それぞれの休日 私の望む「普通」と「自由」
日常回その2になります。後一つ日常回をやった後、模擬戦に入りたいと思っております。
オルガ達が買い物をしている頃。スノウは街の広場に向かっていた。今回は武器も何も無い。持っていたのは小さな手提げカバンである。久しぶりの休日、スノウは完全に自分の為だけの[自由]を満喫するのである。
「この辺りかな……あっ、居た!お待たせしました!」
スノウが声をかけた先には、メイド服を着た女性……モルモーが立っていた。
「来ましたね、スノウさん!今日は街を探険しながら、思う存分のんびりと過ごしちゃいましょう!……少しだけ仕事も入っていますが。」
「はい!よろしくお願いします!」
◇◇◇
まず二人が入ったのは、衣服を売っている店。綺羅びやかな服が店中を飾り付けている中、スノウは一つの服に釘付けになっている。
「見て下さいモルモーさん!あの服とっても素敵ですよ!」
スノウが見つけたのはピンク色のドレス。肩に羽のアクセサリーが着いていて、まるで空を飛べそうな軽さを表現していた。
「凄い……素敵なドレスですね!どれどれ?……高っ!?100万ゴールド!?」
「ひゃ、100万!?」
「スノウさん、今は無理です!次行きましょう次!」
「はい!」
今見てはいけない物を見た二人は、少し未練があるのか後ろを振り向きながら、街を歩いて行く。
◇◇◇
ここはトレジャールの商店街。消耗品や手頃な装備を取り扱っている。二人でここに来たのは訳があった。
「おじさま!マネージャーの指示で武器を買いに来ました。練習用の剣を千本、頂けませんか?」
「モルモーちゃんか!相変わらず大変だね。マネージャーも人使いが荒いなー。……はい!」
「いえいえ、好きでやってる事ですから!……よし!こちらが代金になります。では、配達もお願いしますね!」
「毎度あり!今後もご贔屓に!」
モルモーが武器屋から出て来ると、スノウは沢山のチラシを持って彼女と合流した。
「頼まれた薬草の配達、お願いしてきましたよ!それと、いい商品が入荷するみたいです!チラシ、貰ってきました!」
「ありがとうございます!……あのマネージャー、折角の休みを何だと……」
「モルモーさん?」
「あっ、いえ!それでは探険の続きです!お願いしますね!」
「モルモーさん!アイスを買ってきましたよ!一緒にどうですか?」
「勿論頂きます!」
今度は二人でアイスを食べながら街を散策。この辺りは見慣れた景色。しかし「二人で」来るのは初めてである。
「うーん。このチョコレートアイス……悪くないわね。そっちはどう?」
「私はこっち!リンゴのアイス、ほっぺがとろけそうだよー!」
美味しいアイスに大興奮の二人は、いつの間にか敬語が取れている。だが二人は食べる事に夢中で、それに気づいていなかった。
◇◇◇
今日一日中街を探険し、あっという間に日が暮れてしまった。もうすぐ帰る時間になる、そんな事を考えながら二人は歩いていた。
「モルモーさん、今日はありがとうございました!街を見て回る時間、あんまり無かったので……。」
「私もですよ!普段はクエストで忙しかったので、久しぶりに楽しませてもらいました!」
二人は顔を見合わせ、そっと微笑んだ。
「やっぱりモルモーさんと一緒に過ごすのは楽しいなー。本当のお姉ちゃんみたいです!」
「お、お姉ちゃん!?」
「はい!……モルモーさん?」
唐突にモルモーはスノウをギューッと抱きしめる。
「……フフッ。スノウさん!もう子どもじゃ無いんですから、甘えすぎるのも良くありませんよ?」
「ご、ごめんなさい……。」
恥ずかしそうにするスノウに、モルモーは笑いながら話しかけた。
「二人での探険!また一緒に楽しみましょう!」
「はい!その時はもっとお金を貯めて、おいしい物買うぞー!」
「その意気です!」
「ではまた、協会で!」
そしてスノウとモルモーは別れ、それぞれの帰路に着く。何も起こらない、友達との[自由]で[普通]の日。スノウはそれを久しぶりに満喫しながら、オルガの元へ帰るのだった。
「さぁ、もっともっと頑張りましょう!……その前に、模擬戦をチェックしないと!カティの闘いはきっと参考になるはずです!」
今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。




