第18話◇おしゃべりスズメ?精霊・チィ
チュンチュンとよく鳴いているけれど、興奮した時には鋭く「チィーッ!!」と強めに鳴いて知らせてくるところが印象的で、私はこの子を「チィ」と呼ぶことにしたのだ。
こんなふうに鳥に、そして精霊に触れるのは初めてのことだったから、まだ少しおっかなびっくりだ。
硬いくちばし、その逆に柔らかい羽。
少しザラッとした足や先端の鋭い爪あたりも、注意深く触れて確かめてみる。
鳥さん、ってこんな感じなのね。
ふくふくとした丸さがある体型がすごく可愛らしいわ。
それに、あったかい……。
羽毛もふわふわしてるのね。
やっぱりスズメ……のひなに見えるけれど、本当は違うのかしら。
正確にはチィは精霊だから、野生やペットとして存在している動物の鳥たちとは似て非なるものなのだと思う。
アネモネの精霊だって、森の野生のオオカミとは大きさが全く違っていて遥かに大きいし、その足元に炎を纏っていたわけで。
そこは実際の動物の種類と比べても仕方ないのかも。
ただ、この国にも動物を飼う人はたくさんいて、私は街で見かけるたびに羨ましく感じていた。
その人たちと動物たちとの間には確かな信頼関係が築かれている。
それが見ている私にも伝わってくることがあって、いいなって思っていた。
私もこの子とそうなれるかしら?
「ふふっ。かわいい。かわいいわ、チィ」
それに、話し相手になってくれるお友達がいるって、本当に素敵なことだわ!!
返事が返ってこないとしても、独り言のようになってしまうとしても、目の前に話しかけてもいい相手がいるという状況自体が楽しくてたまらない。
単に「精霊が召喚できた」とか「もう長男の娘として親戚の人たちに白い目で見られずに済む」とかいう即物的な理由だけでなく、チィという存在がそこにあること自体が、私には心の底から嬉しかった。
「それにしても、あなたって、すごいのね。チィ」
仮にも公爵という、身分ある立場の大人の男の人を、あそこまで慌てさせる鳥の精霊だなんて。
『まぁ、それほどでも、あるわね!!』
するとチィが耳元でそうさえずった。
……うん?
さえずった?
「何だか、今、小さい女の子みたいな話し声が聞こえたんだけど……。気のせい、よね?」
私は恐々と自分の右肩を見る。
声は確かに、そちらから聞こえてきたと思ったから。
でもそこには当然、鳥のチィしかいない。
やっぱり気のせいみたい。
だって、精霊がしゃべるなんてこと、これまで聞いたことなかったし……。
『気のせいじゃないわよ?』
けれども、もう一度、今度こそはっきりと、声は私の耳に届いた。
それに、チィの口元がしっかり動いていたのも、この目で見てしまった。
きちんと声に合わせる形で、そのくちばしが開いたり閉じたり、舌が動いたりしていた。
そんな状態を見てしまった以上、気のせいと思い込むことは、さすがにできない。
「チィ!?あ、あなたっ、しゃべれるの!?」
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