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イノチノマタギ  作者: 凪雨タクヤ
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マタギ渡し=墜落

どこまでも暗く、狭苦しく感じる闇の空間。

僕は死んだのか。


感情が交錯する。

恋人に殺されて。嫌だ、信じたくないよ。

彼女が、僕を笑顔で殺したなんて。


でも死んだのにどうしてこんなに感情があるんだろう。

どうしてこんなに苦しいのだろう。

胸が張り裂けそうだった。


するとどこからともなく声が聞こえた。


・・・つい・・・アナタ・・・て・・・のときが・・・。


よく聞こえない。

やわらかくて包み込んでくるような声だ。

自分が水の中に沈んでいきながら聞こえているような・・・。

最期に聞こえた彼女の声と違って遠くに聞こえる。

でも何も見えない。暗闇だ。


意識を集中すると、ハッキリとした声が聞こえた。


「アナタのレベルは100。辛く悲しい旅でしょう。」


ゆっくりと意識が覚醒していく。

ここは・・・宇宙?

温かい光がゴゴゴゴという轟音とともに自分を包んでいる。

周囲を見るとそこには青い惑星。

成層圏あたりだろうか?

ちょうど星の境目が青白く光り、宇宙空間の黒とまざりあっている。


色がまざり合っているのに、そこには絵具を混ぜ合わせたような灰色ではなく、

黒から白を経由した青色が広がっていてとても綺麗だ。

だけどその景色に感動する暇はなく、目の前のどうしようもない事実に直面するしかなかった。


僕は、宇宙からこの青い星に向かって”落ちている”真っ只中だった。

自分がかなりの光を発しているということに理解するのにも時間がかかった。


ものすごいスピードだ。

しかし大気圏に入っているにしては自分の体は燃え尽きるどころか真っ黒なコートの端が擦り切れることさえない。


この星の地面の方をみると、やはり地球には似ているがしらない形をしている。

世界地図で見たどの地形にも即していない。

僕はひたすら落ちる。

墜ちて墜ちて、この星の住民からしたら、きっと綺麗な流れ星に見えただろう。


どんどん地面が近づいている。

なんとかしなきゃという気持ちとさっきの空間や今の状況はなんなんだという気持ち、

それだけでない様々な感情が頭でのたうち回りながら星が近づいてくる。


-イーデア メリル連合王国 ニールランド州 ロッド市-


1人の吸血鬼が颯爽と街中を駆ける。

黒を基調としたフリルのついた比較的動きやすい服で、人々をピョンと飛び越えていく。

スピードは出てるが周りに危害が及ばないよう慎重な体さばきだ。

町はかなり人通りは多いようで、多種多様な種族の市民が行き来している。

ズシャァとブレーキをしてとある店の前で止まる。


店の前には縦長の”ガーランド商業旅団”という看板の付いた大きな車両が止まっている。

そこで何やら大きな体の人らしき生物が車両の下部をいじっているようだ

車両の上部には機銃と巨大な戦車の砲台のような二連砲塔がついており、さらに後部には連結器でつながれたもう一台の縦長の車両が

続いている。


「ガーランド!頼まれてた六角レンチ!もらってきたよ!」

ガーランドと呼ばれた大柄のオークがヌっと体を見せ、六角レンチを受け取る。

腰には他にもいろいろな作業用の工具が刺さっている。

「あぁ、ありがとうリカ。コイツがないとジェネレーターをいじれないんだよな。」

リカと呼ばれた吸血鬼は一仕事できて上機嫌にニコニコと笑っている。

「ガーランドってば意外とドジっ子なとこあるもんね~。テツとネルももうすぐ合流するよ!ネネ姉さんは手続きだけしてくるって!」

そうか。とガーランドは答える。


すると、周囲を歩いていた人々がざわめき出した。

何やら空を指さしたりしながら驚いているようだ。

リカが空を向くと、上空から一筋の光が伸びているのが見える。

光はこの町のはずれの森にある巨大な神樹のほうに向かっているようだ。


「ガーランド・・・!あれって!」

ガーランドも空に目を向ける。

一瞬で”それ”が何かを理解したようだ。


「あぁ、リカ。すぐに皆を集めるんだ。現地へ向かうぞ!」

ガーランドはいじっていた車両を動かし始める。

「やっぱりただの流星じゃないわよね。アレは・・・。」

「そうだ。アレは”マタギ渡し”だ。」

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