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キリング・ファング  作者: ちゃのま
居候
7/64

個室

ギルドの個室にカナを誘導した後、肩に担いでいたイオを室内に投げ込む伊織。

その後、扉を閉めてソファーに座る。


「そろそろおきたらどうですか?鎌月さん」

「気づいてたか」

「殴ったのは私ですよ、そこまで疎くはありませんよ

それでその人はどちらさまですか?」


伊織は笑顔で答える。

イオは立ち上がりカナの頭を撫で回す。


「ちょっ…!何すんのよ!」


カナはあからさまにいやそうな顔をする。


「こいつはカナだ」

「…何でもいいですが、ギルド前で痴話喧嘩はやめてもらえますか」




「痴話喧嘩じゃないわよ!」




カナは全力で声を張って否定する。


「まぁ、何でもいいんだが…その喋り方やめてくんねぇか、正直言って気持ち悪いぞ」

「しかし客人の目の前で…」

「ここには俺たちしかいねぇんだから大丈夫だろ、伊織さん」


沈黙が訪れ数秒がたった後、伊織は口の端を上げいたずらな笑みを向ける。


「かっかっか!そりゃそうだ!あとよぉ、前からマキナって呼べつってんだろ!」

「そうだったな、マキナ」

イオとマキナは二人そろって大笑いする。

しかし、カナだけはその顔を大きく歪ませている。

「どうしたカナ?変な顔して」

「その人…まさか」


カナは震える指をマキナに向け、




「戦術士ランクS、《地獄の獄炎》伊織マキナ!?」




「あっ?そうだが」


大声を出し、心底驚く。だが当の本人はまったく気にしていない。


「なななんで、そそそんなすごい人が…」


カナは震える声を抑えることができずに質問をする。

カナが驚く理由とはしては、ランクSの戦術士は最高ランクであり、その存在もそれほど多くはない。それでいてイオのランクが本当にCだったとしても、ランクSのマキナと接点なんてできるはずがない。ましてやここまでフレンドリーに会話できること自体がおかしいのだ。

そんな理由で驚いていたのだが、そこでマキナが口を開く。


「アタシはここでギルド長やってんだよ

すげぇ面倒くさいが…

そんでぇ、イオよ…今日はどうしたんだ?」

「そうだそうだ、俺のランク証明書ねぇか?

こいつに俺がランクCと言っても信じてくれなくてよぉ」

「なんだそんなことかよ、もっと面白い話持って来いよ」

「しかたねぇだろ、後こいつの戦術士登録もしといて」

「ちょっ!あんた!」


イオとマキナの会話に割り込むカナ。

イオを部屋の隅に連れて行く。


「いったいなんだよ…」

「あんたどうゆうことよ!何であの《地獄の獄炎》と親しげに話してんのよ!?}

「知り合いだよ知り合い、そこまで恐がんなくても平気だぞ」

かったるそうに答えるイオ。

「そもそもね!《地獄の獄炎》に雑務頼むって…」

「ちょっといいかい?」

「はいぃぃぃぃぃ!」


マキナの呼び声に全力で答えるカナ。


「これ、イオのランク証明書な」

「おー、あんがとよ」


イオが受け取りに行きそれをカナに渡す。


「あとそいつの登録も終わったぞ」

「助かるわーそうだ夕飯よかったら家で食うか?今日のお礼に」

「マジか!?お前の、飯はうまいからいくわ」

「了解、そんじゃ今日は帰るよ」

「あとでなー」

「おー、ほら行くぞ」


イオはその後、固まったカナを引きずってギルドを後にする。

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