表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空っぽの心  作者: ヒロ
6/25

第6話 想い

第6話目です。

よかったら読んでください!


佳奈と達也は…?

 空も夕焼けに変わり、周りで遊んでいた子供たちも家に帰ったのだろう、いつの間にかいなくなっていた。公園には俺と佳奈の2人だけになった。相変わらず佳奈は下を向き、時には泣いている。俺自身、何度も自分のことを『バカだな』と思った。けど…何故か佳奈のことを放っておけなかった。そんなことを考えている時、


「あなた、いつまでいるの?」


 佳奈が問いかけてきた。


「佳奈さんが話してくれるまで」


 この言葉を言った後、俺はまた自分に『バカだな』と言った。


「あなたバカじゃないの? 何で私なんかに付き合ってるのよ!」

「ああ、俺だってバカだと思ってるよ」

「じゃあ…」

「俺は佳奈さんを放っておけないんだ。何で泣いていたのか、俺は何か力になれないのか」

「見ず知らずのあなたが私の力になれる訳ないでしょ!」

「誰がいつ、そう決めたんだ? 俺は確かに佳奈さんとは見ず知らずの赤の他人だよ。だけど、こうやって偶然出会った。もしかしたら俺にも何かできるかもしれないだろ? 言ってみなきゃわからないことだってあるよ」

「…………」


 佳奈は黙ってしまった。その時、再び風が公園を吹き抜けていく。そして、俺らの前に桜の花びらが舞い降りてきた。


「……じゃあ聞いてくれる?」


 佳奈が重たい口を開いた。


「もちろん」

「私ね…今日、お姉ちゃんが死んじゃったの。今までお姉ちゃんとケンカばかりしてて、お姉ちゃんのこと嫌いだった。けど…お姉ちゃんが最後に言ったんだ。『佳奈、今までありがとう。絶対に幸せになるんだよ』って」


 そこまで言って、佳奈は再び泣いてしまった。


「私…お姉ちゃんに『ありがとう』って言えなかった。最後まで言えなかった…」

「佳奈さん…俺、佳奈さんは何も悪くないと思います」

「でも…でも…」

「むしろ佳奈さんは幸せですよ。素敵なお姉さんがいたんですから。これから佳奈さんが幸せに生きていく。それこそ、お姉さんに感謝を伝える方法じゃないですか。俺はそう思います」

「私…生きていていいの?」

「何言ってるんですか! 佳奈さんは絶対に死んじゃダメです! きっと家族もお姉さんも悲しみますし、俺も悲しいですから」

「えっ?」

「あっ…いや、その、そういう意味じゃ…」

「ふふ。達也さんは面白い人ですね」


 達也さん…? 初めて佳奈が俺を呼んでくれた。それに笑ってくれた。俺は自然と、


「俺、佳奈さんを幸せにしたいです」


 と言っていた。


「…………よろしくお願いしますね。お姉ちゃんも喜ぶと思います」


 こうして俺と佳奈は付き合うことになった。











 「お~い、たっちゃん? たっちゃんってば!」

 「あっ…何?」

 「もう、何考えてたの? 何回も呼んだのに…」

 「ごめんごめん」

 「たっちゃん、ありがとね」

 「えっ?」


 いきなりのことに俺は戸惑った。


「私ね、あの時たっちゃんがいなかったら、私は生きてないと思うんだ。だから、本当にありがとう。そして…これからもよろしくお願いします」


 この言葉に佳奈の笑顔は全く無い。そこにすごく違和感を感じたが、佳奈にそう言われ、すごく嬉しかった。


「佳奈、こっちこそありがとう」


 俺がそう言うとあの日のように風が公園を吹き抜けていった。そして…


「桜だ!」

「うわ~きれい」

「あの日みたいだな」

「うん!」


 俺と佳奈は時間を忘れて公園で1日を過ごした。でも…佳奈に笑顔が戻ることは無かった。

読んでくださってありがとうございます!!


何か夢のような話ですよね。でも、佳奈に笑顔は戻らなかった…。一体どうしたら?

第7話も頑張りますので、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ