昭和63年10月29日 北工祭文化の部 2
久しぶりの投稿です。
2.10月28日 開催前日
今回の運用は生徒会主導となった。
外部協力として、南足柄高校生徒会と、相模大井高校生徒会が公式に参加することとなった。それでこの前恭子たちが来ていたのだが、こういう場でお兄ちゃん言うなとさんざん言っていたのになあ。。アホですかね?かわいいけど。
無線機は、RJ-580E、ICB-M800、ICB-707F 2台 すべて窓際に机を並べて設置。
ICB-707Fは来客誘導および生徒会構内通信用FM波
生徒会所有のICB-33Fは校内移動用
RJ-580E,ICB-M800はゲスト通信用として解放。
ICB-M800の専用受信アンテナはC棟屋上に設置した。
各機は盗難防止のため、ホームセンターで買ってきたチェーンで固定。
使用コールサインは オダワラKT638、オダワラKT329を使用
KT638は夏の通信訓練のときの物を使用し、KT329はあらたに設定。
KT329は誘導および構内通信用にて使用。
屋上でアンテナを設置していた大田が降りてきた。
「洋介ちゃんそういえば、市川が乱入するっていうウワサだぞ~」
「相模大井高の市川か。というか、落合のヤツ相模大井高でヘビメタバンドやっていて、前に南高の文化祭でも出ていたよ。今年はバンド飛び入り演奏OK!なんて守谷のアホが決めたからな。落合のヤツやるかもよ?」
いやいや!それそんなのないってば!事前登録だってば!
「大田~M800の方はどうだ?」
「このまえ買ったフルノのアンテナ調子いいぞぉ~ 受信感度が違うんだ。
ここからだとうまくいけば普通に千葉と交信可能だよ」
「そういえば、この前の移動作戦いや通信訓練でソニー移動隊と交信したし」
「移動しているのがいれば交信できるかもしれないね!」
ただ、今回はラ製への告知は時間的に間に合わず掲載はできなかった。
『かんとう広域』については、主筆の一人に電話連絡を取ったところぎりぎりで掲載可能と言うことで、原稿をFAX送信し掲載してもらった。
「杉崎君、試験運用するぞ~ まず来客誘導用FM波」
「なんでですか??」
「川の向こうで市川が待っている。誘導波のKT329で運用行こうか?」
「CQ CQこちらカナガワKT329北工生徒会 誘導波試験中です」
反応があったのは市川ではなかった
「こちらかながわDG38 カナガワKT329 カナガワAD220局はおられますでしょうか?」
はあ?杉崎と目を見合わせた。かながわDG38?女性??あ、この声・・
「かながわDG38局 カナガワAD220局は隣におります。代わりますかどうぞ!」
「カナガワKT329局了解しました。当局現在足柄大橋の大井町側におります。RS59です。失礼ですが交替願いますどうぞ」
「かながわDG38局 カナガワAD220です。長尾さんですよね?たしかそのコールサインはお父さんのでしたね どうぞ」
「そうですよぉ~明日からデザイン科科展お手伝いで行きますので~ではBEST73」
「了解、、BEST88」
「先輩、、もしかして彼女さんですか?」
「そうです、、ここの卒業生で昭和60年度ミス城北、、2番手はウチの姉、、」
ICB707Fから市川の電波が入った
「高橋君よぉ~たのむわぁ~まずいよぉ~ ということで、こちらもRS59です。明日放課後乱入します以上」
「了解・・」
振り向くと、後ろに門谷がいた。
「たぁかぁはぁしぃ~ あいかわらずやなぁ~ この幸せ者!」
「そりゃどーもです。で、なんですかい?」
「これ!差し入れ!じゃあ! 」
近くのコンビニで買ってきたおにぎりやジュースが袋のなかにあった。
「どうしたんだだ光恵ちゃん?」
「そりゃーあれでしょ?市川君じゃなくて理香さんが出てはね。まさか計画?」
「おいおい、、大田、だいたいなぁ。そもそも理香がなんで知っているんだこの周波数?」
おいおい・・そりゃわかるだろう。小田急線最寄りの駅に公知ポスターがあり、見ればわかる、、
「ままま~それはさておき高橋先輩も大田先輩も、最近妙な波が出ていませんか?AM2chで。」
AM2chで変な波ね、、そういえば毎週日曜日になるとかなり強い英語が、、
「そういえばあるなぁ~なんか強い英語が」
「あるねぇ。。うち八木ないんでわかんないけど杉崎君の家からみてどっち方向?地図的に」
「うちも八木ないのでよくわからないのですけども、外出てICB-707Fを振り回すとどう考えても横須賀の方向なんですよ。それに、うち246の近くなんですけど、最近減ったとはいえ違法局入ってきますが、それ打ち消すぐらいですよ~藤沢のかながわED86と、木更津のちばEK87が『かんとう広域』に投稿していたけどやっぱり横須賀なんですよ。なんですかねあれ?」
かなり前にラ製で、韓国の米軍基地でCB運用しているのがいる・・という事が掲載されていた。米軍基地に関してはある意味治外法権なので、、、
「ややこしいねぇ~たぶんアメリカ海軍関係者。おそらくどっかのお友達とCBやっているんじゃない?FCC機で。しかも・・減ってきたけどまだいる違法局をつぶしているとなると100W以上の強い電波!で、ベース内部で運用していれば治外法権で済まされるんだろうけど、外部の専用住宅ってなると・・・」
「おもいやり予算ってやつです?微妙ですねぇ~」
それ違うと思うけどさ、、
科展を手伝っていた山本が帰ってきた。
「お!杉崎君がんばっているかい?これ成功すれば再来年あたりのラ製CB隊代表になれるぜ!」
「そうですかぁ~そんなこと思っていないんですけどねぇ~なんせ僕、ラ製にはあまり投稿していないし。。ミニコミの『かんとう』や『ロータス』に投稿してちまちまやるのが好きだから。」
「そういえば、科展やる小泉はなんかしらないけど、FRG8800で方位探知やっているな。まあモーターの制御プログラムは俺が作ったんだけどね。それにあいつ数学めちゃくちゃだろ?フーリエ解析プログラム組んだぞまあ、小泉に探らせてみよう。」
「いいねぇ~」
おいおい、、いつのまにそんなものを。。それあるんだったら今年の夏に、、、
「あっそれね、FRG8800は牧田さんの私物だよ」
だよねぇ~
ラ製ライターとなった佐伯の推薦により専門学校生となった年のSC90ラ製公認八丈島移動隊代表、翌3年の晴海HAMフェアにてCB隊代表として参加。
杉崎への周りからのやっかみ ラ製誌上にて読者レベルでもあまり活動していないのになぜ移動隊代表になるのだ? という内容で秋葉原某ショップに誹謗中傷の張り紙などをされたが、過去の北工文化祭での実績、地元イベントでの運用がそれらの批判を打ち消した。
後に、この行動はラ製CBコーナーの西日本方面を担当していたライターの
支持者が起こしたことが判明。それが誰であることもわかっていた。
証拠もあがっていた。
周りからは「訴訟した方がよくないか?あれだけ叩かれたんだぞ?」と
杉崎は言われたが、杉崎はきっぱり「そういう考えはないですよ。誰だって
ちょっと有名になればまわりはやっかむでしょ?しかし、、心が狭いですね。
他に叩くべきことあるのに。。」と半ば無視、、いや哀れむのような事を言った。
20世紀が終わりしばらく経ったときに自民党から参議院比例区議員となった本人から聞いたが
「すごいねぇお前さん・・いや杉崎先生、、参院議員会館にお呼びいただき・・」
「いやいや、、高橋先輩こそ神奈川県議会議員でしょうが。僕はあの当時、ちまちまと自分の趣味をやっているだけで良かったんです。別に有名になろうなんて・・でも正直あの時はハラが立ちましたよ。でもね、いまの自分じゃなにもできないって思い専門を卒業就職した後に働きながら通信制大学入り学びました。」
10月29日 午後2時
午前中は一般開放されず体育館での開会式および演劇鑑賞が行われる。
今年は落語だ。トリに林家喜久蔵 なんとまぁ林家喜久蔵が来た。
文化委員長守谷の親と同窓会役員にその方面につてがあり、来演となったわけだ。
「なんかあれだなぁ~洋介ちゃん、意外と盛況・・・だなぁ。微妙だが。」
なぜかしらないが、近隣近在の中学校同好会からの入感が多い。
ゲストオペレータも近所の中学生。無線機持ち込みまでいる。
「微妙だねぇ~大田。。まっこんなもんでしょうけども・」
「そういうもの・・だろうね。」
「ど~も~西湘ネットワークの市川ですぅ~なんか微妙に盛況ですねぇ~
学園祭でCB取り上げるのって初めてでは?」
「そうかもね、エキシビションではやっていたけども公式には初めてなんじゃないかな?というか、、南高もあれかあ、、どうだろ?」
市川の話では、佐賀がラジオの製作デスクを呼んでいるという。佐賀は来年度から一部コーナーを担当することになっている。
「それは知らないなぁ。でラ製が来ると?それにしても、、そんなにCBって人気あるのか?」
「うん、来年からケンウッドがCB機に参入するって話だし、サンヨーがCBに復帰するそうだ。それに、例の映画でFM2chがいっぱいな感じだ。あと4波ぐらい増やすというウワサもあれば、49MHz帯に枠を設けるともいうし」
市川の言っていることはほぼ現実となった。
FM波の増波は年号が平成に変わった翌年である平成2年に6波増設が決定され平成4年から施行された。増波決定前に各方面の意見を聞くため郵政省主催による懇談会が開かれた。
メーカー、簡易業務として使用している事業主、漁業関連、CB愛好者、マスコミ関連等が集まり計3回の会合が開かれた。
この会合に佐賀も参加した。
その結果、優先区分を1.漁業含む簡易業務 2.一般通信 3.レジャーとなり
AM帯1~3ch業務通信優先、4ch~8ch区分指定なしの一般通信
FM帯1~2ch業務通信優先、3~5chレジャー通信、6~8ch 区分指定なしの一般通信
CB愛好者は簡易業務が撤廃されたことを盾にAM帯3chを区分指定なしの主張をしたが、FM帯3波を区分指定なしとしたため妥協した。
のちにこの区分協定は49MHz帯に出力0.5W FM12ch多目的簡易無線が平成10年にできたため、AM帯はすべて区分なしの運用となった。
外部アンテナ許可は高出力送信を懸念して認可はされなかったが、その代わりフレームアースに関しては認められ、さらにPTTマイク取り外しも認可された。(端子は独自規格として電話機同様のモジュラージャックとされた)それにより、操作パネルと送受信部との分離も可能となった。
「それもいいけど、外部アンテナの許可を認めて欲しいね。リード線巻き付け投げ竿アンテナはどうかと。電源のマイナスをアースして・・」
「いえるねぇ~」
そう雑談しているとM800の操作説明をしていた大田が来た。
「おう!市川君!この前の訓練ではどーも!」
窓際が騒がしい、、
おお!大島移動のいせはらRA120!「QRZ?こちらオダワラBD125北工文化祭特設局より運用です。どうぞ!」
彼が持ってきたのはソニーICB-700A 2ch機なれど重厚なボディーはまるで軍用機。。免許不携帯でも継続使用可能なシールは貼られている。たぶん親の持ち物だろう。
あ、、、厳密には。。まあいいか。
コールサインと無線機が紐付けされているからダメなんだよねぇ~本当は。
「オダワラBD125って篠原じゃないか?小田原無線クラブ会長の孫。そういや、今回洋介ちゃんの彼女がすぐそこにいるんじゃない?副会長のお孫さん」
ああいたなぁ・・そういえば。
「ちょっと呼んでくるわ。引き留めて・・しばらくいるだろうあの調子じゃ・・」
となり、、といっても高さ2m程度の薄いベニヤボード並べて仕切りしてあるだけ、、に行き、造形デザインコーナーにいる理香を呼びに行く。
「すみません長尾先輩、ちょっとこっちのブースに来てくださいな」
ん?と振り向き「あ、ようすけちゃ・・んん~高橋君ね。なにか私に用事でも?」
「はい、先輩のお知り合いがあっちにいるんですよ」
「んんん?だあれ?」
「中学生です」
「はあ?」
洋介によばれCBブースに行くと、、、「あ!祐司君!ひさしぶり!」「えっあ!長尾のおねーちゃん!」
「おじいちゃんは高専行けと行っているけど、ぼく北工行きたいんだよ」
「そう、ここから旧帝大目指そうとしている人が何人かいるとけど、なるべく楽な方にしたら?」
「それって、、おねーちゃんの彼氏?さっきいたカナガワAD220 高橋さん?」
「うんそうだよ。国立付属落ちてね、ここに来たのよ。高専編入か推薦で国立いけばいいのに、ムリして旧帝大狙っているし。祐司君も彼みたいなことしないでおじいちゃんの言うとおり高専にしたら?」
たはっ、、理香ちゃんなんかいろいろ言っているなぁ、、、
「ICB-700Aですかぁ、、いいですねぇ~軍用っぽくて。洋介君いろいろ言われているねぇ~」
「隆くん・・当局、自分ちょっと生徒会本部行くので校内通信チャンネルで頼むわ。」
「了解、えっと、、B棟1階ですな。じゃ!」
「じゃ!」
おまたせいたしました。
実はこの『晴れた日には』という物語はいまから7年半前、上海にいたときにほとんど書き上がっておりました。
それを『晴れた日には』投稿において全面的に改定をおこなった結果、とくに昭和63年文化祭のシーンがう~んなことになり、さらに引っ越しその他が重なったため、順調に掲載が遅れてしまいました。
それでいて、あっちの方 『いいわけのようなもの』シリーズは順調じゃないですか?
博物館いったりして。
とくに、 https://ncode.syosetu.com/n5790fy/ については完結したのに手を加えているし。
できるだけ早い時期にUPします。
では アシガラAB11 こと kei でした




