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4.

短いです。


はい、区切りが悪かったのでここで切りました。

 リムジンなう。


 某つぶやくサイト風に言ってみた。


 春休み後半。

 女になってからの初めての一人きりの自宅で祖父に拉致られた。

 ………家の前までリムジンが来たときはあきらめた。本気で。

 ちなみに、親父殿と母さんは仕事の関係で少し家を出ている。

 そこを狙ったのか、お爺の執事の鳩羽さんに強制連行。

 一応、両親にメールをしておく。

「元気にしておったか彗。本当に碧さんを若く多様な感じじゃな。目つきは芳次そっくりだが」

 髭の生やした豪快なこのお方。

 いつも私がお爺と言っている人で、時任財閥総帥及び日本退魔士連合会の副会長の時任仁木ときとう じんき

 特徴は御年62歳なのにいまだに髪は黒。たっぷりとあごひげを垂らしており、なんとも威厳のある、目つきが少し怖い人である。

 ちなみに、鳩羽さんに髪型を弄られ、おっとりとした雰囲気の人に似合いそうな感じの、後ろ髪を三つ編みにして前にたらし、前髪はシンプルなピンで綺麗に止められた。

「お爺、まさか本当に来るとは思わなかったよ」

「ほっほっほ、儂を舐めるでない彗よ。可愛い可愛い孫娘から電話がかかってきたのだから、顔を合わせたくなるじゃろうが」

 先日、お爺に報告のため電話を入れた。

 その際にお願いしたら色々と退魔士について聞くことができた。

 そして、稽古をつけてくれると言われたが、こうもすぐにその機会が来るとは思わなかった。

「それにしても綺麗になったな、彗」

「お世辞でも嬉しいよお爺」

「……ちょっと試しに甘えた声でお爺様と呼んでみてはくれんかのう」

 お爺は一瞬『こいつ大丈夫か?』みたいな視線をしたが、すぐに思いついたように言った。

 甘えた声か……。

 ギャルゲーの初期状態からデレデレのメイドさんのごとくお爺様と呼べばいいか。

「それでは行きます」

「来い!」

 ちょっとデレデレを意識してから、お爺様の対面から横に移動し、

「お爺様、彗はお爺様にあえてとっても嬉しいです♪」

 自分でもかつてない笑みを浮かべ抱きつく。それでちょっとお爺様を見上げる。

 …………………お爺硬直。そして横になって倒れる。

 不思議とその顔は穏やかであった。

 …大丈夫かな。

 自分なりに全力を出したのだが、引かれていないだろうか。

 確かに自分の一人印象を自分の名前にするのはデレデレキャラのいいとこ育ちでありそうだが、さすがに私は適応されなかっただろう。

 そう考えていると復活した。

「一瞬、綺麗なお花畑が見えた」

「まだ、60代なのに何を言ってるんですか」

「それより、さっきのは一体なんだ!まさか彼氏なんぞ作ってそいつににちやあの笑顔を見せているのか!」

「彼氏云々の前に男だった歴が10年以上、友達ゼロ、この通り携帯のアドレスは家族とお爺様以外ありません。そもそも、私がモテる訳がないじゃないですか」

 いくら母さん似だとは言え、何か自分で色々と台無しにしている気がするのでモテることはない。絶対に。

「……彗よ、純粋に育ってくれ」

 え、無理です。

 日ごろ『Z』指定のゲームとかやっているのでアレな知識とか豊富です。

 実践ゼロだけど。童○だったけど。

「まぁ、可愛い可愛い孫娘に彼氏なんぞできた日には殺ってしまうかもしれん」

 とんでもなく物騒ですね、でも彼氏ができるなんてまず無いです。

「それはともかく、まずは霊符について教えよう昨日は口で言っただけじゃから―――」

 そう言ってお爺の退魔についての会話が始まった。

 


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