それぞれの休日 オルガ、パーツを買う。
今回は日常回になります。楽しんで頂ければ幸いです。
「そうだ!忘れてたよ!これは今回の報酬になります!皆に10万ゴールドずつ!大金だから大切に使ってね!」
パーティーが終わった次の日。クリスによってスノウ達四人に報酬金が渡された。この大金をどう使うか、皆それぞれ考えを巡らせていた……。
ここは冒険者協会の一部屋。マスターの登場、という予想外の大イベントが起こった次の日の事。セインは戦車のアクセサリーを机に置いて、魔力を込め続けていた。
「攻撃に使う筒が曲がっちまったからな……。直すのは大変だろうな。」
「セインー。入るよー!」
ブツブツ呟いていると、部屋の扉が開いてナッツが飛び出して来た。
「よっ!どうした?」
「僕達今から買い物行くんだ!セインはどう?」
「俺はパス!これをちょっと直しておきたくてな。」
「そっか。頑張ってね!」
「おう!そっちもな!」
そして二人はハイタッチをして、それぞれの場所に戻るのだった。
「オルガ!お待たせ!」
「ナッツ君、セインはどうだった?」
「アーティファクトを直すから、パスだって。」
「分かった。俺達二人で行こうか。」
「二人?スノウは?」
「スノウはちょっと用事だ。たまにはこういうのもアリじゃないか?」
するとオルガはナッツを肩に乗せ、市場へと歩き出した。
「おー!高い高い!」
「しっかり掴まってろよ!」
市場に着いた二人。オルガは真っ先に掘り出し物市へと向かっていた。
「オルガ、何か買う予定があるの?」
「ああ、ケモリアで手に入れたコレを使ってみたくてな。戦略の幅も広がるだろう。」
オルガが出したのは、騎士との戦いで手に入れた銃である。自分を持って行け、そう言われた気がしたオルガはそれを持って帰っていたのだ。
「俺は銃なんて使った事ないからな。まずはパーツについて探してみようと思ってな。」
「たぶんアーティファクトだよね、それ……。何か普通の銃とは違う気がするよ。」
「クリスに見てもらったが、これはαクラスの[魔銃]と言うらしい。魔力を弾にして撃ち出せるそうだ。」
「ふーん。じゃあさ、僕は他のお店を見てみるから、オルガはこの辺りで探してみてよ!いいのがあったら教えるから!」
そしてナッツは他の市場へと駆け出していった。対するオルガは以前、シールドグローブを買った店に向かう。
「おじさん!久しぶりだな!」
「おお!君は以前の!グローブはどうだ!上手く使えてるか?」
「ああ!おかげで依頼も達成できたんだ!ありがとう!」
「そうかい!それで、今回は何を探してるんだ?」
オルガは店主との会話もそこそこに、銃のパーツを探している事を伝える。
「銃のパーツね……。君は使った事はあるか?」
「いや、全く無いんだ。」
「だろうな!いかにも接近戦が得意な身体つきだもんな!じゃあ、ちょっと探してくるから待っててくれよ!」
「よし……これならどうかな?……うん!使えそうだ!おーい!見つかったぞー!」
「本当か!?早速見せてくれ!」
オルガの目の前に出された物、それは本体へセットできるパーツ……スコープだった。
「これはアーティファクトじゃないんだが、始めは外す事も多いだろう?これはターゲットに狙いをつけて、そこに撃ち出す事に特化した物だ。緊急時にも役に立つぞ!」
「緊急時……グローブの時も聞いたな!」
「そうだろう?俺は心配症だからな!という訳で、ハイ、お待たせ!お安くしとくよ!1000ゴールドだ!」
「よし!買った!」
店主はスコープを袋に入れ、オルガに渡す。彼はそれをポケットに入れた。
「よし!じゃあ、俺はもう行くよ。友達が待ってるからな!」
「行ってらっしゃい!また来てくれよ?サービスするからさ!」
「ありがとう!またよろしく頼むよ!」
オルガは店主に軽くお辞儀をし、ナッツの下に向かう。その後ろ姿を、店主は笑顔で見送っていた。
「オルガ!パーツは見つかった?僕の方は無かったけど。」
「ああ!俺にピッタリのパーツがあったよ。」
「よかったー!それなら一度ご飯にしようよ!おなか減ったよー。」
「そうだな。早速行ってみよう!」
「おー!」
買い物を終えた二人は、食べ物屋を探して市場の奥へと入っていくのだった。
今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。




