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9話

 ドアを開き中に入ると、すぐに外からドアが施錠される音がした。その音にもいちちい反応してしまう自分が情けなかったが、部屋の中を確認することが大事であった。

 部屋の中を見回すが薄暗く視界が慣れるのに時間が掛かったが、広い円状の空間に自分を除いた七人の男がそこにいることが分かった。

 その男たちも慶太に気づいて視線を集めた。どの男達も警戒心を緩めることもなく慶太を見る目も怖いぐらいであった。

 年齢はばらばら、職業もばらばら、そしてどのような意図があってここに集められたのかは誰にも分からない。五十代の決断力の鈍そうな男に、これまた四十代のひ弱な男、三十代の鋭い目をした男と軽そうな男、それに二十代の暗そうな男といかにもエリートのような男とどこかで見たような男がいた。だから慶太は思わず叫んだ。

「竜也!」

 まさかここにあの竜也がいるなど思いもしなかったのだ。そしてそれは竜也も同様でありその姿を見たときに驚いていた。

「まさか…お前もここに来るなんて…」

 慶太に近づいてつい数日前のことを懐かしんでいた。それには周りの反応も冷たい。二人が知り合いだということ事態が何かあるのではないかと勘ぐっているような感じであった。

 慶太はそんな他人にお構いなしに竜也に話しかけた。

「おい、ここは何なんだ?お前も…あの変な奴に連れてこられたのか?」

 情報が少しでも欲しく確認したかった。すると竜也も自分の状況を語り始めた。

「お前もあの包帯でぐるぐる奴に?…そうか……まさか…つい数日前に話していたことが現実に起こるだなんて俺も思わなかったけどよ…これって…マジなんだよな」

「ああ…何もかもが急なことで俺も頭の整理がついてない…ここがどこかも分からないし何をやらされるのかもな…なぁ…ネット上にはあの時話した以外に何かないのか?」

「さぁな…所詮は噂話だ…まともに書き込んでいる奴なんかいないだろうさ…でもよ…これだけは分かる…」

「何が?」

「この状況はかなりやばいってことがな…」

 それは言われなくても慶太も分かっていた。ネット上で真意を問われながらも流行している謎のゲーム。何も知らない状況下で集められた八人。そして不気味なこの山奥の施設。ここまで危険なカードを揃えられたら命の危険をまず第一に考えるだろう。

 誰もが会話をすることなく互いの身をどうにか護ろうと考えている中で、緊迫が解けるかのようにドアの開く音がした。

 あの包帯男であった。スーツ姿は相変わらずで革靴の音を軽快に慣らしながら部屋の中に入っていく。

 慶太は未だに理解できなかった。どうやったら目を隠した状態で運転をしたり歩いたりできるのだろうかと…しかし男は何不自由することなく八人の男達の中心まで移動してきた。


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