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ゆれる 光と陰 (2篇)

作者: 武田道子
掲載日:2017/05/12

ゆれる


ゆれる

目を見開いても

何も見えてこない

耳を澄ましても

何も聞き取れない

私自身の心


ふあん

とてつもない広い宇宙という大河が

ささやかな命を飲み込んでしまう

魂の行くへは

時間と時間の襞の間に吸い込まれ

私は自分を見失う


おもい

思いが届くかとどかないか

時計の振り子のように

行ったり来たり

一秒一秒が

試されている

そんな気持ちが積もっていくと

愛おしくて

抱きしめてやりたくなる


***  ***  ***


光と陰


光を高く掲げて歩けば

私はその明かりの後ろの陰の一部になる

灯りの向こうの暗闇が

一歩一歩と遠ざかる

そして私を取り巻く陰が

もっともっと深くなる


私が輝けるのは

誰かの掲げた光の中を歩くときだけだ

私の掲げた光は

誰かを輝かせるためだ


太陽は

人を照らし出すために光を放つ

月や星は

闇の中、人が太陽が光っていることを忘れさせないために

瞬き続ける


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