第二十一話 「緊急事態」
俺とセリスは歩いて王都に入ろうとした時だった。
前から何十人かの男たちが何やら物騒なものを持って王都から出てきた。
かと思うと警備員みたいな人たちが男たちと相対した。
「そこから誰も動くな!」
と男たちが言う。
「お前たちが何をしたかこちらに話もう伝わっているのだ。おとなしく捕まってもらおうか。」
そう言って警備員の一人が大きな袋を持っている男に向かって走っていった。
「おっとそうはいかないぜ俺たちは先を急いでるんだからな。」
「隊長!このガキも一緒にいいですか。」
男はいやらしい顔をしながら言う。
見ると男がセリスの手をつかんでいた。
「きゃあああ!誰か助けて!」
「それは無理な話だぜ。俺たちゃがはい、わかりましたというとでも思ってんのかw。じゃあな!」
男たちがそのまま大きな袋とセリスを連れて行こうとしたときとっさに声が出ていた。
「おい。お前。その手を放せ。」
その声は自分の口から発せらたものとは思えないくらい低い声だった。その声には信じられないくらいの威圧感があった。
「な、なんだこのガキ。」
「放せと言っている。」
俺はキレていた。
まだ8歳の女の子に誘拐しようだなんて人道的に間違っている。
「いやだね!この女は俺たちのもんだ!」
「あ?もう一度言ってみろ。」
俺は腰に差している竜閃を高速で抜き、男の腕を跳ね飛ばした。
「うぁぁあ!」
俺は無言で攻撃を続ける。
「即剣流・即剣」
男の体はセリスの体の形をくりぬくように消えていた。
「おいおいこいつやばいぞ!」
男たちは明らかに動揺していた。
その隙に俺はセリスを保護した。
「大丈夫かセリス!」
「う、うん。大丈夫だよ。」
「そうかよかった。」
俺はほっとした。
「セリス。ここから逃げろ。」
「いや、私も戦う!」
後ろを見ると男たちは武器を持って構えていた。
「まだ君には危険だ。逃げろ。」
「私は戦える!だから、あなたと一緒に戦う!」
セリスの目は本気だった。
その目は人を殺す事を恐ろしいと思いながらもその恐怖に耐えようとしているように見えた。
自分も大切な人を守るためとはいえ初めて人を殺した。
だが不思議と何も思わなかった。しかし常人には耐えられないものだろう。
だからこそ8歳の少女に人を殺させる事はさせてはならない。
「分かった。」
「ほんと!」
「ありがとう。」
俺はそういうと剣でセリスをみねうちした。
警備員にセリスを渡して俺は言った。
「この子を王立学園に届けてください。」
警備員は一瞬驚いたような顔をしたが、すぐにうなずいてくれた。
「俺たちのことは無視かよ。イケメン君。」
「いいや、今からかまってやるよ。」




