第二十七話 ミクダル王国
「ここがミクダルかー!」
「お前らは一応人質ということを忘れんな。」
「いや、俺こう見えてほかの国に行くの初めてなんだよねー。」
「僕もアルヴィアに友好のしるしとして会いに行ったくらいしかほかの国に行った事にないんだよ。」
「へーカイエンも大変なんだな。」
「それにしてもこの町はハルンの町と違ってなんか質素だね。」
「俺、ろくに町などのでかいところに行った事にないからよくわかんないんだよね。」
「あーそっかー。」
(ハルンの町もこの町も東京と比べたら小石みたいなもんなんだけどな。)
「観光じゃねぇんだよ。」
ゼインが言った。なんか最近突っ込み役になってない?
と思いつつもこの町を見た。
この町の名前はリブラ。
それぞれの家は岐阜県の世界遺産みたい。
「ここはミクダル国の王都だ。」
言われてみれば住民たちは質素な家に住みながらもどこかしら高そうな服を着ている。
「ここの住民は貴族なのかな。」
「いや、ここはまだ特権階級の場所じゃない。ここは少し裕福になったお偉いさんや商売に成功したお金持ちが住んでいる。」
なるほど、確かに今歩いているところは両側ともお店がずらーっと並んでいる。
「なんか買ってもいい?」
「だから!観光じゃねぇんだよ!!」
本日何度目かわからないお叱りを受けてさすがにこれ以上怒らしたらまずいと思ってそれからは見るだけにした。
「ここがミクダル国の宮殿だ。」
そういわれて前を見るとそこには周りの質素な感じとは異なるとても広大な宮殿があった。
雰囲気は中国のむかしの都みたいな感じだ。
「広い!」
俺は直感的にそう思った。入り口の前から宮殿の奥が見えない。
「そうか?そんなもんじゃない?」
カイエンは王子様なのでこのくらいの大きさにビビっていない。なんかくやしい。
「いやいや、めちゃめちゃ広いやん。」
「ハルンでもこのくらいだよ。」
この人は根っからのお坊ちゃまだと改めて実感した。
「よし、いいかお前ら、ここから先はおしゃべり禁止だ。」
「ええっ、なんでだよ。」
「いいか、お前らははあくまで人質。そんな奴がワイワイと宮殿に来たら王はお怒りになるはずだ。そうするとお前らは、殺されるかもしれん。」
唐突な殺害予告!
「でもそれだとミクダルに何のメリットもないじゃないですか。」
確かに敵国の王子を殺せたら相当なメリットだが、そんなことをしたらハルン以外の国の心証が悪くなる。そうすると四面楚歌になってしまうので、ミクダル国としては避けたいところではある。
「何はどうあれ、王を刺激するようなことは言うな。」
「じゃあどうすればいいですか?俺、礼儀作法なんて知りませんよ。」
「お前は俺のお眼鏡にかなったただの兵士候補さ。政治的な意味合いはほぼ無いに等しい。」
もしかしたらどこかに幽閉されるかもなとも言っていた。
「準備はいいな。」
「「はい!」」
「じゃあ、入るぞ。」
そう言ってゼインさんは見張りの門番に一言いい俺たちは宮殿の中に入っていった。




