第15話 カセットテープ
第15話です!
裕美に言われたことを気にしながら、帰宅する達也。家に帰ると…?
ちょっと短いですが、お願いします!
「ただいまー」
いろいろあった1日を終え、自分の家に着く。
「おかえり。お疲れ様」
玄関に佳奈がやってくる。俺は、やっと安心することができた。
「佳奈、大丈夫だったか?」
「うん。何もなかったよ。あ、そうそう。小包が届いてたよ」
小包…? 誰だろう? 俺は佳奈から小包を受け取り、中を見る。そこには1本のカセットテープが入っていた。
「何だこれ?」
「聞いてみる?」
佳奈にそう言われ、俺はカセットテープをセットして、再生ボタンを押した。
『佳奈さんって笑えないんだってね』
そこから聞こえてきた声は聞きたくもない裕美の声だ。俺は停止ボタンを押そうとした。その時、信じられない声が聞こえた。
『ああ。俺も経験のない病気だよ。言っとくが、佳奈さんに手を出すなよ』
「嘘…でしょ?」
佳奈は相当なショックを受けている。それもそのはず、聞こえてきたのは…田中医師の声だった。
「佳奈…」
「たっちゃん、怖い」
「佳奈…大丈夫。俺が守ってやる。絶対に守るから」
小刻みに震えている佳奈の身体を優しく抱きしめる。テープは再生され続ける。
『お父さんがそんなことを言える立場なのかな~』
『あの子たちだけには手を出すな』
田中医師の声に力が入る。田中医師は俺らを守ってくれようとしている。そんなことを考えていると涙が出そうだった。
『お父さんが何を言っても無駄。私は計画を実行するから』
さっきから裕美は田中医師のことを『お父さん』と呼んでいる。俺は1つ気がついた。裕美の苗字は田中だ。もしかして今日の裕美の言葉は…『あなたの身近な人も私の味方かもよ』という言葉の意味は…
「たっちゃん、どうかしたの?」
佳奈が俺を見てる。会社に裕美が来たとは言えないし…
「ううん。何でもない」
俺には、そう言うしかなかった。
『俺は反対だからな。あんな機械、バカバカしい』
きっと2人が言ってることは、裕美が佳奈にやったことだろう。まさか田中医師も知っていたとは…あんな反応しといて、実は知っていたなんて…そう思うと今度は田中医師に怒りが込み上げてきた。
「佳奈」
俺は自然と佳奈の名前を呼んでいた。
「何?」
「明日、病院に行こう。そして真実を教えてもらうんだ」
「うん…たっちゃんが一緒なら大丈夫」
佳奈は少し不安そうだったが、病院に行くことを決意してくれた。俺と佳奈は明日、田中医師に話を聞くことにした。
読んでくださってありがとうございます!
まさか田中医師が関わってるとは…裕美と田中医師の過去には何があるというのか?
第16話では、だんだんとわかってきます。
よろしくお願いします!