30/30
恋占い
菊田さんは相変わらず二週間に一度、お店に顔を出しては「今日はこの子をお迎えしようと思ってね」と言ってお花を買っていく。
店先に並ぶクリスマスを彩る花に誘われるお客さんを余所に、菊田さんはピンク色のマーガレットを選ぶ。
「青田さん、今日のお昼休みに広場で会えませんか?」
「もちろんです」
「では、またお昼に」
「はい」
昼休み、菊田さんは綺麗めな格好でいた。
「このマーガレットで恋占いをしましょう。好きで終われば青田さんに告白します。嫌いで終われば私はもうこのお店に顔を出しません」
「そんな。え、でもどうしてですか?」
「私は青田さんのことが好きになりました。でも貴方は青田社長のお嬢さん、青田蘭様です。この恋心は許されませんからね」
この時ばかりは社長の娘であることを恨んだ。
あの頃の私は尖っていた。恨んだって何も変わらないのに。
もう私は恋なんてしない。あの人と結ばれるまでは、絶対に。




