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3話

父は知らせを聞くと、ろくに状況も確認せずに**「よし、迎え撃つぞ!」と叫びながら家を飛び出していった。**


(おいおい……せめて敵の規模くらい確認しろよ……!)


俺と母は、もしものときに備えて安全な場所に避難することになった。まだ赤ん坊の俺にできることはほぼないが、周囲の大人たちの会話に耳をすませるくらいはできる。


──そのとき、すれ違ったのが父の側近、文官のギルバードだった。


彼は険しい顔で、同行する騎士にこうつぶやいた。


「……もし帝国が本気で攻めてきた場合、王国は我々を助けるのか?」


(……ん? ちょっと待て。今の発言、ヤバくね?)


ギルバードの言葉には、明らかに「王国がクトーマ家を見捨てるかもしれない」という疑念が込められていた。


(王国は俺たちを本当に必要としているのか?)


クトーマ家は帝国との国境を守る重要な領地だ。だからこそ、王国にとっては「便利な盾」かもしれないが、「大事な仲間」とは思われていない可能性がある。


(もし本当に見捨てられるようなことがあれば、クトーマ家が帝国に寝返る理由になる……?)


俺の未来の「裏切り」は、王国に見捨てられた結果なのか……?


──でも、まだ情報が足りない。


今の時点では、単なるギルバードの不安かもしれないし、王国が実際にどんな対応をしているのかも分からない。


(くそっ、もっと「王国とクトーマ家の関係」を知る必要があるな……)


でも、俺は赤ん坊だ。できることが限られすぎている。


(情報を集めるにも、赤ん坊だから「話を聞く」くらいしかできねぇ……!)


(もし俺が普通に大人だったら、王都の貴族連中とコネを作ったり、情報屋を使ったりして調べるのに……!!)


「ふぎゃっ!!」


思わず悔しさが漏れた。


母が「まあまあ、ご機嫌ななめね~」と笑いながらあやしてくるが、俺はそんなことを考えてる場合じゃない。


俺はどうすれば、「本当はいいやつだったムーブ」をできるのか?


ひたすら考え続けるのであった。

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