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キリング・ファング  作者: ちゃのま
居候
6/64

ギルド




「………で?」

「ん?どうした?」


二人は立ち止まり、顔を向き合わせる。




「どうしてギルドに来てんのよぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!?」




カナの絶叫に近くにいたイオは両耳をふさぐ。


「~~~~~ッ!いきなり大声出すな、耳が痛いだろ」

「どうでもいいわよ!あんたの耳が一つや二つなんかどうなってもいいわよ!どうしてギルドに来てんのか聞いてんのよ!」


二人は街にあるギルドの前にて話し込んでいるのあった。

カナが叫んだせいか周りから視線が二人に突き刺さる。だが二人はそんなことお構いなしにやり取りを続ける。


「どうしても何もランクを証明するんだったらここに来るしかないし、それに家にお前を置くとなると仕事も探さないといかんしな」

「知らないわよ!っていうか仕事するんだったら私来る必要ないじゃない!」

「いやいや、働かざるものは食うべからずっていう言葉があるだろ」

「あんたの事情やそんな言葉は知ったこっちゃないわ!あなたが一人できりきり働きなさいよ!女の一人や二人面倒が見れないっての!?」

「だからそんな問題じゃないが、もし女の一人が二人を面倒見るんだったら死ぬ気できりきり働きますが?なにか?」

「今の話を聞いたらまるで私は女じゃないみたいじゃない!喧嘩売ってんじゃないでしょうねあんた!?」

「居候の分際でタダ飯食おうとはとんでもない胆の持ち主だな」

「っぐ!それを言われたらあれだけどそもそもね…!」

「…あの~…すみません」

「「何だ(よ!)」」


二人は喧嘩を中断して声の主に視線を向ける。

そこでイオ女性の顔を見て気づく、


「あ、伊織さんこんちわ」

「こんにちわ鎌月さん、ここで話すのもなんなので事務所の個室に行きましょう」

「別にここでもいいんですが…」

「……から…」


女性伊織は俯いて話すが聞き取ることができない。


「はい?」




「いいから黙ってついて来いつったんだよ!」




刹那と言ってもいい程に周りにいる者全員が何か起きたか分からなかった。

気づいたときにはイオは伊織からボディーブローを喰らい気を失っていた。

気を失ったイオを担ぎ上げる伊織をただ見守るしかない人々の中、一人だけ離脱を試みようとするものがいた。

だが、


「おい小娘…」


カナの肩に伊織の手が置かれる。

カナは体を震わせ伊織に顔を向ける。


「…な、なななっなんんんでしょしょしょうか…」


追っ手ではないと分かっていても、目の前で見せられた光景からどうしても恐怖と言う感情が沸き起こってしまう。

そんな少女の心境なんかお構いなしに伊織は言葉を続ける。


「あんたからも話聞かなきゃいけないんだ…おとなしくついて来てくれるよな?」

「…サー!喜んでついて参りますサー!」


あまりの恐怖にカナの頭の中から否定するという選択肢が消えていた。

イオはこの後、なぜ自分の周りには性格が豹変する女性しかいないんだと考えるのであった。

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