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GENOCIDE   作者: 腐れR-TYPER
1/1

Ceremony [Opening1]

2172年、「MESIA」は人類の救世主となるべく、大型端末制御装置として各国の「世界統一セキュリティセンター」に設置された。


メシアシステムは順調に稼働し、度重なるシステムアップを経て、処理する項目も日増しに増え続け、2221年には各国すべての政治、経済、人々の生活管理、治安に至る何万に及ぶ項目を処理するまでになった。当然世界各国の貧富の差などは解消され、軍備などは無用の長物になったのである。


だが、世界の人々の全てがこのシステムを歓迎したわけではなかった。全人類のほんの数%足らずではあったが、初期段階から反対した知識人もおり、さながら20世紀の原発問題と同様の反対集会も存在していたのである。

現実に、メシアによって管理、隠蔽された数々の事件の中にそういった々の名前が見受けられることも知られつつあった。

しかし、反対者達は社会情勢によって沈黙を余儀なくされた。地球上はそれほどまでに切迫しており、全体の80%以上もの人々が、生きる上での何らかの問題に直面していたからである。



彼らはある事件を機会に「国際平和協議会I.P.C」(International Peace Conference)」なる地下組織を作り、有事の際に備えるべく数々の工作をとりつづけた。その事件とは、2022年に世界統一連合最高司法省がウエップナーJr博士以下、メシアシステムの開発に携わった5名を私的にソフトウェアーなどの変更による背任罪など15の罪状で起訴し、2203年アラスカ処刑場で執行された事件である。


以後、IPCの上層部はほとんどがメシアシステムに接してきた人々で構成されるようになる。徐々にではあるが、メシアの暴挙は人々に陰りを落とすことになるが、人類は既に抵抗する術を失っていた…。


2227年、ついに南太平洋上の島が一瞬のうちに消滅した。メシアシステムからの指導に対して異議を申し立て、従わなかったのが原因であったが、全世界に対しての報道内容は「疫病の蔓延の為」となっていた。


同年、IPCのブランクス部隊はメシアシステムの設置場所を確認し、破壊工作を行おうとしたが、しかしあらゆる想定において設計された強硬なセキュリティシステムとメシア自体が造り出したバイオニクス兵器群にことごとく粉砕された。IFCは核兵器の使用も検討したが、メシアシステムに内包されているリアクターとの誘爆で地球上に壊滅状態を招くことが判明し、お手上げ状態となる。


翌年、IPCの技術者たちが技術の全てを結集し、有人のパワードギアを完成させた。


これは、今までに解明されたメシアシステムのセキュリティ機構を突破できるように設計され、誘爆の危険性の無い武器を搭載し、敵のエネルギーを利用できるように互換性のある「バイオニックス」を動力原に採用。そして初の試みとしてメインシステムの制御にニューロコンピューター"LANDY"を搭載した。


このマシンは搭乗者の動きを追従することから「トレーサー」と呼ばれた。


パイロットには人間離れした運動神経と動体視力をもつブランクス部隊の若きエース、竜ヶ崎 健が選出された。今回の任務には相当な身体的負担がかかるため、トレーサー開発責任者の流山淳三郎博士がこの作戦のために必死で探し出してきた男であった。彼の素性には謎が多かったが、彼自身の荒削りだが正義感あふれる性格と自信にすべてを賭けるしかなかった。


人類にはもう時間が残されていないのである。


西暦2230年、人類の奢りが肥大した最強の敵「MESIA」とのファイナルバトルが、人類の運命を賭け、今始まろうとしている。

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