表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空っぽの心  作者: ヒロ
5/25

第5話 初めて出会った場所

第5話目です。ようやく今年一発目の更新です。


だいぶ遅れてしまってすみません。

『佳奈の笑顔を取り戻す』そう決意した達也が考えたこととは…?

 『佳奈の笑顔を取り戻す』


 そう決意した次の日、佳奈は予定通り退院した。俺は仕事だったため、病院に行けなかったのだが、佳奈からメールが来ていた。


『たっちゃん、予定通り退院したよ。いっぱい心配かけちゃってゴメンね。これからもよろしく』


 メールだけ見ると、佳奈が笑顔を失ったなんて考えれなかった。俺は改めて、これまでのことを振り返った。2日前、佳奈は笑顔を失った。俺とのデートの最中に急に倒れた。俺は、どうすることもできずにただ見守ることしかできなかった。そして残酷な現実が告げられた。聞いた瞬間は夢だと思った。『きっと夢だ。これは現実じゃない』。目を覚ました佳奈に会いに行って、現実を受け入れるしかなかった。でも、どうしても現実を受け入れられない俺は次の日になれば佳奈は笑ってくれると信じた。けど…昨日、俺の信じた通りにはならなかった。それとともに現実を受け入れた。そんな時、田中医師がやってきて、俺に1つの方法を告げた。それは…『俺が佳奈を笑わせればいい』というもの。田中医師は簡単に言ったが、簡単にできるわけがなかった。そんな中、俺は1つの決意をする。『絶対に佳奈の笑顔を取り戻す』。だから…今日から、俺は佳奈の笑顔を取り戻すために頑張る。


「と、言っても…何すればいいかな~」


 『佳奈の笑顔を取り戻す』と決意したはいいが…一体、何をすれば佳奈に笑顔が戻るのだろうか。


「そうだ!」


 俺に1つの案が思いついた。今度の日曜日、あそこに行って見よう。そう思い、俺は佳奈に誘いのメールを送った。










 日曜日。俺と佳奈は、とある公園に来ていた。


「佳奈、ここ覚えてるか?」

「覚えてるも何も…ここって…」

「俺らが出会った場所だよ。確かあれは…」

「2年前の春だよね」


 俺は佳奈と出会った、この公園に来たら佳奈の笑顔が戻るのではないかと考えていた。そういえば…あの日も日曜日だった。俺は久しぶりにゆっくりできる日だったので、家の周りを散歩しようと思い、外へ出た。特に何かをする訳でもなく、ただ歩き回った。途中で空を見上げると雲ひとつ無い綺麗な空だったことを覚えてる。そして、そろそろ帰ろうと思っていた時、ふと公園に目を向けると1人の女性が泣いていた。俺は何も考えず、自然とその女性に近づいていった。


「どうかしたんですか?」

「…………」


 その女性は俺の問いに何も答えず、ただ泣いていた。俺は、その何とも言えない空気に押しつぶされそうになった。そんな時、風が公園を吹き抜けていった。それと同時に俺らの前に桜の花びらが舞い降りてきた。


「あっ…桜」


 俺は自然にそう言っていた。するとそれまで泣いていた女性がこちらを向いて、


「桜の花びらが散ってる…」


 と言った。俺は何か嬉しかった。


「やっと喋ってくれた」

「…………」


 俺が話しかけると下を向いてしまった。


「ねえ、桜好きなの?」

「…………好き」


 俺が桜の話をするとその女性は答えてくれた。


「俺は竹中達也。君は?」

「…………新山佳奈」

「どうして泣いていたの?」

「あなたには関係ないでしょ」


 そう佳奈に言われ、俺は困った。確かに関係無い。だから何も言えない。


「でも…」

「いいから私に構わないで!」

「!!」


 俺は佳奈の変わりようにビックリした。比較的おとなしい人だと思っていた。


「「…………」」


 それから俺と佳奈の間に会話は無かった。聞こえるのは元気な子供たちの声だけだった。

読んでくださってありがとうございます!!


佳奈と達也は公園で出会ったんですね。何という偶然…でもケンカ中。どうなるんだ…

第6話もよろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ