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魔弦の使徒 目指せ一流、魔族少女の冒険者ライフ!  作者: ゆん。
第五章 最強の冒険者

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再会、そして吹き荒れる風!

 扉を開けると、目の前に広がるのは大広間。そこには大量のテーブル、置かれた食べ物、そして大勢の冒険者達が集まっていた。


「な、何でしょう。これは一体?」


「フフッ、私が用意したんですよ!」


「この声は、モルモーさん!?」


 スノウが声のした方向に顔を向けると、モルモーが立っていた。いつものメイド服では無く、パーティーの仮装に身を包んでいる。よく見ると、周りの冒険者達もそれぞれ仮装をしているのが目に入った。





「聞いたぜ!お前達がケモリアの件を解決したんだって!?大した奴じゃないか!」


「お見事ですー。ランクは低いですが、侮れませんねー。」


「ライバルが増えるのは良いことだな!もっと精進せねば!」





「えっ……えっ?」


「な、何だこりゃ?」


 次から次に冒険者達に話しかけられるスノウ達。戸惑っていると、またモルモーが側にやって来た。


「今回の事、皆喜んでるんですよ!スノウさん達が無事に帰って来て、ケモリアの街との友好関係の発展にも繋がりました。何より協会の層の厚さを、他のギルドにも伝えられますし!」


「そ、そうなんですか?」


「はい!なので今日は皆でお祭り騒ぎ!楽しんで下さいね!」


 そう言ってモルモーは、別の冒険者の所へと駆け足で向かって行った。



「お、おう。どうする?ケモリアでもやったばかりだぜ……?」


「僕はどんどん食べるよ!いただきまーす!」


「ちょっ、待てよナッツ!食い過ぎだぞ!」


 ナッツは大きなサラダの載った皿目掛けて走り出し、それを追ってセインも行ってしまった。






「オルガさん、どうします?」


「久しぶりの二人行動だな。一緒に食べるか?」


「ですね!あっちで食べましょう!」


 スノウが指差したのは果物のケーキ。オルガはケーキを切り分け、彼女に手渡す。


「「では、頂きま」」









「待ちなさい!」


「「えっ?」」


「私達も混ぜてもらおうかしら?」


「この声……!お前は!」


 聞こえてきたのは、懐かしい声。二人が後ろを振り向くと、そこには友人の顔があった。









「お二人とも……お久しぶりです……!」


「フォッフォッフォッ。元気にしてたかの?」


「元気だからここに居るんでしょうが!ほら、行くわよ!」



「皆さん!お久しぶりです!」


「お前達も元気そうだな!」


 そこに居たのは、協会のダンジョン研修で一緒に冒険した仲間。リゼ、ジン、そしてレイである。三人はそれぞれケーキを切り分け、二人の元に集まった。



「あの……。Dランク昇格、おめでとうございます……!」


「ありがとうございます!もうすぐ一人前です!」


「リゼとジンはどうだ?前はまだ、昇格試験は受けないって言ってただろ?」


「気になるかの?ワシ達はのう……。こうじゃ!」


 そしてリゼとジンは、スノウ達と同じ様に、Dランクになった冒険者証を見せつけた。



「お二人も!おめでとうございます!」


「二人も昇格か!俺達ももっと頑張らないとな!」


「ちょっとアンタ達!私の話題が出てないけど!?」


 四人で盛り上がる中、レイが口を挟む。


「勿論忘れるわけ無いだろう?レイはどうだ?」


「フン!私はアンタ達より一歩先を行くのよ!これを見なさい!」


 そして彼女が出した冒険者証は……Cランクの文字が刻まれていた。


「Cランク。一人前の冒険者よ!同期の仲間達よりも早く昇格したわ!どう?凄いでしょ!」


「おめでとうございます!流石レイさん!」


「ええ!やっぱりスノウは分かってるわね!もっと褒めてもいいのよ?」


 レイはスノウの前で自慢気に話している。それを見て、他の三人は微笑んでいた。


「良いものだな、こうやって話すのも。」


「そうじゃのう。どうじゃオルガ君?良ければ一緒に飲まないかの?」


「悪い。俺は酒は苦手でな。」


「それでは、こちらはどうですか……?」


 リゼが持って来たのは五人分の果物ジュース。ちょうど話し終わったレイ達もこの場に戻ってきた、いいタイミングである。


「それなら頂こう。一つくれないか?」


「は、はい……!」


「ワシもワシも!」


「ハァ!?ちょっと、私が先よ!」


「私は最後でも構いませんよ。」


 そしてリゼがジュースを配り終え、五人で一斉にグラスをぶつけるのだった。


「「「「「かんぱーい!」」」」」










「あっ、このケーキおいしい!凄くおいしいです!」


「そうフミャか!嬉しいフミャ!」


「……フーシャさん!?」


 スノウが仲間達と話していると、マネージャーのフーシャもこの場に入って来た。口にはたくさんのパンを頬張り、ドリンク片手にやって来たのだった。


「私の自信作フミャ!皆無事に帰って来たから、お祝いでフンパツしたフミャ!」


「ありがとうございます!……ん?でもこのケーキ……。」


「どうしたフミャ?苦手な物入ってたフミャか?」


「いえ……何かこのケーキ、以前食べた事があるような……。」


「フミャ?」




 ……そしてスノウが首を傾け何かを思い出そうとした時、急に身体中がビクッと震え出した。


「な、何です今の気配!?」


 周りを見渡すと、他の冒険者達も一斉に震えていた。スノウはオルガの側に近寄るが、彼もまた震えている。


「お、オルガさん、今のは……。」


「お、俺にも分からない……。側に居てくれ。凄く不安だ……。」


「は、はい!」


 スノウはオルガと手を繋ぎ、周りの様子を伺っている。同じ様にリゼ、ジン、レイも手を合わせて、周りを探っていた。





「あ……ああ……!」


「ど、どうしたんですかフーシャさん?」


「来るフミャ……。[彼女]が来るフミャァァァ!?」


 そう言ってフーシャは大広間の端にあるトイレに駆け込む。同じタイミングで他の冒険者達も一斉にトイレに駆け込むが、フーシャが先に辿り着き、鍵をかけてしまった。



「あ!おいマネージャー!?開けろよ!皆入れないだろうが!」


「開かないフミャ!」


「ちょっと!開けてよ!このままじゃ[彼女]が来ちゃうじゃない!」


「開けないフミャ!」


「クソっ!力ずくで開けるぞ!……っておい!バリア貼ってんじゃねえか!そこまでするか普通!?」


「知らないフミャ!」


「それでもマネージャーか!?」







「な、一体何が……!」


「スノウさん!大丈夫ですか!?」


「セイン!ビックリしたよー!?何があったの!?」


「俺が知る訳無いだろ!?とにかく警戒しろ!」


 モルモー、ナッツ、セインもスノウ達に合流し、周りを見渡している。やがて皆が感じた気配がどんどん強くなり、この大広間の前までやって来た。


「ど、どうしよう……。体が、動かない……!」


「スノウさん……!私が守ります!」


 モルモーが震えながらスノウの前に出る。するとその瞬間、扉が吹き飛び、一人の人物が姿を現した。







 それは黒い服に身を包んだ、金髪の少女。自身と同じ長さの杖を持ち、堂々とした佇まいで入り口に陣取っている。そして彼女はそっと口を開けた。








「こんな楽しそうな事やってるなら、教えてくれれば良いのに。……いい機会だから、顔を出しに来たわよ!皆!しっかりやってるかしら?」

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