プロローグ
トオルくぅーーーーん!
体が熱い。頭が痛い。全身が溶けるような感覚がする。そしてそれと同時に頭の中に見たことも聞いたこともないはずの情報が流れ込んでくる。何か別のものを自分の体にいれるような。いや、征服されるような感覚に近いのか? くそぅ! なんか空中ういてたから適当に食ってみたが、あんなもん食うんじゃなかった! フワフワしていて美味しかったなんて思ってないからな!
このまま俺が俺でなくなるような気がする。嫌だ! 俺は誇りだかきデスラットだぞ! いずれ全ての鼠族をまとめあげ、魔王となりこの世界に鼠族の楽園を作る男だ!
自分を鼓舞すると体の熱さが幾分かましになった。これは続けた方が良さそうだ。もっともっと自分を鼓舞するんだ! 俺は天才! 俺たちは強い!俺たち鼠族は動物型モンスターで一番数が多い! その理由は一番優れているから! 俺はそんな優れた種族の中でも特に"デス"の冠を貰った死を司る鼠だ!父は誇りだかき戦士。母は優れた賢母。
その両親から生まれた俺がこんな熱に負けるわけがないのだ!!!
何かに打ち勝った気がした。
その瞬間、俺の中で暴れていた熱の一部がどこかに消えた。そして俺の中で全てが統合されていくように全身の細胞に行き渡る。体の痛みはもうなく、頭もスッキリしている。なんだったんだ今のは?
ただ一つだけわかることは、今俺の頭の中には一人の人間の記憶がインプットされているということだ。そいつは男だが、そいつがどんな風に生きて、何を体験し、何を感じ、どう死んだか。そのすべてを感じることができる。ただ一つ欠けているとするなら、それを記憶していたであろう本人の存在だろうか?
まあそれは置いておこう。これは役に立つ。これさえあれば我ら鼠の天下がくるのもすぐだ。クックック、この記憶をくれたのが人間というのが非常に面白い。何せ人間こそ、本来は我々が居るべき位置にいる存在なのだからな。
クックック、今に見ていろクソ人間どもめ。この俺が一人残らず人間など絶滅させてやるからな! ハッハッハ!!!!
よし早速読んでやろう。
えーとなになに、鼠を簡単に駆除するにはホウ酸団子が有効である。子供でも簡単に駆除できるよん(^_^)
、、、、 ぜ、ぜ、絶対に許さんからなぁああああああああああ!!!!!!
グッバイ