ランク付け
入学試験で最低ランクを付けられた達樹はこれからどうなるのか
的まで届かなかった能力を見て、南真人は、冗談だと思い、「すまないが、もう一度やってくれないか?」と言いながら、達樹の方を振り向くと、そこには、
「すいま・・せ・ん、も・う少し・・・待っ・て・・・もらえま・せん・・か」と
息切れをしながら答える達樹が、倒れていた。
「あ・・の・もう少・・・し待っ・てもらえませ・ん・・か?そう・すれば、また出・来ます・・・ので」
「いやもういい。誰か医務室に連れてってやれ。では次のもの・・・・・・」
そう南先生が言った後、達樹は別の試験官に運ばれていく。
「あの先生ホントにもう大丈夫なんですけど」
「あのねぇ、あなたは普段ならないような魔力欠乏症になったのよ。そんな人を、本人が治ったからと言って
そう簡単に戻すわけにはいかないのよ。」
「いやでも、ホントに大丈夫なんですけど、昔からこういう体質ですし、だから、もう一度、試験を受けさせ てください。」
「だから何度も言うけどって、あなたさっきまですごく息切れ起こしていたわよね。どうして、そんな
嘘、ありえないわ。」
「あのそれじゃあ戻りますね。それだはありがとうございました。」と達樹が保健室を後にしようとしたとき、ピピピと先生の端末が鳴った。
「待ちなさい。試験会場ではなく、自分のクラスに戻りなさい。自分のクラスは分かるわよね?」
「それは、分かりますけど、どうしてですか?」
「なぜってそれは、試験の結果が発表されたからよ。そして、あなたは言われなくても、分かっているとは思うけど、学園評価のAからEの五つのランクの中の最低評価のEランクよ。」
「はあ~やっぱりかぁ、分かっていたけど、やっぱりショックだなぁ。まっ気にしていてもしょうがないし、
切り替えていきますか。それでは、先生ありがとうございました。」
お礼をしてもう出て行こうとしたがまた「待ちなさい」言われ、引き留められた。
なんだと思いながら、「今度は何でしょうか?」と返事をすると
「あなたのクラスと名前を教えてもらえないかしら?私は、作倉唯って言うの、ここの養護教諭をやって るわ。」
「僕は、平田達樹です。一年四組です。今年からよろしくお願いします。」
そう言って、達樹は、保健室を出てクラスに向かった。
「普通は、実戦しているときに魔力の使い過ぎで、欠乏症が起こるのだけれど、あの子は一発全力で撃っ ただけで欠乏症を起こした。全力でもリミットが掛かって普通起こらないんだけど。
ふふ、面白い子が入ってきて、観察のしがいのある子とても楽しみだわ。ふふふ」
と保健室から不気味な笑い声が聞こえるが、達樹はそんなことも知らず、自分のクラスへ向かうのであった。