第八話 「剣の修行(2)」
今日も剣道場へ向かおうとした時だった。
「一緒に行こうよ!」
そう声をかけてきたのはエリックさんの娘のセリスだった。
「うん。いいよ。」
セリスは5歳の女の子で、金髪の髪をしている。どこか幼さを残しているところがかわいい。
とても整った顔つきをしている。
この子を表すとすると天真爛漫という言葉がぴったりだろう。
そんなセリスは、エリックさんが亡くなったあと一人残されたため、ウォートンが引き取ったのだ。
俺たち二人はともに強くなるために頑張っている。
俺は剣を使って強くなるのでセリスは、魔法で頑張るらしい。
現にエビィナから魔法を学んでいる。
そして最近、水氷魔法のウォーターボールを覚えたらしい。
さらに今は、回復魔法の取得に向けて鍛錬を積んでいる。
また、息抜きに、俺の剣の練習を見に来たりする。
今がまさにその状況だ。
(かっこいいところ見せないとな。)
そう思えるから頑張れているところもある。
そして6歳になったある日、ロイは自分の中に新たな力を感じ始めた。
「父さん、今日はもっと厳しい訓練をしてみたいんだ。」
ウォートンはロイの目を見て、彼の成長を感じ取った。
「そうか、それならば、今日は即剣流の特訓だ。」
というと、ウォートンが即剣流について話し始めた。
「即剣流は、80年近く前に作られた流派で四大流派の内で一番の歴史がある流派だ。速いスピードと手数で戦う流派だ。そして今の即剣流特級はラグライン・サンダーフォージがその座に就いている。知ってると思うが、普通の人は誰でも強くなれるというわけではない。才能がありなおかつ、努力できるやつだけが型そして技を習得ができる。お前には才能がある。だから、お前は努力さえ怠らなければ俺を超えることができる。」
「はい。頑張ります。」
ウォートンの言葉に胸を躍らせながら、ロイは即剣流の特訓に臨んだ。
その日の訓練は、これまでにないほど厳しく、ロイは何度も地に倒れた。
しかし、ロイは何度も立ち上がり、剣を握りしめた。
ウォートンは、息子の不屈の精神を認めた。
「よし、今度は俺の攻撃を避けてみろ!」
ウォートンが叫ぶと、ロイは全身を緊張させた。
ウォートンの剣が風を切って襲いかかる。
ロイは必死にそれを見極め、かろうじて身をかわした。
一瞬の隙をついて、ロイは反撃に出た。
その動きは未熟だったが、ウォートンは息子の成長を感じ、心の中で微笑んだ。
日が暮れる頃、ウォートンはロイに言った。
「今日のお前は、昨日のお前よりも強くなった。だが、まだまだ道は長い。剣の道は、一生の修行だ。」
ロイは疲れ果てながらも、父の言葉に力を得た。
「はい、父さん。僕は諦めません。エリックさんのためにも、最強の剣士になります。」
そう誓いながら、ロイはその日の訓練を終えた。
彼の心には、新たな決意が芽生えていた。
そして、その決意は日々の厳しい訓練を乗り越える力となり、ロイは確実に強くなっていった。
ウォートンの期待を背負い、ロイは剣士としての道を歩み始めたのだった。
特級はそれぞれの流派のトップの人とそれに負けず劣らずの人のみがなれます。
そんな奴らは強さが段違いです。