模擬戦、決着!
遂にマスター対マネージャー、決着します!今日はもう一話投稿させて頂きますので、よろしくお願い致します。
「宣言するフミャ!今から私がマスターを降参まで追い詰めるフミャ!」
「だったらやってみなさいよ!ここで決着つけてやるわ!」
フーシャは瞬間移動でへカテリーナへ攻撃する。……しかしそのスピードは、先程よりも更に加速していた。
「フミャ!」
「さっきより速い!でも対応は出来る!」
フーシャの腕を掴んで放り投げるへカテリーナ。するとフーシャの体に、一枚の御札が貼られているのを目撃する。
(……成る程、瞬間移動の原因はその札ね。)
するとへカテリーナは再び杖を構え、魔法の詠唱に入る。一方フーシャは地面に着地し出方を伺っていた。
「ヘルフレイム!」
「大丈夫、私なら見切れるフミャ!」
放たれる火柱、それに加えて大量の炎の弾丸、鞭、矢……ありとあらゆる武器に炎を変化させ、一斉にフーシャに撃ち出した。
「スプリンガー展開!全部避ける!」
フーシャはスプリンガーを使い、まずは空中に回避する。弾丸を躱したが、足元からは劫火の柱が迫っていた。
「もう一度スプリンガーフミャ!」
すると地面に置いてあるスプリンガーがフーシャのすぐ横に出現、それを蹴って彼女は柱を避ける。
「展開が速すきる!一度戻して、魔力で呼び出す様子も無かった!何か仕込んでるわね!」
次から次に襲い掛かる劫火。しかしフーシャはスプリンガーで移動を繰り返し、攻撃を回避し続けていた。
「さあ、仕掛けるフミャよ!覚悟しろフミャ!」
スプリンガーで跳ねながら、高速で敵へと迫るフーシャ。そのスピードに追いつけず、遂に槍の先がへカテリーナの顔を掠めた。
「また加速!?目で追えない!」
「まだまだ行くフミャ!」
跳ねて攻撃、また跳ねて攻撃。加速し続ける攻撃に完全に遅れたへカテリーナは……次々に攻撃を受け、彼女は地面に膝をつくのだった。
「完全に見失ったわね……大したものだわ……。」
◇◇◇
「やったわ!遂にマスターが膝をついた!」
「上手く隙をつけたみたいね。後一息よ!」
レイとモルモーの二人は、フーシャの奮闘を見て興奮していた。最強の冒険者であるへカテリーナを追い詰めた、これは二人にとって嬉しい事である。
「でも、あんなにアーティファクトを使って大丈夫なの?水槍とバネ、それと……体についてる御札もよね?今の私は一個が限界なのに……。」
「マネージャーは大物は使わないわ。負担の少ない物を大量に使って戦うのよ。スノウさんには悪いけど、この勝負はマネージャーの勝ちだわ!」
「カティ……そんな!」
「スノウ、深刻そうな顔をするなよ。マネージャーがマスターに匹敵する程強いんだ、協会全体としては良い事じゃないか。」
「オルガさん、でも……。」
「それにジンも言ってただろ?勝負は最後まで分からないぞ。お前の友達なら、しっかりと応援しないとな!」
オルガはスノウの肩を叩き、そっと応援を促した。彼女はそれを聞き、自分の席を立つ。
「……そうだ!まだ負けた訳じゃない!ありがとうございます、オルガさん!」
「ああ!行って来い!」
スノウはコロシアムの手すりから体を乗り出し、へカテリーナへ向かって声援を送るのだった。
「カティーーー!頑張って下さーーーい!私が応援してますよーーー!」
◇◇◇
コロシアムの中央。膝をつくへカテリーナを見下ろし、フーシャは勝ち誇った顔をしている。
「さあ、降参するフミャ!これ以上やっても痛いだけフミャよ?」
「……そうはいかないわ。だって……あの子が応援してくれているのだから!」
「フミャ!?」
傷だらけになりながらも立ち上がるへカテリーナ。彼女は杖を持ち、再び魔法を詠唱し始める。
「これで終わりよ!ダークネ……」
詠唱の途中、先程とは違う魔法の名を感知し、フーシャの顔が一瞬険しくなる。
「(……チッ!それは撃たせないわ!)何か危ない気配フミャ!?やらせないフミャー!」
フーシャは誰にも聞こえないよう舌打ちし、素早く魔力を放出する。すると杖を掲げた腕の背後に、スプリンガーが現れた。
「嘘!?何でそれがここに移動するのよ!」
「よーく見てみるといいフミャ!」
「……ま、まさか……!」
へカテリーナがスプリンガーを見ると、そこにはフーシャの体についていた御札が貼り付いていた。
「それっー!」
バチンと音を立て、へカテリーナの腕をバネが弾く。すると杖が天高く舞い上がり、彼女の元を離れてしまった。
「今だ!突っ込めフミャァァァ!」
「まずい……これは避けられない!」
武器を無くし棒立ち状態のへカテリーナへ、フーシャは槍を構えて襲い掛かる。一度は攻撃を凌ぐも、後ろのバネに足をかけたフーシャが再び攻撃、直撃を受けてしまう。
「これでトドメフミャ!」
「くっ……ヘルフレイム!」
「フミャ!?」
咄嗟に放った劫火が、フーシャの体に直撃する。しかし……彼女の体は霧の様に薄くなり、やがて消えてしまう。
「これも読まれてたの!?」
「マネージャーは、常に一歩先を行くフミャ!」
右手にモルモーから借りたアーティファクト、魔香器を持ちながら、へカテリーナの後ろに現れるフーシャ。この時点で、勝負はほぼ決まっていた。
「まだ、まだよ!詠唱……」
「私をバカにした罰フミャ!ちょっとだけ反省しなさーいフミャ!」
フーシャは手を上に掲げ、魔力を込める。すると彼女の手には、スプリンガーに貼り付いていた御札が現れた。……へカテリーナの衣服と一緒に。
「えっ……えっ!?嫌ァァァァァァァァァ!?」
「さっきの攻撃の時、御札をマスターの服に貼り付けたフミャ!人は想定外の事態になると隙だらけになるフミャ!」
「つまり今がチャンス!行くフミャァァァァァァ!私の最終奥義!」
頭に被った猫の帽子をへカテリーナへ向けるフーシャ。帽子が口を開けると、そこに魔力が溜まっていく。
「発射フミャ!猫砲!」
「なっ、ちょっ、ちょっと待ちなさ……!」
帽子から放たれる魔力の光線。それが下着姿のへカテリーナへ直撃すると、凄まじい爆風と黒煙がコロシアム中を覆い尽くした。
しばらくして爆風が消え、コロシアムを見渡せる様になった時、そこには黒焦げになったへカテリーナと両手を上げて飛び跳ねているフーシャの姿があった。
「やったぁぁぁ!勝った!勝ったフミャァァァ!私が協会最強のマネージャーフミャァァァァァァ!」
……コロシアムでの模擬戦、その勝負はフーシャに軍配が上がるのだった。
今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。




