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運命の出会い—白銀の女帝と若き戦姫 2

 レイミは夢を見ていた。

 あれは幼い頃の私・・なぜ泣いているのだろう?

「レイミ・・」優しい女性の声が聞こえてくる・・。

誰? ・・そうだ、お母様だ・・厳しくも優しかったお母様・・流行り病で亡くなったはずの・・。

「ねえ、お母様、レイミは間違っていたの? いじめられていた子を助けたのに・・」

そうだ、乱暴な男子にいじめられていた友人を助けるためその男子をボコボコにしたんだったっけ・・。

 そんなこともあったなぁ・・。

「レイミ、強いだけじゃだめ。優しさも持たないと」

「そう強いだけでも優しいだけでもそれはよくない、まだあなたには難しいかもしれないけれど、両方の心のバランスを・・身に付けるのです」

 ああお母さ・・・。


「おらー起きろーー! 」

 痛いっうるさい、何なのこれ・・!?

 何かと思えば頬っぺた引っ張られたようだ。何かひりひりする。無理矢理夢を破られ、まだ頭がはっきりしない。

(ああ、そうだった、城に戻らず外で・・)

 慣れぬ野営だったせいだろうか、体が何か痛い。

(あの(ひと)と一緒に・・・)

 件のあの謎の(ひと)、荷物をまとめ出立の用意をしている。

「目ぇ覚めたか? 顔洗って身支度整えたら行くぞ」

 半ば寝ぼけ顔で「あーおはようございますー」

 そういえばこの(ひと)の名前聞いていなかったな・・。

「あの、貴方の名は何と・・? 」

 謎彼女、「いや、別に名乗る程の者じゃないし~」

 レイミ、イラッ、としつつ

「名前分からないといろいろ困るでしょうに」

「カーラだ、カーラ・エンジェルウィッチ」

「覚えたか? 」

 レイミ、衝撃が走る。一気に目が覚めた。

「!?その名前、聞いたことがある・・確か高額の賞金が掛かっている超極悪犯罪者・・」

(それにしても、この人がそのような人物ならわざわざ人を助けたりするだろうか・・? )

(それとも何か目的が・・)

 両者、歩み始める。朝の陽ざしが心地よい。レイミ、少し遅れつつもあとをついていく。そろそろこの忌々しい森を抜けそうだ・・。

 カーラと名乗った女、思い出したように後ろのレイミに話しかける。

「そういえばお前、何でこんな所うろついていたんだ? 」

「え? (いや別にうろついていたわけじゃないんですけどね)」

 答えるレイミ。

「国の領地の定期パトロールよ。将来私が王位を継いだときのための研修も兼ねてね・・」

「兵を統率したり外敵と戦ったり領内の不穏な要素を潰したりのね」

 レイミ話し続ける。

「私と同じ年頃の子たちは、遊びに恋愛に色々楽しんでいるのに私は学問と作法と武術ばかり・・」

「もっと自由になりたいな・・」

 カーラそれに答える。

「でも、暮らしや衣食住に不自由はしていないのだろ? 毎日三食食べれて広く快適な城に住めていいべべ着せてもらえて・・贅沢抜かすなよ」

「自由とは何物にも束縛されない代わりに誰にも守ってもらえることはなく全て一人でやっていかねばならない、ということだ」

「そういう覚悟の無い者が安易に自由などと言わないことだ」

 手厳しいことを言うカーラ。レイミ、意外な言葉に反論することも忘れぽかんとしてしまうのであった。


 そんなこんなでようやく森を抜け開けた土地に出る。背の高い草があちこち生えていたりするが道らしきものもちゃんと通っている。

「ここまで来ればもう城は目と鼻の先よ」

 遠くを望むと微かに城らしきものが見えている。するとカーラはいきなり歩みを停止した。

「少し休むか・・」

 別にレイミに問うた様でもなく、道の脇に腰を下ろす。

「休まなくても大丈夫、先を急ごう・・」

「そういえば夕べから何も食べていなかったなあ」

「レイミ、お前何か食べる物持ってるか?」

 何か言おうとしたレイミ、異様な気配に気付く・・。

「何か・・居る・・? 」

 カーラ、息を潜め、

「知らぬふりしていろ・・」


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