いざ行かん、Cランクダンジョンへ!
「モルモーさん、今日は受付なんですか?」
「はい、今回は受付業務なんですよ。人手不足らしくて、私も入っています。」
「大変そうだな。」
「ええ。本当にマネージャーは私の事何だと思ってるのか……。それで、今回はどんなご用件ですか?」
「はい!このクエストに挑戦したいでござる!」
スノウ達とモルモーの話が終わると同時に、クナイが持って来た依頼書をカウンターに乗せ、それをモルモーが確認する。その中身は……。
「ダンジョン調査、Cランクの依頼ね。貴方達三人で行くのかしら?」
「その通りでござる!」
するとモルモーの顔が険しくなり、スノウとセインをキッと睨みつける。
「はあ……スノウさん、セイン。私の言った事、忘れてないわよね?身の丈にあった物で力をつけなさいって、確かに言ったはずだけど?」
「えっ。いや、私達もその内容今知ったんですよ。」
「ああ。ここに来るまでは見てなかったからな。」
「あら?……じゃあ貴方ね?二人を誘ったのは。」
モルモーが見たのはクナイである。彼女は受付のカウンターにずいと体を乗り出し、モルモーの方を向く。
「そうでござる!ダンジョンにはお宝いっぱい!ロマンを追って冒険するのが拙者でござる。それに、拙者達はDランクでござる。一つ上のランクなら問題無く受けられるはずでござろう?」
「確かにそうだけど……。やっぱり不安ね。せめてCランクの冒険者が居てくれれば許可も出せるんだけど。誰か知り合いに居ないかしら?」
「居ないでござるな。」
「じゃあ駄目よ。わざわざ危険な場所に行かせるつもりは無いわ。」
「そんなー。」
モルモーは依頼書をクナイへ返す。名残惜しそうに依頼書を見つめるクナイ。その後ろから、誰かが近付いて来た。
「それなら、私が付き添うわ。Cランクなら問題無いんでしょ?」
「貴方は……。」
「レイさん!?」
「レイ!?何でお前が!?」
「いきなり大声出さないでよ!アンタ達が困ってるようだから助け船を出したんじゃない!ちょっと失礼するわよ!」
「あっ。」
近付いて来たのはレイである。彼女はクナイから依頼書を取り、改めてモルモーの元に突き出した。
「私がリーダーを担当するわ。これで文句無いでしょ?」
「まあ、確かに問題無いけど、後ろの二人が……。」
「心配無いわよ!私が居るんだもの!それに、ちょっと難しい位が強くなるのにいいスパイスになるのよ?」
「……これ以上言っても無駄そうね。分かったわ、依頼書を貰うわよ。」
モルモーは依頼書を受け取り手続きを行う。書類にペンを走らせながら、目の前の四人に話しかけた。
「一応許可は出すけど、無理だと思ったらすぐに帰ってきなさい。緊急性の無い依頼だから、失敗してもいい、無理だけはしないでよ!」
「ああ、分かってるさ!」
「もちろんです!気をつけますね!」
「貴方達二人が一番心配なのよ……。」
自信満々のセインとスノウへ溜め息をつくモルモー。彼女は書類をまとめ、カウンターの奥にしまい込んだ。
「はい、手続き終わったわよ!本当に気をつけて下さいね、スノウさん!」
「分かってますよ!それでは、行ってきますね!」
「よーし、早速行くでござるー!」
「待ちなさい!まずは作戦会議よ。」
そして四人は受付を離れ、一度協会のカフェに集まると飲み物を注文した。
「それで、今回行くダンジョンはどこなんだ?俺達にも教えてくれよ!」
「それは、トレジャールの北にあるダンジョンで、[ミノス洞窟]と呼ばれる所でござるな。」
「あそこね……魔物がかなり多い所よ。道具はしっかりと準備しないと。」
「で、何でここなんだ?レイでも知ってる位なら、結構調査も入ってるんじゃないか?」
「私の事を何だと思ってるのよ!」
セインの質問に、クナイは目を輝かせて答える。
「それが、最近このダンジョンで唸り声が聞こえるそうでござる。気になった冒険者が調べても、全く原因が分からないので、クエストとして貼り出されたのでござる。」
「唸り声……強い魔物ですかね?」
「何とも言えないわ。ただ、この前入った研修用ダンジョン、あそこより難度は高いわよ。」
「急に緊張してきました。」
一通り話が終わって、皆は道具屋に向かう。四人で各々準備を始めるのだった。
「白マップは良し、一応煙玉も持って行きましょう!」
「白マップはいらなくないか?俺が調査済みの地図を買ってくるから!」
「日帰りで帰れると思うけど、一応食料と……簡単な寝床も借りてくるわね。」
「リーダー!バナナはおやつに入るでござるか?」
「知らないわよ!必要なら持って行きなさい!」
そして準備を終えた四人は、トレジャールの門へと向かう。そこにはいつもの門番が腕を組みながら、外の警備に当たっていた。
「おお!諸君、今からクエストかな?」
「門番さん!はい!今からダンジョン調査に向かうんです。」
「そうか。気をつけてな!ダンジョンでは何が起こるか分からないから、油断しないようにな!」
「はい!では、行ってきます!」
こうして四人はトレジャールを出発し、目標のダンジョン、ミノス洞窟へと向かうのだった。
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