表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
からくり競輪 ー烈風のマブイー  作者: 水前寺鯉太郎
重賞挑戦編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/30

第十五話:佐世保の変則、リミッター解除

GIII・九十九島賞。健吾にとって初めての「重賞」の舞台が開幕しました。


検車場は、これまでの一般戦とは一線を画す殺気と熱気に包まれていました。S級のトップレーサーたちが、重厚な音を立てる「からくり自転車」と共に並んでいます。

1. 源さんの「禁じ手」

発走直前、健吾は源さんから送られてきた最終調整プログラムをスーツ『炎』に読み込ませました。

「いいか健吾、これは調整じゃねぇ。**『暴走の許可』**だ」

源さんの通信音声が、ヘルメットの中で響きます。

新ギミック:【噴火連鎖バースト・チェイン

コアマブイ2500の出力を一気に解放するのではなく、あえて「不規則に爆発」させることで、403mという変則リズムに強制的に同期させる。

リスク: 爆発の衝撃が脊髄に直接伝わるため、レース後は数日間まともに歩けなくなる可能性がある。

「やってやるよ、源さん。計算通りに回るだけが、からくりじゃねぇってところを見せてやる」

2. 算盤の「鉄壁ライン」

対する算盤陣は、京王閣のベテラン選手二人を従え、完璧な三車ラインを形成していました。

「速水、君は403mの『死の3m』を理解していないようだ。このわずかな距離が、君のような無計画な加速を絶望に変える。僕の計算は、すでにゴールまでの全回転数を弾き出しているよ」

算盤の背後には、厚い壁のような番手選手。健吾は、またしてもたった一人の「単騎」です。

3. 発走:403mの迷宮

「構えろ!」

号砲と共に、六台のからくりが爆音を上げて飛び出しました。

健吾は定石を無視し、スタート直後から**【噴火連鎖】**を起動。

「ドッ! ドッ! ドォォォン!!」

心臓の鼓動に合わせてスーツが脈動し、不規則な加速が算盤のラインを揺さぶります。

「なっ……加速のタイミングが読めない!? センサーがバグを起こしているのか!?」

算盤の精密な予測が、健吾の「不規則な熱」によって攪乱かくらんされます。

4. 佐世保の「403m」の罠

残り一周。健吾は単騎で先頭を奪いました。

しかし、ここからが佐世保の恐ろしさです。400mバンクだと思って踏み込めば、最後の直線で「あと3m」が届かずに力尽きる。

「……ここだ。速水、君の熱が尽きる瞬間を計算していたよ!」

算盤がラインを崩し、一気に捲りにかかります。

背後の風を味方につけた京王閣ラインの突進。

健吾の視界は、過給による熱で白く染まり、耳元では「脊髄負荷限界」のアラートが鳴り響いています。

(兄貴……まだだ、まだ熱は残ってる……!)

健吾は、ハンドルを強く握りしめ、自分自身のコアマブイそのものをギアに叩き込みました。

もはやスーツを壊すのではなく、自分自身を燃やして回す。

5. 激突の直線

最終コーナー。

算盤の白銀のスーツが健吾の横に並びます。

「終わらせてあげるよ、速水!」

「――うるせぇ、もっと熱くなれよ、算盤ァ!!」

健吾の『炎』から、これまでにない真紅の閃光が放たれました。

403mの終着点。ゴール板を真っ先に切り裂いたのは――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ