第二十四話 「旅?の目的」
誘拐3日目
「お前はこんなことしていいのか?」
「お前呼びはやめてくれよ。ゼインさんって呼べ。」
「はいはい。ゼインさん、俺たちほんとに縄ほどいていいのか?」
「別にいいぜお前らは逃げられねぇし。」
カイエンが言う。
「なんでだ。二人で逃げれば何とかなるかもしれない。」
「無理だな。理由は二つ。一つ目はお前らはここの土地勘がない。逃げたところで迷子になって死ぬだけだろう。」
「そうだな。ここがどこか分からないし。」
「そしてもう一つ、お前らじゃ俺から逃げきれないからだ。」
「そうか、確かにあのスピードだと逃げられないな。」
「さらに俺はスキル”サーチ”があるんでね。」
即剣流の技を使えば何とか距離は離せるかもしれないがそれは一時しのぎにしかならない。
かえって体力がなくなりあいつに殺されるかもしれない。
「お前今、俺に殺されるかもしれないって思っただろう。」
「え、まぁ。」
「安心しろ俺が受けた命令は王子と有望な戦士の確保だからな。それを殺しちまったら怒られるな。」
「ではそろそろ本題に入ろうか。」
カイエンが口を開いた。
「先ほども聞いたがなぜ俺を誘拐した。これによってハルンとミクダルは戦争に突入するかもしれないんだぞ。」
「俺は命令を聞いただけだから何もわかんないなー。」
「お前!」
「でもただ一つ言えることは、ミクダルはお前らハルンのことを快く思っていない。」
「だとしたら俺を誘拐して何になる!まさか殺す気か!」
「さぁ知らないねぇ。でもここで戦争になったらハルンは二正面作戦を強いられるね。」
「ちっ。」
「お取込み中悪いが俺はそういう地理的な問題や周辺国との関係などがよくわからないんだ。教えてくれないかないか?」
「そうか、ロイは農民出身だったね。いいよ。まずこの国がハルン王国という国だ。」
そう言って地面にそこら辺に落ちていた木の枝で地図を書き始めた。
「ここがハルンだ。」
そういうと周りに3つの国を書き始めた。
「ハルンはこのミーカグン大陸の中央部に位置している。ハルンは戦争中で敵国は東に位置している隣国のシナカーンだ。そして西に位置している同盟国のアルヴィア。そして南に位置しているゼインと僕たちは向かっているであろうミクダルだ。ミクダルは昔、両国間で大きな戦をしたことがあってその時からお互いを敵視している。」
「なるほど。で、ミクダルが敵対している国の王子様を誘拐したということだな。」
「そう、この時にミクダルに攻めてこられると厳しくなる。」
「シナカーンは強いのか?」
「この大陸では何ともいえないな。あの国は騎兵が強くてな。歩兵で戦わせると大きな損害を被ってしまう。しかし、国土、人口ではハルンが大きく勝っている。」
「じゃあ今はミクダルと仲良くしたほうがいいのか。」
何が何でも滅亡だけは避けたいところだ。
転生してきて国が滅んだらシャレにならない。
「だから、俺はこの機会を生かしたいと思っている。直接ミクダル国王に会えたら戦争しないでくれと言うつもりだ。協力してくれるか、ロイ。」
この子は俺と同い年のはずなのにこの国の未来を考えている。
前世の俺よりよっぽどましだ。
「ご協力いたします。カイエン様!」
「ありがとう。ロイ。やっぱり敬語はやめてほしいな。」
「・・・わかった。頑張ろうなカイエン!」
俺たちはこの状況を使ってハルンに訪れるかもしれない脅威をなくそうとしていた。
「俺のこと忘れんなよ・・・」
「あ、ごめん。」
ハブられたゼインが萎えていた。




