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2人の眷属


落ち着いたアーシャをルーシーの隣に寝かせ、俺はまた窓際にある椅子に座り、夜空を眺めていた。


「明日は、また情報集めなきゃな、喜持以外のクソ共が何処にいるのか…」


まだ1人なんだ…まとまってくれてると楽なんだがな。


「とりあえず、またギルドに」


俺が独り言を呟いていると、窓の外から声を掛けられる。


「ご主人様、ただいま戻りました」


「主、今帰った」


そう、俺が魔法で召喚した下僕もとい眷属だった。


「お疲れ、死体は?」


あの量の死体が散らばっていたら流石に大事になるからな。


「こちらで処理致しました」


「証拠は残っていない」


「そうか…」


有能すぎない?俺そんな所まで命令してないよ?


これは良い魔法を教えてもらった。


【大賢者】様々だな。


「そうだ、お前達に名前を付けようと思う、いつまでもお前じゃ不便だからな」


だが俺のネーミングセンスはあまりよろしくない、下手な名前を付けて、怒られたりしないだろうか?


「有難き幸せ」


「ありがとうございます、ご主人様」


2人は空中で跪き、俺に頭を垂れる。


「少し待ってくれよ、すぐ考えるからな」


名前…名前ね…とりあえず見た目から連想するのが良いかな?


女の方はとりあえず白い、まるで処女雪の様に白い。


髪は一切の汚れがない白髪、瞳は薄い水色?まぁ白っぽいけど、肌は白磁の様に白く、服装は白の着物を華麗に着こなし凄く綺麗だ。


顔も白いが病的に白いという訳ではなく、芸術的な美しさすら感じる。


白…白か…難しいな…それでいて女性らしい名前がいいよな〜。


安直だが…これにするか。


「お前は、白雪しらゆきだ、これからはそう名乗れ」


「うっ、うっ、あっ、あぁぁぁぁん…はぁはぁ…」


「ちょっ!どうした!」


なんだいきなり!突然艶やかな声を出して悶え始めたぞ…


「はぁはぁ…すいません、ご主人様…名前を授けられた瞬間、ご主人様のモノが中に流れ込んできて…うふふ」


「おい!変な言い回しやめろ!」


白雪の今の状況と言葉を聞くと、とてもじゃないが普通の会話に聞こえないぞ!


「おほん…これは失礼を、どうやらご主人様の魔力が私の体に入ってきた様です。これで私はご主人様の正式な眷属になりました」


名前を与えると、そうなるのか?まぁ俺に異世界の魔法の詳しい知識なんて無いからなんとも言えんが。


「そうか、これからも頼むぞ白雪」


「はい、ご主人様」


白雪はあっさり決まったが、問題なのは男の方だよ…


男の方は白雪と対照的で真っ黒だ、うん、とりあえず黒い。


真っ黒な髪と瞳は日本人を連想させるな…それと真っ黒な鎧に真っ黒な大剣…日本では絶対に厨二病患者に分類されるだろうな…


だが引き締まり巌の様な存在感を放つ肉体は、そんな考えを一目で消し去ってしまうほどのインパクトがある。


凄まじい貫禄だな…見た目は若いのに…


まぁいかにも武人って感じだしな。


なら、あれかな?


「お前は黒王こくおうだ、今日から黒王と名乗れ」


「はっ、有り難く頂戴します」


こちらもかなり安直だが、悪くは無いと思う、悪く無いよね?


「ご主人様、1つ報告がございます」


俺が黒王と名付け満足していると、白雪が俺に話しかけてきた。


「なんだ?」


「はい、私と黒王が暗殺者の集団を殺している最中、視線を感じました。恐らく何らかの魔法でこちらを見ていたのだと思います」


視線?誰だ…俺らを監視していた?だが心当たりが無いぞ…


他のゴミ共…な訳ないか。


他に誰が…まさかあいつか?


俺と接触があった奴なんてほとんどいない、その中でもそんな事をやりそうな奴は…


あの胡散臭かった売人ぐらいだ。何の目的があって俺らを見ていた?


くそ!今は復讐以外に時間を割いている暇は無いってのに。


「その魔法を行使していた奴の場所を特定できるか?」


「そう言われると思い、既に探知済みですご主人様」


やはり、有能過ぎるな…これからも俺の腹心として役に立ってもらおう。


「よし、今から向かうぞ、白雪と黒王も来い」


「かしこまりました」「承知した」


「行くぞ」


俺はルーシーとアーシャに外出を報告する書き置きを残し、窓から外に飛び去った。


そしてまた、厄介な渦に巻き込まれて行く。

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