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人の女王とエルフ王・共通①
遥か昔、争い合う者ありけり。
光の守護者、ライトエルフが統治するエリア・エマルシェンの王ミアノ
闇の守護者、ダークエルフの統治する“モノリグセドの王リバス
二つが荒らそう刻、地上の象徴、人間が統治するルハーセが中立をはかる。
――――
きれいな青空の下、似つかわしくない怒号が森に響く。
「オイ!俺様の陣地にテメーの髪の毛が一本入ってんぞ!!」
落ちていた金の髪を指でつまみ、怒りくるう白髪褐色男。
ダークエルフの王‘ダエル’
「…細かいなあ」
二人を宥めようと身を乗り出す桃髪の少女は人間の国ルハーセの女王‘イヴェア’
「イヴェア、こいつの肩持つ気かよ?」
ミアノの擁護する彼女にリバスはキツい視線をおくる。
(二人は種族違いのエルフの王たち。とても長い間いがみあっている。
それを代々私達の一族が諌めてきた)
「そういうわけじゃないけど…」
(彼等が森で幅をきかせるエルフだなんて、本当に信じられない)