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碧い伝説  作者: パピオカパ
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大航海時代1

ハルキニア大陸南西地域の国々は世界全体で見れば文明が非常に進んでおり、1500年代には帝国主義が始まりその圧倒的武力によって植民地支配の時代が幕を開けようとしていた。

そして列強の国々は惑星の裏側にあるのではないかと考える新天地を自国領とすべく熾烈な航路開拓競争とサンゴ諸島での覇権争いに力を入れていた。

私の祖国、へレンシア王国もその列強の1国だ。

最近では列強国同士の海戦も珍しくなくなり、拠点防衛を続けつつ一進一退の小競り合いが続いている。

そうともなれば自分も艦隊戦に巻き込まれるのではないかと思いつつも、深くは考えないようにし私は国内最大の港町アネムに入った。

馬車から眺める街の様子は貿易に勤しんでるだけあって賑わい方は内陸の街より断然賑やかだった。

そうこうしているうちに調査艦隊の乗組員で占有された宿に着く。

守衛らしき男に紹介状を渡して確認のためしばらく待ってようやく中には入れた。

私が宿泊する宿は士官や学者が主に利用するため整然しており、荒々しい船乗りと一緒ではなかったことに少し安堵していた。

すでに調査艦隊編成は整っており私を含め後付の者を待ってい状態であったため、一泊するだけだった。

翌日、艦隊がつけている舟場に行くと、そこには多数の戦列艦がひしめいていて大変迫力のある陣容だった。

私が乗り込む貨物船団を護衛するのが目的なんだろうが列強との遭遇戦も考慮した大艦隊なのである。

昼ごろにはすべての船が出港し、一同サンゴ諸島領地を目指した。


学者や非戦闘員が詰める船内では青い太陽の話題が早々に始まった。

青い太陽は太陽と違い目が痛くなるほど輝いていないこと、裏側へ行こうとするほど水平線から顔が出てくること、太陽や月より手前であること、表面に雲のようなスジが見えることがわかった。

ただ、最も不可解な全天で常に同じ場所にとどまり続けている理由はわかっていなかった。

しかしその話の中で異端視されていた天文学者のアーネスの話を聞いた時、その話を衝撃的に感じ突飛もないと思いつつも少し納得してしまった。

なぜなら彼はその青い太陽の周りをエデンが回っていると説いたからだ。

そして青い太陽を回る時間と自転時間が一致しているから空を移動しないのだと説明した。

確かに自転と公転が同期しているならエデンは主星の方向を向き続けるだろう。

だがそれは太陽や月や惑星はエデンの周りを回るという常識を根幹から否定することになる。

皆がアーネスを全否定する中、私はなぜその発想に至ったか聞いた。

彼は太陽と同じ方向に表れやすい惑星ナプティを望遠鏡で観察すると欠けているの時は大きく、球になる時は小さくなることを発見したという。

これはナプティが太陽の周りを公転しその外側にエデンがない限りあり得ないという。

また、太陽とは反対の方向に現れやすい惑星ジィティスにはその周囲を回る小さな星を発見したという。

こちらは最も内側を回る衛星が公転周期と同じ周期で暗くなったり明るくなったりを繰り返すことから、衛星の公転周期と自転周期が同じであるため表面の模様が同じ周期で現れるのだと説明した。

だから、エデンも太陽の周りを公転する青い太陽を公転する衛星ならすべての辻褄が合うと考えたらしい。

そしてこれらを学会へもちこんだものの全く相手にされず、学会への入場も許されなかったという。

話し終わるとアーネスを罵倒する声がちらほら飛んでくるも先ほどと打って変わって考えこむ人も出てきた。

ついにアーネスの研究資料を見たいと申し出るものが現れた。

少数ながらアーネスの主張が理にかなってると考えるものが出てきたのだ。

というよりアーネスと同じ物理や数学に明るい者が理解を示したというのがほとんどだった。

だがここで話を遮るように罵倒合戦が本格化してくる。

どちらかというとアーネスの理論を否定する者が執拗に口撃しアーネスたちが応戦する防衛戦の様相だが、否定する側には青い太陽を説明する理論やアーネスの理論を否定する根拠が曖昧だった。

かくいう私もアーネスの理論に理解を示していたが、このままでは収拾がつかなくなる気もした。

そこで苦し紛れにアーネスの理論が正しいかは今結論を出さないことを提案する。

すると、もともとこの手のいざこざに慣れてるものが多かったのか、皆引き際が鮮やかだった。

予想外だったため少し笑ってしまう。

落ち着いたところで私はアーネスに青い太陽の距離と大きさを測定してみないかと持ちかけた。

それを聞いたアーネスは笑いながら測量機器を見せてくれた。

そもそも彼はそのつもりでここに来たらしい。

青い太陽の大きさを測るには青い太陽の中心が水平線上に来た地点と全天の中心に来た地点の位置を知る必要がある。

特に後者は惑星の真後ろを意味することから途方もない苦労を伴うが、それだけやりごたえの有りそうな謎解きだ。

物理学者や数学者が青い太陽の大きさや距離を測る計画を立てる中、生物学を専門にする学者たちは裏側の生物相について議論していた。

ここでは神学的な考察と科学的な考察で論争が巻き起こっていたが、私は青い太陽に夢中だった。

数週間後、艦隊はサンゴ諸島を領地にたどり着いた。


サンゴ諸島はメソス大陸とクアンガ大陸の西側に橋をかけるように連なって構成されおり、古来から貿易で賑わっていたが今では列強の圧力により征服、併合、圧政の憂き目にあっており、昔のような良好な関係ではなくなっている。

港は城塞のような壁が築かれ各所に砲台が設置され物々しさが感じられる。

その壁に黒ずんだ穴を発見した時、私は勘弁してくれと口に出してしまった。

列強同士の争いの最前線なのだ。

上陸すると司令官と思わしき軍人と貴族が出迎えの訓示を行った。

そして調査艦隊の任務、現状の報告、計画策定の軍議や伝達が行われることになる。

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