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俺と君の復讐と創世  作者: つばめいろ
第一章 出会いと気づき
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第8話 偵察

 「ふう。腹ごしらえも済んだことだし、これからの作戦を建てよう」


 俺達はファミレスを出て、家に向かって歩いている。昼休憩の時間なのか会社員の姿がちらほら見える。


 「これからの作戦って殺す作戦だよな」


 「そうそう。クラスぐるみでいじめをしていたって話だけど、全員を殺すのは難しいから、特に憎い人を殺すって感じになるのかなあ」


 特に憎い人か。だったらやはり、いじめの中心に居た利琥りくだろうか。自分で直接手を出さず、取り巻きに指示していじめてきた。自分で手を出す勇気も無いくせにいじめてきて、ずるいと思っていた。これが憎いということだろうか。


 「多分いじめの中心に居た利琥ってやつが一番憎い相手だと思う」


 「ほう。それだったらその利琥って野郎を殺すための準備をしよう。いくら死体は私の力で消せるとはいえ、見られないようにしなきゃだからね」


 「じゃあ、利琥の動向を観察して隙を窺うって感じになるのかな」


 「そうだね。暗殺を行うという認識を持っていればいいよ。ということで、家に向かっていたけど、めぐるんの学校の方に進路を変えよう。一目見ておきたいからね」


 「わかった。こっちの道通ると近道になる」


 先頭を歩こうとすると


 「おいおい、先頭を歩くつもりかい。乙女の右手が空いてるんだから手を繋ぎなさいよ」


 まじかよ。別に付き合ってるわけじゃないんだからそういうことしなくていいだろう。ただ、手を繋がないと面倒くさいことが起こりそうだ。ちょうど人の目も少ないし、大人しく繋ぐか。伸ばされた右手を取って歩き始めた。



                    *



 ちょうど俺のクラスは外で体育をしていた。これならちょうどいい。ヒスイにどれが利琥かすぐ教えられるだろう。


 「あそこの木の近くにいる、あの集団の真ん中にいるツーブロの男が利琥だ」


 「あの男子ねえ。いかにもいじめをしそうな雰囲気だ」


 「どうするんだ。流石にここでずっと張り込みをするのは骨が折れる」


 「まさか。そんなことをするわけ無いよ。もう十分だ。家に帰ろう」


 ヒスイは校庭に背を向けて、もと来た道を歩き始めた。俺も慌ててその後を追う。


 「放課後あたりになったらまた戻って来るって感じか?」


 「いや? もうここには戻ってこないよ。あの男にマークができたからもういいんだ」


 マーク? 何のことだ。話に追いついていけない。俺の左手はガッチリと掴まれたままである。


 「ああ、そう言えば言ってなかったね。三つ目の空間把握の力だよ。一度相手を見てマークを行うと、三人称視点でマークした相手のことをいつでも見ることができるようになるんだよ」


 「三つ目の能力って。それも殺して奪ったのか?」


 「そうだよ」


 ヒスイは人を殺すことに躊躇が無いような気がする。必要だから殺す。そのことがすぐできてしまう人間だ。その段階に、俺はまだ行けていない。行くことはできるのだろうか?

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