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※この話はエルフのイメージを崩さずに読めます。
※この世界のエルフは獣耳である以外は普通のエルフです。
俺はスウェン。田舎も田舎、自国でも隣国でも王都に行こうものなら、馬車で一日中走っても7日以上はかかる、山奥の超田舎出身。馬車が通れるとこまで歩いて3日3晩かかるから、どんなに急いでも10日はかかるド田舎。
今じゃ、何カ国も股にかけるイグザード商会の若手出世頭として、注目されている。大の田舎出身でコネなんかほとんどない(嘘です。コネなんかまったく無いです。サーセン。盛りました。)俺だが、小さな支店も任せられた経験もある(これは本当。真実、神に誓って。母親に誓って、本当。)。それは今の立場へのステップアップの過程に過ぎない。じゃあ、現在の俺の立場は何か?
イグザード商会マスターバイヤーの名を冠する唯一の人物、それが俺だ。マスターバイヤーの名の通り、イグザード商会が出店してようが、してまいが、世界各地を飛び廻り、その栄誉にふさわしい実績も上げている。
ようやく、俺の長年の夢が叶う。
時期を見計らい、イグザード商会の社主である旦那様に申し出て、許可を頂けたのだ。
イグザード商会のお嬢さんとの縁談も何とかかわし、エルフとの交易をするべく、この樹海までとうとう来たのだ。
長かった。ここまで来るのに人生の半分以上かかった。
エルフとの交易。
それは商人にとって夢のまた夢。
エルフは様々な霊薬やそこでしか手に入らないアイテムの作り手なので、それは商人にとって宝の山だ。
人間嫌いの彼らと交易するなどという、荒唐無稽な話を口にしても、ただの冗談だとしか受け取られない。
俺は旦那様の信用を勝ち取り、エルフとの交易をするべく、派遣されたのだ。
すべてはエルフの嫁さんをもらう為に(キリッ)。