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巡る冬
塔は、神さまと守主が消えたあと役目を終えたかのように張り詰めていた空気を解きました。拒絶していた時間を受け入れるように著しく劣化しました。
それは、今にも崩れそうで、けれど決して崩れはしませんでした。まるで、穏やかに動き始めた時間を見守るようでした。
国に四季がめぐりはじめると、国民は大いに喜び、国は次第に豊かになっていきました。
青年は二度目の春が来たころ、王宮の料理人を辞し、友人のもとで飴細工の職人として働きはじめました。
飴でこの国の歴史を伝えるのだと言って、何年もかけて立派な、けれどぼろぼろになったこの国の塔を作り、美しい神さまを作り、神さまの恋人、守主を作り上げました。場面ごとに繊細に創り上げた飴細工は、友人の店いっぱいに飾られ、本物のお話を完成させることができました。
彼の繊細な飴細工は国王の目にとまり、そのお話は瞬く間に国中に広がりました。そして、神さまの悲しい恋のお話はねじ曲がったお話に上書きされていきました。
彼は生涯、真実の物語を語ることに尽くしました。
そして、春になると国に咲き誇る青い花を、今はだれもいない塔に供えることを決して忘れはしませんでした。
その国は神さまの加護を受け、神さまを愛し、穏やかに季節がめぐる素晴らしい国となりました。




