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創始者は嗤う  作者: 癒烏
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1。 ~始マリノ・・・~

“泰然自若”


その言葉を昔から友達に言われていたため、俺はよく知っている。

おちつきはらって物事に動じない…たしかそんな意味だったような気がする。

それが俺の性格であり、人物だ。


そして、そんな性格の俺を困らせる人物が突如現れた。一言でその性格を言えば……


“猪突猛進”


彼女は俺と同じ学校の中学3年生であり、今年で初めて同じクラスになった美人な子だ。仲間を重んじるところがあり、多少男子には厳しい所がある。そんな印象が見受けられたが、時々一人で突っ走る事がたびたびあるらしい。


性格も全く違うのでかかわりあいは無いと思っていた。だが、ある日ある時ある場所で。転機は突然訪れた。


―夏休み最終日、体育館裏にて―


「影踏みごっこしようぜ」

体育館の裏では、3人組の生徒達がたむろっていた。そのうちの1人が唐突に影踏みごっこと言い出す中、違う1人…俺、鐘ヶ江尽かねがえ・じんは意見を加えた。

「影踏みごっことかいつの時代の娯楽だよ」

「まぁたまにはいいんじゃね?小学生の時代ぐらいに帰るっつーかさ」

「んじゃあ俺抜けるぞ。夏休みの宿題、微妙に残ってるし」

「あ゛ー!?ノリ悪ぃなぁ、尽は」


2人には嫌な顔をされたが、俺は抜けることにした。実際、面倒くさいことは進んでやらないことにしている。

「んじゃああれだ!ここで寝ようぜ!」

「…何がしたいんだ、お前」

「とりあえず抜けるな!一生の仲だろ!?」

「なに厨二くせぇこと言ってんだよ」

そんなどうでもいいやりとりをしながらも、結局引きずり戻されることになった。


体育館の裏。この場所にはやけにばかでかい木が一本立ってて、運動部にとっては休憩にちょうどいい日陰の場所になっている。だがさすがに、ここで寝る人なんて滅多に居ないだろう。だが正直言って…寝るのは好きだ。

「よっしゃ!!んじゃあ寝ようぜー」

「…ったく、お前の思考回路には呆れるわ」

もう1人もそうは言いながらも、早速木の根元にどっかりと腰を下ろしてグーグー寝ている。


仕方が無いと思いながらも、俺は寝ることにした。たまにはこういうのもいいかもしれない。静かに微笑みながら、俺は木の根元に座って目を閉じた。





だが、それが全ての“始まり”だった。





挿絵(By みてみん)

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