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第一話:シャーラ島

ここは、大都会から遠く離れて…海に浮かぶ小さな島、「シャーラ島」。

広大な海には、魚や海草、太陽の日差しに照らし出される、イルカのジャンピング。

多くの島人は遠くからそれを観ていた。綺麗に体がピカピカと輝いている。イルカ達は、泳いでは飛びはね、飛びはねては、島人の心を掴んでいく。もちろんイルカだけではない。

クジラだって、狂暴なサメだっている。海にはいろんな生物が住んでいる。

島人達は、船に乗って魚を捕り、食べる。決して“可哀想“だと思ってはいけない。

そうじゃなきゃ私たちは生きていけないかもしれないのだから。

現実だってそうだ。漁師が魚を捕って、人々はそれを貰い食べて生きていくんだ。


「シャーラ島」では、夏を迎えていた。すさまじい暑さに島人達は汗ダラダラ状態。気温は二八.二℃。仕事は五分位体を動かしたら汗出るし、喉が乾き水分補給。いくら飲んでもすぐ飲みたくなるくらいだ。

島人達は自分の仕事へ足を運んでいた。

そのなかの一人の少女は、漁師とともに魚を捕っていた。


「おーい!ユメラ!…この魚持ってけよ!お前、朝めしまだなんだろ?!」


漁師は少女に、ほらよっと魚を差し出す。


「え、いいの!?」


茶色く染まったショートヘアーで緑の瞳をし、首元には木で作られたネックレスで、小さな丸い玉で一つ一つカラフルであった。可愛くにも見えて綺麗にもみえた。仕事をしやすいように自分なりにコーディネートをして、上半身には皮のジャケット中は半袖で、下半身はジーンズの半ズボンで、ギザギザと切りつけられたようなデザインでカッコよく見える。

ユメラは魚を受けとる。魚はバタバタと動く。魚をじーっと見つめていると、ぐぅぅ〜〜、とお腹が鳴った。


「ははっ、ユメラはやく食べろよ!」


網をしまいながら笑って言った。


「ありがとう!おじさん!」


手を振って、自分の家へと帰って行った。

おじさんは走っていく少女の姿を見送った。


「…大きくなったな」


一言だけ呟くと、網を持ったままの手を動かしていった。


シャーラ島は、ヤシの木や色々な果物、森林だってあり、木を伐採して家を造ることも可能である。今はまだ、家は多いほうではない。だから住民も少ない。

ユメラはここの島で、牧場をやっている。歳は十六で、両親はここには居ない。都会にいる。自分から牧場をやりたいといい、勿論最初は反対だったけど、考えた結果、


『…お前がそんなに牧場をやりたいというなら、やらしてやろう。立派な牧場主になって、

時間があったら戻ってこい。ああそれと、手紙を忘れずにな!』


父はそういって、ユメラの頭を乱暴に撫でてくれた。

母も、


『頑張ってね、ユメラ。あなたの夢の為ならお母さんたち精一杯応援するわ!』


母は優しく抱いてくれた。母の体は暖かった。


『ありがとう…お父さん、お母さん‥!』


涙滲んだ声はすぐに消え三人は微笑んだ。暖かな空気が流れていった。


現在、立派な牧場主ではないけど、「シャーラ島」に来て二年も経った。

十四歳というとてつもなく若い時に両親のもとを離れていったのだ。

今、新しい生活を送っている。

本格的な牧場主になった事は両親には伝えてある。もちろん喜んでくれた。


『お前よくやったぞ!これぞ私の娘だ。        

                       父

 ユメラ!これからも可能性を広めていきなさい!

                           母  』



こんなカンジの手紙をくれた。これによって、家族を大事に思う気持ちが改めて分かる。

島人、友人、家族。ずっとこの二年間支えてくれて“ありがとう”が言いたくなった。

ユメラはそんなことを想いながらひたすら、牧場へ走った。住民が住んでいる、商売や店が多く並ぶ、「シャーラ島」の中心付近にいた。島人達はユメラを見掛けると、


「お〜いユメラ!随分と魚捕ってきたなぁ!」


若い男性は笑みを溢しながら言ってきた。


「ううん…ほとんどが漁師さんから貰ったの!」


笑みを浮かべてそう言い、手を振って走り続けた。


「ユメラちゃん頑張っとるなぁ〜」


今度は逆の方から聞こえた。年が結構いっているおばあさんだった。


「っ、ありがとう!」


笑顔を浮かべて言い、別れをした。牧場まであともう少しだった。

前方には一直線の道。左右に木が生えていた。緑の美しい葉がいっぱい目に飛込む。鳥の声やセミの鳴き声もよく聞こえる。セミの声がキーキー、うるさくて困る。

一直線の道に入ると、分かれ道はあまりなくなる。

牧場は入ってすぐに視界に入る。左側を見てみると、畑、牧場、家等がいっぱい目に入ってきた。

木の間から見える広大な牧場の名前は、「ユメラード牧場」。


「ただいまぁ〜! みんな!!」 


ユメラは、牧場にいる動物達に挨拶をした。

ここには、牛が三頭、馬が一頭、羊が二頭、そして柴犬の愛犬、「クルク」。

動物の数は少ないと思うけど、これでも本物の牧場だと思うんだ。

ユメラは自分の家に向かった。家に以外にも、道具小屋、鶏小屋、牛や羊の小屋がある。鶏小屋には、一羽もいない。今後買う予定である。


「はぁ…お腹空いた…食べよっと!」


さっそく、漁師さんから貰った魚と自分が捕った魚を袋から取り出し、焼いていく。ジリジリ…、と魚の焦げていく音を聞くと早く食べてたくなってしまう。…十五分経った。手袋をし、魚を皿に移した。


「いただきます!」


箸を持って魚の中身をほぐして、一口。


「…おいしい!」


口の中には、おいしい味が広がっていき、その時間を満喫していった。


『ごちそうさまでした』


心の中でいい、わずか魚三匹を、十分でたいあげた。

皿を洗面台に置き、軽く洗った後、水を一補給した。コップも軽く洗った後、玄関にいき、靴を履いて外に出た。外は快晴。太陽の日差しが暑い。動物達を見てみると、木の下に集まって寝ていた。ユメラは適当に牧場内を歩いた。おでこから出る汗をタオルで拭いたり、畑に生えている雑草を抜いたりした。今の季節は夏なので、トマト・とうもろこしを育てている。トマトは、もう少しで食べれる。前は実が緑だったが、今は赤くなってきている。とうもろこしも、もうすぐだ。まだ実は緑だけど、だんだんと黄色くなっていく。


「良かった!元気に育ってる」


ユメラは立ち上がって、深呼吸をし、口笛を吹いた。


「ヒュー」


すると、馬がドダッドダッ、と走ってきた。


「へへ、暑いね。ゼット」


馬の頭を撫でる。嬉しそうにすり寄って来る。茶色いく染まった体、毛がフサフサの尻尾を揺らす。愛馬の名前は「ゼット」。瞳は緑色をしている。


「よし、一走り行こうか」


ユメラは、ゼットに乗って牧場の柵の所までいき、動物達に、行って来るね、と言った。ユメラはゼットを方向転換させ、愛犬の犬小屋に向かった。馬から降りて、犬小屋の中を覗くと、クルクは寝ていた。寝ている表情は可愛かった。小声で、行って来るね、といい、再び馬に乗って走って行った。



連載小説初となりました!

どうかこれからもよろしくお願いします!





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