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呪われた水蓮 共通シナリオ1
「スイレンよ、明日はタニアンとの祝言の日だな」
父である妖精王エブルヘイムが言う。
「はあ……」
私は明日、従弟の妖精と結婚するので、花の女神様の樹へ祈りを捧げた。
いまごろ婿となるタニアンは対となる樹、花の男神の元だろう。
《妖精姫スイレンよ、お前はなぜ嘆くのか》
「女神様!?」
あたりには誰もいないし、この声は樹から聴こえている。
《お前は結婚が嫌なのだろう》
「……は、はい」
神に嘘をつくのはいけないので、正直に答える。
《ならばこの力を受けよ。さすればお前は運命の相手と結ばれようぞ》
「きゃあああ!」
まがまがしい悪意が、私に取り込まれていく。
「苦しい……」
あれから私を探していた騎士レガンスにより発見された。
「姫は女神様の怒りをかい、呪詛を受けたのですじゃ」
「なんだと」
「呪いを解くには人間界の魔法学園へ行くしかありません」
「なるほど、そこならば腕利きの魔法使いがいるだろう」
――私はレガンスを連れて人間界へと降りた。