表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

退屈な彼女

作者: 阪中楓

 彼女は退屈していた。

 仕事が終わりまっすぐ帰宅した週末の夜、彼女は家事全般を済ませ意味もなくテレビを眺めていた。

特別な用事も、友人からの誘いもない週末。働き出してからはこのような生活が多くなった。毎朝出勤して、仕事をして、帰宅して、寝る、これの繰り返しだ。そこに学生時代のような華々しさは一切なく、空虚な毎日の一方で化粧のみが濃くなっていく。

 彼女は昔の記憶に思いを馳せ始める。大学生のころは毎日が輝いていた。疲れを知らず、若さに溢れ、自由に満ちていた。男遊びをしていた時期もあった。今でこそ縁のない話であるが、そのようなことをしていた自分の過去に彼女は虚しさを覚えた。

 あの頃に戻れたら、そう彼女は考える。もしあの頃のような生活ができたら退屈をしないのでは、などと馬鹿げた思考が頭の中で繰り返される。彼女は居ても立っても居られなくなった。すでに落とした化粧を昔の勘を頼りにナチュラルに施し、最近では出番のなかった露出の多い服に着替える。今の彼女は後先のことなど考えてはいられない。

 こうして彼女は、出かけることにした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] どうしても昔と比較していきますよね。でもそうやって出かけて行動するのが人生を充実させるために必要なことなのかもしれません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ