予期せぬ再会?最強の冒険者現る!
突如現れた金髪の少女。彼女は堂々と歩き出し、周りで呆気にとられる冒険者達を見渡していた。
「やっぱり楽しそうね!これはどういう集まりなのかしら?」
彼女は近くに居た冒険者を捕まえて問いかける。
「こ、これはお祝いなんだよ。ケモリアの街の防衛作戦が無事に成功したんだ。」
「街の防衛!?よく出来たわね!成功させた子達は何処に居るの?一度顔を見ておきたいんだけど!」
「ああ、あそこに居るよ。」
冒険者が指差した先、そこにはスノウ達が立っていた。彼女はずいずいと歩き出した。
「ねえ、あの人こっちに来てるよ?」
「……マズいな。体が動かない。」
「オルガ、お前もか。凄い気配だよな……。」
「……。」
「……おいスノウ!?どうした!?」
ナッツ達がそわそわしてる中、スノウだけは近づいて来る少女に逆に近付いていた。
「あの後輩、どうしたんだ!?近くに寄ったらやばいぞ!」
「ありゃやられたな。完全に正気じゃない……。」
他の冒険者達の心配にも気づかず、スノウはどんどんと少女に近付いていく。そして遂に二人は向かい合い……。
お互いに手を挙げてハイタッチ。その後にギューッと抱きついたのだった。
「成る程!貴方がやったのね、スノウ!頑張ってるじゃない!」
「カティ!お久しぶりです!私、Dランクに昇格したんですよ!」
「いい調子ね!この調子を維持して、修行に励むことね!」
「はい!でも、さっきの気配はびっくりしました。あんなの初めてでしたから……。」
「か、か……。」
「「「「「「「「「カティ!?」」」」」」」」」
スノウは更に少女に話しかけようとすると、一人の冒険者が止めに入った。
「お、おい!そこの君、彼女が誰だか分かっているのか!?」
「えっ。は、はい!彼女はカティ。私の友達です!」
「そうよ。私はカティ。彼女の友人なのよ。」
「「「「「「そんなわけあるかー!?」」」」」」
一斉に叫ぶ冒険者達。そのうち一人は更にまくし立てる様に言葉を続ける。
「そ、そこに居るのは冒険者協会のマスター![最強の冒険者]へカテリーナだぞ!?」
「え……?カティが、ここの一番偉い人?」
「ちょっと!それを言っちゃ駄目じゃないの!?彼女とはただの友人なのよ!?」
カティが他の冒険者と言い合いになっている間に、セイン達がスノウの側に近付いていた。
「な、なあスノウ、お前はその人と知り合いなのか?」
「はい。とってもいい人なんですよ!」
「そうなのか……。あの人とんでもない人だな。何かこう、説明しにくいが、俺達じゃ近づけない威圧感を感じるぜ……。」
「そんな事無いですよ!カティー!今回の依頼、皆と一緒に受けたんですよ!」
「本当!?顔見せて顔見せて!」
冒険者の側を離れ、再びスノウ達の所に来るカティ。そしてその場に居る冒険者達をじっと見つめている。
「……うん!成る程!皆よく頑張ったわね!今後も期待してるわよ!」
「うわっ、何々!?」
「俺もかよ!?」
「何故撫でるのか……。」
「……よし!完了!」
ナッツ達を撫でるカティ。一通り撫で終わり、大広間の中央へと歩いて行く。そして手元にメガホンを用意し、皆に語りかける。
「さて、一通り目標は達成したし、本題に入るわよ!今回私がここに来たのは、この冒険者協会の評判についてよ!」
「協会は冒険者の集まりとして最大級の組織、そして皆も実力者ばかりだと思う。だけど最近、妙に舐められる事が増えたのよねぇ。つい最近も何かあったみたいだし。」
「その理由を私なりに分析したんだけど、どうやらマネージャーがのんびりし過ぎてるかららしいの。どうも彼女のせいで、全体が低く見られがちのようね。だからここで一つ、他の連中に目に物見せてやろうと、計画を立てたわ!」
「それは……マネージャーと私との模擬戦、それも外からたくさんお客を集めて、観戦出来る状態でやるの!」
「「!?」」
驚愕する冒険者達と、驚きで揺れるトイレの扉。カティは構わず話を続ける。
「私が勝てば協会の圧倒的なマスターの力が、マネージャーが勝てば冒険者の層の厚さが!どっちが勝ってもそれぞれがおかn……名声に繋がるわ!」
「今金って言おうとしただろ。」
「うるさい!やるって言ったらやるのよ!期限は一週間後!手続きはこっちでやるから、フーシャにもよろしく言っておいて!私は準備をするから、ここで帰るわね!それじゃ!」
冒険者のツッコミを避けつつ、この場を去ろうとするカティ。彼女はスノウに近づいて、もう一度手を合わせた。
「隠しててごめんなさい。貴方、冒険者になりたいって言ってたから、初めて会った時には余所余所しくなると思って、話せなかったの……。」
「そうだったんですか。でも私は気にしてません!カティはカティですから!それに、こんなすごい人に教わったんだって思うと、またやる気が出てきます!」
「スノウ……。」
「カティ!私、もっと強くなります!そうしたら手合わせ、お願いします!」
「そうね……その日が来るのを待ってるわよ!じゃあ、また一週間後!」
するとカティの体を中心に突風が巻き起こり、気づけば彼女は消えてしまっていた。
「何かこの数分で、色々な事があったわね……。」
「レイさん!どうしたんですか冷や汗かいて!」
「緊張したのよ!相手はここのマスターなんでしょ!それより……これはますます負けられないわ!私もマスターを倒して、最強の冒険者になってやるわ!」
「私もです!目指せ一流冒険者!」
「「おー!」」
「なあオルガ、元気がいいよなあいつら。」
「だな。セイン、俺達はどうする?」
「勿論上に行くぜ!今、目の前に大きな大きな目標が出来たんだからな!」
「僕も僕も!もっと強くなるぞー!」
「す、すごい……。私じゃ、全然追いつけない……。」
「フォッフォッフォッ。それはそうじゃのう。[今のワシら]ではの。」
「今の……ですか?」
「うむ。ワシらはまだまだ伸びるし、ランクを上げればきっと届くチャンスが来ると思うよ。今は力をつける時じゃな。」
「……はい!私も……もっと強くなります!」
「じゃな!ワシも頑張るぞ!目標が高いのはいい事じゃのう!」
皆が強くなる目標を定めている最中。いつの間にかトイレから出ていたフーシャはモルモーの側に行き、ガタガタと震えていた。
「気配が直に来たフミャ。し、死ぬかと思ったフミャ……。あ、あのー!皆盛り上がってる所悪いフミャ!でも、私はどうなるフミャか!?なんでマスターと勝負しなきゃいけないフミャか!?」
「それはマネージャーのカリスマ性の問題よ。ここでマスターに勝利すれば、貴方の協会での立場は安泰よ?」
「か、勝てるわけ無いフミャ!?私を何だと思ってるフミャか!?」
「こうなったらやるしかないでしょう。応援してるわよ?」
「……あーーー!こうなったらやってやるフミャ!ボコボコにして私のカリスマ性を見せつけてやるフミャ!」
「頑張ってよ!マネージャー!」
マネージャーであるフーシャには、マスターとの対決、というとてつもない事態が一週間後に迫っているのだった。
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