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魔弦の使徒 目指せ一流、魔族少女の冒険者ライフ!  作者: ゆん。
第五章 最強の冒険者

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予期せぬ再会?最強の冒険者現る!

 突如現れた金髪の少女。彼女は堂々と歩き出し、周りで呆気にとられる冒険者達を見渡していた。


「やっぱり楽しそうね!これはどういう集まりなのかしら?」


 彼女は近くに居た冒険者を捕まえて問いかける。


「こ、これはお祝いなんだよ。ケモリアの街の防衛作戦が無事に成功したんだ。」


「街の防衛!?よく出来たわね!成功させた子達は何処に居るの?一度顔を見ておきたいんだけど!」


「ああ、あそこに居るよ。」


 冒険者が指差した先、そこにはスノウ達が立っていた。彼女はずいずいと歩き出した。






「ねえ、あの人こっちに来てるよ?」


「……マズいな。体が動かない。」


「オルガ、お前もか。凄い気配だよな……。」


「……。」


「……おいスノウ!?どうした!?」




 ナッツ達がそわそわしてる中、スノウだけは近づいて来る少女に逆に近付いていた。


「あの後輩、どうしたんだ!?近くに寄ったらやばいぞ!」


「ありゃやられたな。完全に正気じゃない……。」


 他の冒険者達の心配にも気づかず、スノウはどんどんと少女に近付いていく。そして遂に二人は向かい合い……。











 お互いに手を挙げてハイタッチ。その後にギューッと抱きついたのだった。




「成る程!貴方がやったのね、スノウ!頑張ってるじゃない!」


「カティ!お久しぶりです!私、Dランクに昇格したんですよ!」


「いい調子ね!この調子を維持して、修行に励むことね!」


「はい!でも、さっきの気配はびっくりしました。あんなの初めてでしたから……。」






「か、か……。」


「「「「「「「「「カティ!?」」」」」」」」」






 スノウは更に少女に話しかけようとすると、一人の冒険者が止めに入った。


「お、おい!そこの君、彼女が誰だか分かっているのか!?」


「えっ。は、はい!彼女はカティ。私の友達です!」


「そうよ。私はカティ。彼女の友人なのよ。」




「「「「「「そんなわけあるかー!?」」」」」」



 一斉に叫ぶ冒険者達。そのうち一人は更にまくし立てる様に言葉を続ける。


「そ、そこに居るのは冒険者協会のマスター![最強の冒険者]へカテリーナだぞ!?」


「え……?カティが、ここの一番偉い人?」


「ちょっと!それを言っちゃ駄目じゃないの!?彼女とはただの友人なのよ!?」




 カティが他の冒険者と言い合いになっている間に、セイン達がスノウの側に近付いていた。


「な、なあスノウ、お前はその人と知り合いなのか?」


「はい。とってもいい人なんですよ!」


「そうなのか……。あの人とんでもない人だな。何かこう、説明しにくいが、俺達じゃ近づけない威圧感を感じるぜ……。」


「そんな事無いですよ!カティー!今回の依頼、皆と一緒に受けたんですよ!」


「本当!?顔見せて顔見せて!」


 冒険者の側を離れ、再びスノウ達の所に来るカティ。そしてその場に居る冒険者達をじっと見つめている。


「……うん!成る程!皆よく頑張ったわね!今後も期待してるわよ!」


「うわっ、何々!?」


「俺もかよ!?」


「何故撫でるのか……。」


「……よし!完了!」


 ナッツ達を撫でるカティ。一通り撫で終わり、大広間の中央へと歩いて行く。そして手元にメガホンを用意し、皆に語りかける。





「さて、一通り目標は達成したし、本題に入るわよ!今回私がここに来たのは、この冒険者協会の評判についてよ!」



「協会は冒険者の集まりとして最大級の組織、そして皆も実力者ばかりだと思う。だけど最近、妙に舐められる事が増えたのよねぇ。つい最近も何かあったみたいだし。」



「その理由を私なりに分析したんだけど、どうやらマネージャーがのんびりし過ぎてるかららしいの。どうも彼女のせいで、全体が低く見られがちのようね。だからここで一つ、他の連中に目に物見せてやろうと、計画を立てたわ!」



「それは……マネージャーと私との模擬戦、それも外からたくさんお客を集めて、観戦出来る状態でやるの!」


「「!?」」



 驚愕する冒険者達と、驚きで揺れるトイレの扉。カティは構わず話を続ける。



「私が勝てば協会の圧倒的なマスターの力が、マネージャーが勝てば冒険者の層の厚さが!どっちが勝ってもそれぞれがおかn……名声に繋がるわ!」


「今金って言おうとしただろ。」


「うるさい!やるって言ったらやるのよ!期限は一週間後!手続きはこっちでやるから、フーシャにもよろしく言っておいて!私は準備をするから、ここで帰るわね!それじゃ!」



 冒険者のツッコミを避けつつ、この場を去ろうとするカティ。彼女はスノウに近づいて、もう一度手を合わせた。


「隠しててごめんなさい。貴方、冒険者になりたいって言ってたから、初めて会った時には余所余所しくなると思って、話せなかったの……。」


「そうだったんですか。でも私は気にしてません!カティはカティですから!それに、こんなすごい人に教わったんだって思うと、またやる気が出てきます!」


「スノウ……。」


「カティ!私、もっと強くなります!そうしたら手合わせ、お願いします!」


「そうね……その日が来るのを待ってるわよ!じゃあ、また一週間後!」



 するとカティの体を中心に突風が巻き起こり、気づけば彼女は消えてしまっていた。





「何かこの数分で、色々な事があったわね……。」


「レイさん!どうしたんですか冷や汗かいて!」


「緊張したのよ!相手はここのマスターなんでしょ!それより……これはますます負けられないわ!私もマスターを倒して、最強の冒険者になってやるわ!」


「私もです!目指せ一流冒険者!」


「「おー!」」







「なあオルガ、元気がいいよなあいつら。」


「だな。セイン、俺達はどうする?」


「勿論上に行くぜ!今、目の前に大きな大きな目標が出来たんだからな!」


「僕も僕も!もっと強くなるぞー!」






「す、すごい……。私じゃ、全然追いつけない……。」


「フォッフォッフォッ。それはそうじゃのう。[今のワシら]ではの。」


「今の……ですか?」


「うむ。ワシらはまだまだ伸びるし、ランクを上げればきっと届くチャンスが来ると思うよ。今は力をつける時じゃな。」


「……はい!私も……もっと強くなります!」


「じゃな!ワシも頑張るぞ!目標が高いのはいい事じゃのう!」








 皆が強くなる目標を定めている最中。いつの間にかトイレから出ていたフーシャはモルモーの側に行き、ガタガタと震えていた。



「気配が直に来たフミャ。し、死ぬかと思ったフミャ……。あ、あのー!皆盛り上がってる所悪いフミャ!でも、私はどうなるフミャか!?なんでマスターと勝負しなきゃいけないフミャか!?」


「それはマネージャーのカリスマ性の問題よ。ここでマスターに勝利すれば、貴方の協会での立場は安泰よ?」


「か、勝てるわけ無いフミャ!?私を何だと思ってるフミャか!?」


「こうなったらやるしかないでしょう。応援してるわよ?」


「……あーーー!こうなったらやってやるフミャ!ボコボコにして私のカリスマ性を見せつけてやるフミャ!」


「頑張ってよ!マネージャー!」




 マネージャーであるフーシャには、マスターとの対決、というとてつもない事態が一週間後に迫っているのだった。

今回も読んで頂き、ありがとうございます。

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