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晴れた日には  作者: kei
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1.出会い

ということで、本文スタートさせます。



1986年春 

 

 いっしょに行きたくはなかったのだが、なぜか姉がここのところしつこい。

姉とは同じ高校なのだが、まあその容姿で北工高の2トップとまわりから言われている。そんな姉と一緒に登校なんて、、まあどうなんだ?自慢の姉どうよ?という趣味はないので。容姿ともかくこの人怖いんです。。

 本来ならば地元普通科高校に行くはずが・・・国立大付属校受験に失敗し・・・二次募集で地元工業、、その高校に姉がいた。

姉は工業デザイン科に在籍。2年の時に普通科の単位をほぼ全て獲得している。

 「なんでおねーちゃんと同じ学校にいかにゃ、、、」とぼやくと

「あんたが悪い!先生の言うとおり国立と公立併願にしときゃあ・・って、

アテストの2日目に腹こわして受けなかったでしょ残り5科目?バカだよねぇ~あっでも、、、あんたじゃこの辺の一番でもおもしろくなくてやめるでしょね!」

パーン!とあたまをはたかれる。

 「ひでえやねーちゃん、、ねーちゃんこそ国立美大付属落ちたやんけ!」

後ろから声が聞こえた。

「真紀~おはよー。あさからなに男子の頭叩いているのよ?彼氏?」

「理香おはよ。あ、紹介しとくね・・・ いま頭はたいたのは 彼氏でもなんでもなく弟の洋介。国立の付属校おちてここに来たの。所属は電子よろしくねぇ~」

 「ねーちゃん!いらんことを、、 どうも・・高橋真紀の弟の洋介です、、電子A組・・」

「んふ、そう!よろしくね!洋介ちゃん!」

彼女は長尾理香 身長は175cm近く髪型は耳のちょっと上ぐらいまでのボブカット。きれいなおねーさん、、な感じ。

それが長尾理香との出会いだった。


****************************************

5月連休明けのある昼休み  図書室


「よお!国立落ちた洋介君!」

、、なんて事を言うんだコイツは・・・図書室でCQ誌を読んでいると、中学の同級生が来た。

「太田か、なんだよ。。今週末の移動運用のことか?どうするだい?」

太田は家業の関係で建設科に入った。地元の水道設備屋だ。

「そうだねぇ、近場でどうよ?」

「まさか、大野山とか言うんじゃないよね?」

「いや高松山。西島も行くって行っていた。親父さんの車で。メインはCBだ。アマの方は6mか。」

「問題は、、CBともかくアマ機の電源どうする?」

「それだよ。実は高松山にした理由というのがだな、酪農やっている瀬戸がいるだろ?」

ああ、、あれか

「おまえさん、瀬戸美由紀と付き合っているのか?ん?あのアンニュイな感じのかわいい娘」

「アホ!あれ従姉妹だ。牛くさいが小屋貸してくれるそうな。叔父さんも無線やっているし。電源も十分ある。ところで洋介君、今年2アマ受けるのかい?」

「2アマねぇ、、通信術が自信ない。中2の時に電信級とったけど、HF帯はほとんど出ていないからね。あ、今年から受信術のみになったんだよね。あと、筆記からマークシートに変更と。まあ・・まだ時間あるし。たしか2アマ取ると無条件で電子科の単位くれたような?」

「ああ、うちらには関係ないな。あ、でも他科の該当単位資格取るとなんちゃらって・・あったよね? ところで、西島のやつ11mで変な波だしてないか?SSBで」 

「あ、あれ、、あいつなぁ~オヤジのFT101で出ているんだよ。さすがに合法のチャンネルではでていないけど。」

「あれか、あのFT101はいいよなぁ~ FT767GXもあるしなぁ。西島医院。。自宅兼病院の屋上に5mのタワー建ててって。洋介はそっちやんないのかい?」 

「まあ、バレバレでしょ?って・・つーか770にリード線はやっているぜ。た~け~ざ~お!。」

「でも、洋介はナガオ27と光波持っているじゃん。」

「あはは~あれはねぇ~オヤジのです。あれはなかなかの物です。たしか、

昭和43年製ってウチのアネキが生まれた年じゃん!アンテナは770同様に

リード線竹竿はまあそれはみんなやっているからな。光波はアニキからもらった。太田こそコルト持っているじゃん!」

「いやまああ・・あれはオヤジのなんだ。洋介には言っていなかったけどもさぁ、

コルトつかってオヤジ人命救助で神奈川県警から表彰されたんだ。」

そんな無線談義をしていると、デザイン科3年の女子が近づいてきた。

「あっ洋介ちゃん?」

ん?と見上げるとデザイン集を抱えたグレーの制服を着た長尾理香がいた。

長身の理香は目立つ。

「あ、長尾先輩、、、」

 「洋介ちゃん無線やっているんだ。今度私のウチ来てみない?お父さん無線の1級の免許持っているの。私は興味ないけど~どう? あ、ちょっと急いでいるから~またねぇ~」

「洋介ちゃん??誰よ? けっこう美人じゃないですかぁ?」

「ねーちゃんの友達・・」

「デザイン科3年?」

「そう、、ねーちゃんと一緒に学校来たときに紹介された。」

 

「そういえば、、まあいや。」

「いいやって?」

「デザイン1年でおまえさんのこと狙ってるのがいるらしい。話しらん?」

「しらん」

「千石陽子って子、湯河原出身。まあ、、あんな美人いりゃべつにいいか!

長尾先輩、長尾理香さん・・昨年の城北祭ミスコン1位です。2位は君の

真紀おねーさん。北工高のツートップ!」

「なんで知っていますか?」

「だって、兄貴が機械科だったもん。ところで洋介ちゃんの兄貴、最近どうしてるの?」

「うん、まったく連絡ないなぁ・・」

ミュージシャンになるとかいい、東京工業大学を中退してなにをやっているやらわからん。使っている無線機はほとんど兄貴からもらった物だった。

母親の逆鱗に触れてたたき出された。父親と叔父、祖父は止めたのだが言い出したら止まらない。それが中学1年の冬のある日。

その後、母親がちょいとばかしやらかしてくれてたたき出されたのはおいておく。


帰宅し、姉の真紀に「昼に図書室で太田と無線話していたら長尾先輩来て、無線やっているんだったらウチに遊びにきたら?って。お父さん1級もっているからって・・なにやっているの??」と聞いたら、、

 「ん?開成町の長尾電業ってしってる?副業?で本屋とスナックやっている。」

「ああ、、あそこか。スーパーヤオクメの近くの?」

「うん、里香の2つ上のお兄さんが洋介とおなじ・・じゃなかった、電気科出て高専編入で行っているよ。あと継ぐかどうかはしらない。そういえば、おとうさんの会社にも出入りしているんじゃないの?それと、彼女、漫画研究会部長よ。形だけだけどね。」

「そういやあ、太田が兄貴のこと聞いていたけど、なんか連絡ある?」

「う~ん、、ないのよねぇ~。めぐみさんなら知っているんじゃないの?

めぐみさんの家庭教師だったし。あっ洋介、国立大行く気だったらめぐみさんに数学と現国みてもらったら?」

 

長尾里香さんか。。それと長尾電業。興味あるな。


1、2アマの通信術ならびに学科試験は史実では昭和63年から、通信術は受信のみ、学科試験はマークシートに改定されています。この世界では前倒しされています。


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