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魔弦の使徒 目指せ一流、魔族少女の冒険者ライフ!  作者: ゆん。
第五章 最強の冒険者

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模擬戦、決着!

遂にマスター対マネージャー、決着します!今日はもう一話投稿させて頂きますので、よろしくお願い致します。

「宣言するフミャ!今から私がマスターを降参まで追い詰めるフミャ!」


「だったらやってみなさいよ!ここで決着つけてやるわ!」


 フーシャは瞬間移動でへカテリーナへ攻撃する。……しかしそのスピードは、先程よりも更に加速していた。


「フミャ!」


「さっきより速い!でも対応は出来る!」


 フーシャの腕を掴んで放り投げるへカテリーナ。するとフーシャの体に、一枚の御札が貼られているのを目撃する。


(……成る程、瞬間移動の原因はその札ね。)


 するとへカテリーナは再び杖を構え、魔法の詠唱に入る。一方フーシャは地面に着地し出方を伺っていた。



「ヘルフレイム!」


「大丈夫、私なら見切れるフミャ!」


 放たれる火柱、それに加えて大量の炎の弾丸、鞭、矢……ありとあらゆる武器に炎を変化させ、一斉にフーシャに撃ち出した。


「スプリンガー展開!全部避ける!」


 フーシャはスプリンガーを使い、まずは空中に回避する。弾丸を躱したが、足元からは劫火の柱が迫っていた。


「もう一度スプリンガーフミャ!」


 すると地面に置いてあるスプリンガーがフーシャのすぐ横に出現、それを蹴って彼女は柱を避ける。


「展開が速すきる!一度戻して、魔力で呼び出す様子も無かった!何か仕込んでるわね!」


 次から次に襲い掛かる劫火。しかしフーシャはスプリンガーで移動を繰り返し、攻撃を回避し続けていた。






「さあ、仕掛けるフミャよ!覚悟しろフミャ!」


 スプリンガーで跳ねながら、高速で敵へと迫るフーシャ。そのスピードに追いつけず、遂に槍の先がへカテリーナの顔を掠めた。


「また加速!?目で追えない!」


「まだまだ行くフミャ!」



 跳ねて攻撃、また跳ねて攻撃。加速し続ける攻撃に完全に遅れたへカテリーナは……次々に攻撃を受け、彼女は地面に膝をつくのだった。


「完全に見失ったわね……大したものだわ……。」











 ◇◇◇


「やったわ!遂にマスターが膝をついた!」


「上手く隙をつけたみたいね。後一息よ!」


 レイとモルモーの二人は、フーシャの奮闘を見て興奮していた。最強の冒険者であるへカテリーナを追い詰めた、これは二人にとって嬉しい事である。


「でも、あんなにアーティファクトを使って大丈夫なの?水槍とバネ、それと……体についてる御札もよね?今の私は一個が限界なのに……。」


「マネージャーは大物は使わないわ。負担の少ない物を大量に使って戦うのよ。スノウさんには悪いけど、この勝負はマネージャーの勝ちだわ!」










「カティ……そんな!」


「スノウ、深刻そうな顔をするなよ。マネージャーがマスターに匹敵する程強いんだ、協会全体としては良い事じゃないか。」


「オルガさん、でも……。」


「それにジンも言ってただろ?勝負は最後まで分からないぞ。お前の友達なら、しっかりと応援しないとな!」


 オルガはスノウの肩を叩き、そっと応援を促した。彼女はそれを聞き、自分の席を立つ。


「……そうだ!まだ負けた訳じゃない!ありがとうございます、オルガさん!」


「ああ!行って来い!」


 スノウはコロシアムの手すりから体を乗り出し、へカテリーナへ向かって声援を送るのだった。




「カティーーー!頑張って下さーーーい!私が応援してますよーーー!」












 ◇◇◇


 コロシアムの中央。膝をつくへカテリーナを見下ろし、フーシャは勝ち誇った顔をしている。


「さあ、降参するフミャ!これ以上やっても痛いだけフミャよ?」


「……そうはいかないわ。だって……あの子が応援してくれているのだから!」


「フミャ!?」


 傷だらけになりながらも立ち上がるへカテリーナ。彼女は杖を持ち、再び魔法を詠唱し始める。


「これで終わりよ!ダークネ……」


 詠唱の途中、先程とは違う魔法の名を感知し、フーシャの顔が一瞬険しくなる。



「(……チッ!それは撃たせないわ!)何か危ない気配フミャ!?やらせないフミャー!」


 フーシャは誰にも聞こえないよう舌打ちし、素早く魔力を放出する。すると杖を掲げた腕の背後に、スプリンガーが現れた。


「嘘!?何でそれがここに移動するのよ!」


「よーく見てみるといいフミャ!」


「……ま、まさか……!」


 へカテリーナがスプリンガーを見ると、そこにはフーシャの体についていた御札が貼り付いていた。


「それっー!」


 バチンと音を立て、へカテリーナの腕をバネが弾く。すると杖が天高く舞い上がり、彼女の元を離れてしまった。




「今だ!突っ込めフミャァァァ!」


「まずい……これは避けられない!」


 武器を無くし棒立ち状態のへカテリーナへ、フーシャは槍を構えて襲い掛かる。一度は攻撃を凌ぐも、後ろのバネに足をかけたフーシャが再び攻撃、直撃を受けてしまう。


「これでトドメフミャ!」


「くっ……ヘルフレイム!」


「フミャ!?」


 咄嗟に放った劫火が、フーシャの体に直撃する。しかし……彼女の体は霧の様に薄くなり、やがて消えてしまう。


「これも読まれてたの!?」


「マネージャーは、常に一歩先を行くフミャ!」


 右手にモルモーから借りたアーティファクト、魔香器(マジックインセンス)を持ちながら、へカテリーナの後ろに現れるフーシャ。この時点で、勝負はほぼ決まっていた。


「まだ、まだよ!詠唱……」


「私をバカにした罰フミャ!ちょっとだけ反省しなさーいフミャ!」


 フーシャは手を上に掲げ、魔力を込める。すると彼女の手には、スプリンガーに貼り付いていた御札が現れた。……へカテリーナの衣服と一緒に。





「えっ……えっ!?嫌ァァァァァァァァァ!?」


「さっきの攻撃の時、御札をマスターの服に貼り付けたフミャ!人は想定外の事態になると隙だらけになるフミャ!」







「つまり今がチャンス!行くフミャァァァァァァ!私の最終奥義!」



 頭に被った猫の帽子をへカテリーナへ向けるフーシャ。帽子が口を開けると、そこに魔力が溜まっていく。


「発射フミャ!猫砲(キャットショット)!」


「なっ、ちょっ、ちょっと待ちなさ……!」


 帽子から放たれる魔力の光線。それが下着姿のへカテリーナへ直撃すると、凄まじい爆風と黒煙がコロシアム中を覆い尽くした。








 しばらくして爆風が消え、コロシアムを見渡せる様になった時、そこには黒焦げになったへカテリーナと両手を上げて飛び跳ねているフーシャの姿があった。


「やったぁぁぁ!勝った!勝ったフミャァァァ!私が協会最強のマネージャーフミャァァァァァァ!」



 ……コロシアムでの模擬戦、その勝負はフーシャに軍配が上がるのだった。

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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