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魔弦の使徒 目指せ一流、魔族少女の冒険者ライフ!  作者: ゆん。
第五章 最強の冒険者

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その頃の古巣

今回は物語の始め、スノウとモルモーの所属していたギルドの話になります。よろしくお願いします。

 ここはとある冒険者ギルド。かつてスノウとモルモーが、冒険者と受付として働いていたギルドである。冒険者協会からだいぶ離れた場所にあるここで、二人の冒険者が話をしていた。


「いやー!依頼達成!これからもジャンジャン稼ぎまくるぞ!なあグレン!」


「おう!最強の俺達にかかれば、このくらい朝飯前だぜ!なあライト」


 二人はそう言って、ギルドマスターの元へと向かう。そこでは一人の男性が書類を書いていた。




「よっ、お疲れさん。グレン、依頼は達成出来たか?」


「おう!これを見てくれ!」


 グレンと呼ばれた冒険者は、カバンの中からドラゴンの牙を取り出し、それを受付仕事をしているギルドマスターに渡す。彼はそれをじっと見て……。地面に叩きつけた。


「お前ら……馬鹿にしてるのか!?」


「お、おう?」


「これのどこがドラゴンの牙だ!ウルフの牙だろうが、クソが!また依頼失敗かよ!」


「あっはは!そんな怒んなって、次があるさ!」


「だな!俺達を誰だと思ってるんだ!」


 ニヤニヤと笑う二人、その様子を見たギルドマスターは怒りをぶちまける。





「この馬鹿共が!ウチのギルドは最近の依頼失敗が続いて火の車なんだよ!お前ら二人のせいでな!……だいたいお前らがモルモーを止めていれば、こんな事にはなってなかったんだぞ!何でアイツが出て行くのを止めなかったんだ!?」


「だ、だって仕方ないだろ?アイツは魔族なんだし。」


「そうそう!ここは人間が仕切ってるんだ、魔族なんかいらないんだよ!」


 まるで何も分かってない様子の二人。それを見て周りの冒険者達もひそひそ話をしていた。


「あの二人がモルモーを追い出したって自慢してた時はスッキリしたけど、こんな事になるなんてね……。」


「まさか協会の一流冒険者として名を上げるとは……。見る目が無かったのかもな。」








 怒ったギルドマスターは尚も言葉を続けている。


「そもそもモルモーが居なくなったのは、友人のスノウが消息不明になったからだろう?何でそんな事になった!?」


「俺達が知るわけ無いだろ?」


「貴様ら……。もういい!破門だ!二人をここから追放してやる!」


「「……へっ?」」


 グレンとライトは顔を青くしてギルドマスターを見る。


「ちょっと待てよ!魔族なんか必要無いだろう?俺達が何で追い出されなきゃならないんだ!」


「黙れ!それならモルモーを連れ戻して来い!スノウが見つかれば戻って来るだろう!」


「そ、そんな!アイツは……。」


「うるさい!とにかく二人を連れ戻すまで戻って来るな!」


 そしてマスターに外に追い出された二人は……。







「ど、どうする?俺達は野良冒険者になっちまったぜ?」


「な、何、大丈夫だ。モルモーが出て行った時、スノウが死んだ事には気づいてないようだった。アイツが戻って来たといえば、きっと帰ってくるさ。」


「そ、そうだな。しかし、もう何年になるかな。あのダンジョンにスノウを突き飛ばした日は。」


「あの顔、傑作だったよな!普段から気に入らない奴だったが、あんな顔が出来るなんて思わなかったぜ!」


 [思い出話]に花を咲かせるグレンとライト。そして話もそこそこに、二人は街の外へ向かう。


「まずは冒険者協会に行くか。ここからかなり遠いが、奴はここの所属、探せば見つかるはずだ!」


「そしたらギルドマスターに突き出してやろうぜ!あのクソジジイがどんな顔をするのか、見物しなきゃな!」


「金は道中で何とかするか。どうせすぐには戻れないんだから、依頼でも受けながら向かうとしようか。」





 その道中、街の中心部に大勢の人が集まっているのを目撃する二人。興味を持ったライトははそこにいる男性に問いかけた。


「なあアンタ、随分賑やかじゃないか。何かあったのか?」


「ん?知らないのか?今冒険者協会の一大イベントが行われているんだ。協会のマスターとマネージャー、二人で勝負してるんだとよ。」


「へぇ。そうなのか。」


「おい!早く行こうぜ!俺達の旅はこれから始まるんだ!」


「おう!今行く!」





 そして二人は門をくぐり、協会へ向かって歩いてゆくのだった。









 街の人が覗いているマスターとマネージャーの闘い。そこのコロシアムに映っている、蒼い髪の魔族の少女、メイド服を着た緑髪の女性の姿に気づかぬまま。

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