男子を観察してみると、名前だけでなく見た目もとても珍しかった。
髪の毛は濃い目の茶色で、少し癖があり、瞳は赤茶って感じだ。そして、一番目につくのは、頭に………犬耳みたいなのをつけてるところ。ピンで止めてるのかな?とても再現度が高い。もふもふしてそう。
「あのね~、アミはアミっていうの~えへへっ。」
金髪少女は私の腕にほっぺたをスリスリしながらそう名乗った。
アミちゃんか。それはよくいる名前だな。それにしてもめっちゃ可愛いなアミちゃん…天使みたい。待ってほんとに天使なんじゃない?
「あれ?!っていうかここどこ?!!」
あれ、何で?!よく見たら、いや、よく見なくてもここは私の部屋じゃないし私のベッドの上でもない。普通にくつろいでたけど全く見慣れない部屋だ。
「え?ここはねー、僕達の家だよ☆」
慌てる私をみて、ロロは不思議そうにそう言った。
「な、なんで?」
家だよ☆って…え?!私、誘拐された?!
「なんで?だって君はー」
ロロがなにかを言いかけた所で、ドアが開く音がした。
ロロもアミちゃんも私も、突然入ってきた人に目を向ける。
「おい!」
銀色の髪に、透き通るような青い目の男子が、私を睨んでいた。
初対面でなんだよ!なにがおいだよ!
こんな失礼な人に、ロロとアミはおかえり~って嬉しそうに言っている。仲間なのか?
「なに?」
自然と私の眉間にはシワがより、返す言葉に棘を含ませてしまう。
すると相手の方も眉間にシワが…
「…どこか悪いとことかないのか?」
「…はぁ、無いですけど?」
「ならいい。」
え、なに?心配してくれるんですか。………やっぱり…誘拐されたのかな。ベッドの上に寝かされていた上に体を気遣ってくれるとなると、かなり私を大切に…
「言っとくけど、うちはびんぼーなんだから!私を誘拐したって大したお金は払ってもらえないんだからね!」
「はぁ?意味わかんねー、へんなこと言ってんじゃねーよ!誰が誘拐犯だ!!」
「はぁ??誘拐犯じゃないならなんだって言うの??これは誰がどう見ても誘拐でしょ!!」
「はぁ?アホか。誰がお前なんか誘拐するかよ!するとしてももっとマシなやつ誘拐するわ。」
「なっ…!!」
なんなのこいつ!!!
出会った瞬間からこんな口喧嘩するなんてうまれてはじめてなんですけど。てか口悪すぎない?
ぬぁぁーは!ら!た!つ!
「せめて、せめて初めてあったんだから名乗るくらいしたら?!」
まだ名前も聞いてないんだから。っていうかこいつも凄い変わった見た目してるな?なにみんなコスプレ好きなの?私も見るのは好きだけど!
「お前だって名乗ってねぇだろ!めんどくせ。俺はガクだ。」
あ、私も名乗ってなかったわ確かに。ガクと名乗った男子は心底めんどくさそうな顔をしていた。
ここは素直に私も名乗っておく。
「私はリラだよ。」
それぞれが一応よろしく、と挨拶をした。
アミとロロはそんな私たちを何も言わずにニコニコしながら眺めている。
辺りには気まずい沈黙が広り、私はそばにあった枕に顔を埋めた。すこし頭の中を整理しようって思ったんだけどね……だめだ…今すぐここから逃げ出したいってことしか頭に浮かばない。
頭の中にあるイメージを文章にするのってとても難しいですね(´;ω;`)
がんばります…これからは投稿頻度をあげようと思うので、読んでくださっている方はどうぞよろしくお願いします(〃_ _)) ペコッ...