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空っぽの心  作者: ヒロ
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第9話 診察結果

お久しぶりです。

第9話が完成しました。良かったら読んでください。


佳奈との関係はどうなってしまうのか…?

 佳奈に『来ないで欲しい』と言われてから、3日。俺は毎日が楽しくなかった。日曜日は裕美さんに助けてもらったが、それ以降は彼女とすら会わない。何も無いつまらない生活…俺は、どうでもよくなっていた。


「そういえば今日は佳奈の診察の日だな」


 毎週、水曜日には必ず病院の診察に行かなければならないことになっている。佳奈に直接は会えないし…


「あとで田中医師のところに行ってみるか…」


 診察は午前中に終わってるはず…俺も今日は仕事が早く終わるし、帰りに行ってみよう。











 午後3時、俺は仕事を終え、すぐに病院へと向かった。病院に行くと急患なのか、慌ただしい雰囲気だった。田中医師も走り回っている。


「おい! 早く持ってこい!」


 田中医師がそう叫ぶ。それを聞いて俺は嫌な予感がした。もしかして…佳奈が倒れたとか…? 俺は急に不安になった。この慌てよう、いつも冷静な田中医師があんなに叫んでいるのだ…きっと命に関わることだろう。それがもし佳奈だったら…どんどん不安になる俺。その時、


「お久しぶり」


 肩を叩かれ、そう言われた。振り返るとそこには裕美さんがいた。


「裕美さん…何でここに?」

「あ~こないだ言ってなかったっけ? 私もここに通ってるんだ」


 裕美さんがここに通ってるなんて初めて聞いた。


「何か病気?」

「ううん。私は頭痛の薬をもらいに来ただけ」


 俺は裕美さんの話を聞きながら、医師たちの声を聞いていた。何度も田中医師の叫び声が聞こえる。


「ん? どうしたの?」

「いや、特には…」

「わかった。あなた不安なんでしょ」

「えっ?」

「初めて会った時に言ったでしょ。私は人の気持ちがわかるって」


 そうだった…裕美さんは何でもお見通しだったんだ…。


「大丈夫。今、慌てているのは近くで交通事故があって、その人がこの病院に運ばれて来たの。この前言ってた…佳奈さんだっけ?」

「あっ…うん。心配になっちゃってさ…」

「佳奈さんなら大丈夫だよ。午前中に名前呼ばれてたし」


 俺は裕美さんから、そう言われて、やっと安心できた。佳奈はちゃんと診察を受けてるみたいだし、良かった。


「ほら、そんな暗い顔をしないの。笑って」

「うん」


 それから急患の人の治療が終わるまで、俺と裕美さんは話をしていた。











 俺が病院に到着してから2時間。裕美さんと別れた俺は、ようやく田中医師に会うことができた。


「お久しぶりですね」

「はい。それで佳奈の調子は?」

「特に目立って悪いことはありませんが、良くもないです」

「そうですか…」

「まあ、まだあれから数週間しか経ってませんし、これからですよ」

「そうですね」


 確かにすぐに笑顔が戻るわけがない。いつまでかかってもいいから、佳奈に笑顔が戻ればいい。


「それにしても…気になったことが1つあるんですが…」


 俺の方を見て、田中医師が深刻そうに言う。


「佳奈さん、泣いていたんですよ。それがどうも心に引っかかって…何かありました?」


 俺は、その言葉を聞いた瞬間、まるで魔法をかけられたかのように動けなくなった。去年、約束したことがあった。『俺は佳奈を泣かせない』と。去年のあの日から守ってきた約束…それが今日、儚く散った。俺は理由がどうであれ、佳奈を泣かせてしまったのだ。

読んでくださってありがとうございます!


達也は佳奈との約束があったんですね。それにしてもどうして佳奈は泣いていたのか…そのうちわかります。


第10話以降もよろしくお願いします!

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