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魔弦の使徒 目指せ一流、魔族少女の冒険者ライフ!  作者: ゆん。
第四章 ケモリア防衛作戦!

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全員帰還!!

 ここはケモリアの街の外。冒険者達がそれぞれ戦いを始めた頃、ケモリアの長であるレオンは騎士達に囲まれていた。


「見ろよ!アイツが街のリーダーだ!奴を潰せば一気に街を占拠出来るぜ!」


「早くやっちまおう!手柄は俺達のもんだ!」


 騎士達は手持ちの銃を構え、一斉に射撃を開始した。しかし……レオンは避ける気配を全く見せていない。


「お?諦めたか?流石にこれだけ人数がいれば、いかに獣王と言えども……。」


「ふう。この獣王をこの程度で止めようなど……舐められたものだ!」



 レオンは少しだけ体に魔力を込める。すると飛んで来た銃弾は弾かれ、傷一つつけることは出来なかった。


「な、何だと!?一斉攻撃が効かない!?」


「情けない……。そんな物で私を倒すつもりだったのか?」


 攻撃が通じず慌てている騎士達。その様子を見て、レオンは斧に魔力を込める。


「よいか!敵を倒すとは……こういう事を言うのだ!」



 レオンは斧を地面に突き刺すと、斧が茶色に輝き出す。するとレオンの体も呼応するように輝き出し、オーラを纏った状態になった。


「では行くぞ……ハァッ!」


「ギャン!?」


「な、何だ!?」


 レオンは目にも止まらぬスピードで騎士の頭を掴み、地面に叩きつけた。その横にいた騎士には蹴りをぶつける。するとその騎士の体が弾け飛び、回転しながら木に激突。そのまま気を失ってしまった。


「な、化け物だ!皆逃げろー!」


「先にやったのはそちらだ!全員ここで終わりにしてやろう!」


 逃げ出す騎士の体を掴んでは投げ、蹴り、潰す。たった一人の獣人により、数百人もの騎士達はたちまち全滅。気づけば立っていたのはレオン一人になっていた。





「この程度か。しかし随分時間を取られてしまったか!早く戻らねば街が危ない!今行くぞ!」


 レオンは倒れた騎士達を無視し、全力で街へと走っていく。







 そして街の門に着くと、そこにはオルガとナッツが立っているのだった。


「お二人共!大丈夫でしたかな?」


「レオン!無事だったか!いや、俺達の方は何とかなった。あれを見てくれ。」


「ん?……おお!さすがですな!大したものです!」


 オルガの向いている方向をレオンが見ると、沢山の騎士が全員気絶していた。これだけの数を倒した二人を見て、レオンは少し微笑んでいた。


「お見事です!……それでお二人はどうしてここに?」


「うん!僕達今から街に突入するんだけど……門の様子が分からなくて。」


「登って入るでもいいが、待ち伏せがあったらどうにもならない。だから立ち往生してた所だ。」



 するとレオンは門の前に立ち、二人を後ろに下げた。彼は斧をしまい、腕を思いっ切り回している。


「よし……なら私が開けましょう!お二人は迎撃の準備を!……ヌォォォ!」


「ああ!さあ、行くぞナッツ君!」


「うん!」


 レオンは二人がそれぞれ武器を取るのを確認し、門に手をかける。すると物凄い力で押し始め、門はあっという間に動き出した。そしてすぐに人が通れるくらいの隙間が出来るのだった。



「よし……俺が先に入る。二人は後からついてきてくれ!」


「任せてよ!」


「お願いしますぞ!」


 そして拳を構えながら、オルガは隙間に入っていく。













「これって……。」


「……どうやらもう終わっていた様だな。俺達は時間を使いすぎたか。」


「いやはや!皆の頑張りのお陰ですな!これで街の防衛は終了、という事ですぞ!」


 三人が門から入って行くと、既に街の中では騎士達が縛られ、街の中央に集められていた。その周りにはケモリアの戦士達とゴブリン軍団、そしてリンが見張りをしながら、皆の帰りを待っていたのだった。




「お!お頭、レオン達が帰って来たぞ!」


「リーダー!怪我は無いか!?」


「ハハッ、ただいま皆!私は大丈夫だ!そっちもどうやら無事に終わった様だな!それと……。」


 レオンはリンの方を向き、にっこりと笑った。


「リン殿、それにゴブリンの皆さん、皆と一緒に防衛作戦に協力してくれて、ありがとうございます!」


「い、いえ!当然の事です!迷惑をかけてしまっていたので、私達でお役に立てたのなら……。」





「ねーねー!街の人達はどうしたの?姿が見えないけど?」


「ナッツ!お前も無事だったか!皆は今役場に避難してる。安全が確保出来たら外に出てもらう予定だ。」


「……悪い。スノウとセインの姿が見えないんだが、二人も街役場か?」


「あの二人は街に穴を開けた兵器を壊しに行ったんだ!魔力に余裕があるからって言ってたぞ。」


 話を聞いたオルガはナッツに目配せをする。それに気づいたナッツは軽く頷き、そっと背中を押した。


「オルガ!」


「ああ!俺が援護に行く!どの方向だ?」


「反対の門だ。大穴の空いた所から出て行ったぞ。」


 オルガはグローブを嵌め直し、外に向かう。ところが……。









「その必要は無いわよ。こっちも終わったから。」


 聞き慣れない女性の声。その方向にオルガが目を向けると、スノウとセイン、そしてモルモーがこちらに歩いて来ていた。


「オルガ!ナッツ!大丈夫だったか!?」


「何とかな。セイン、お前達はどうだ?」


「こっちもギリギリだった。俺は全身ボロボロだし、スノウは魔力が殆ど無い。元気なのはこの人くらいさ。」


「私だってキツイわよ。援護に行く前にヤバい奴と戦っていたんだから。それと黒幕、捕まえてきたわよ。」



 三人は縛ったジェイを皆の前に放り出した。ジェイは狼狽えながらも強気の姿勢を崩していない。


「へ、へっ!俺を捕まえたからってどうにもならないぜ!今回は沢山の騎士と、強い冒険者が一緒なんだ!そのうちここに攻めて来て、お前らは終わりだ!」


「その騎士達なら俺達で倒した。ここには敵は来ないだろうな。」


「……なっ?」


「その強い冒険者って、ナイフ使いかしら?それなら私が仕留めたわよ?」


「……へっ?」


 オルガとモルモーがジェイに報告すると、彼は先程の姿勢が嘘の様に狼狽え、顔を真っ青にしていた。



「……なっ、頼むよ?大人しくしてやるから、殺さないでくれよ?他の奴らはどうなってもいいから!」


「……呆れて物が言えないわね。安心して、殺す気は無いから。でも協会に突き出して、色々聞かせてもらうわよ。」


「そ、そんな……。」


 モルモーの言葉に、ジェイは怯え震えるのだった。そして彼女はその場に居る皆に向けて、ある言葉を発するのだった。



「ひとまず落ち着いたかしらね。それでは、状況確認を始めましょうか。」

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