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卵を割ったら雛が入っていた

作者:
掲載日:2026/03/12

卵を割った。

黄身の中に死んだ雛が入っていた。

気持ち悪くてごみ箱に捨てた


夜。

卵を割った。

黄身の中に雛がいた。

さすがにこれはクレーム案件だろうと、二十四時間スーパーに電話をしてみる

「ああ、それ多いんですよね、結構ありますよ」

「でも一パックに既に二匹いたんですよ?おかしいでしょう」

「そういうものだと思ってください、黄身がふたつある卵みたいなものです。最近は多いんですよね、それ系のクレーム、でも卵ってそういうものじゃないですか」


納得が行かないが、相手もなんでもないことのように言ってくるので、そういうものなのかとだんだん思いだした。

それにしても気持ちが悪い。


朝卵を割る。

また雛がいる、気持ち悪さを堪えて、よく観察してみる。

全身に毛が生えている。

やっぱり気持ち悪くて捨てた。

もうパックごと捨てることにした。


仕事帰り、いつもと違うスーパーに寄る。

食材を冷蔵庫に入る分だけ買い込む、卵も忘れずに。


晩御飯のために卵を割る。

は?

また雛が出てきた、本当にどうかしている。

気持ち悪いことに変わりは無いが、当たり前のような気もしてきた。


たまたま電話がかかってきた。

学生時代の友人だ。

最近卵に雛がはいっていることを報告する。

「え?卵に雛が入ってるって?そんなの当たり前じゃん、それにクレーム入れるなんて、カスハラだぞ、今雛入り卵滅茶苦茶流行ってるからな」

友人が言うには

番人気のレシピは、卵かけご飯なのだそうだ。

時々、ピンクや青に染まった雛も出てくるらしい。

それを箸でぐちゃぐちゃと掻き混ぜながら、ずるずると食べるのが、世間の常識だそうだ。

聞いているだけで気持ちが悪い。

念の為卵をもう一つ割ってみる。

緑色の雛が入っていた、なんとも言えない感覚がする。

このままでは卵を食べられない生活になるだろう。

ベッドに横になる、いつの間にそんな世の中になっていたんだろう。

しばらく考えいるうちに眠ってしまった。

夢の中でこんこんこんこんと何かをつつく音がする。


朝が来た。

卵を割る。

二羽の雛が入っていた。

それを見てよだれが出てくる。

茶碗にご飯入れて、真ん中を凹ませてから二羽の雛を入れて、少し醤油を垂らして掻き混ぜる、掻き混ぜる。

雛はぐちゃぐちゃに潰れている、それを見ていると、より一層よだれが込み上げてくる。

ごりごりと、口の中で柔らかいものと硬いものが一緒に潰れた。

卵かけご飯を食べ終わると、なんとも言えない美味しさと、憂鬱だった心が晴れていく。

卵かけご飯はやはり最高だ。





ここまで読んでいただきありがとうございます。

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