露のたわごと
まずは、この度の地震で被災されました皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
私ごとではありますが、地震発生よりしばらくの間、連日テレビで報道される目を被いたくなるほどの被災地の惨状に、胸をふさがれる思いでした。
しかも、地震も何もなく無事で暮らせる自分は、これほどの惨状、窮状を目のあたりにしながらも、一夜明ければ生活のために仕事に行かねばならず、誰かと会って地震のことを話題にしながらも、繰り返す日常は目先の出来事優先で、地震が起きる前とたいしてかわらず……。
私は、こんな安穏な自分が、被災した皆様に対してただただ申し訳なく、しかも、なすすべもなく無力なことに、歯痒さ、じれったさを感じておりました。
少しずつバスや電車が運行を再開し、少しずつ支援物資が届くようになり、ようやく復興の兆しが見えはじめたと、やっとテレビが報道しはじめ――、それでも、被災者の皆様が、いつもの暮らしに戻ったわけでも、楽になったわけでもないのですよね。
たとえば、街頭で東北支援救済の貼り紙をした募金箱にたくさんお金を入れたからといって、亡くなられた方たちが戻るわけでもありませんし、失われたものを買い戻せるわけでもありません。
そして、もちろん、それはわかっています。
でも、それでも、何かをせずにはいられない……。
きっと今は、みんなが、そんな思いでいっぱいでしょう。
どれほど言葉を重ねても、被災した皆様の悲しみや辛さを肩代わりすることはできないとわかっていますが、それでも、頑張ってくださいと、辛いでしょうが、それでも、生きてくださいと……、言わずには、いられません。
この度の地震で被災なされた皆様に、安心して暮らせる日々が一日でも早く訪れることを願うとともに、お亡くなりになられた皆様の御冥福を、心よりお祈りいたします。