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魔弦の使徒 目指せ一流、魔族少女の冒険者ライフ!  作者: ゆん。
第四章 ケモリア防衛作戦!

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決着!戦車(チャリオット)!

「落ち着いて、慎重に。うん、私なら出来る!絶対に!」


 戦車が激しく動き回る中、スノウは離れた場所からじっとチャンスを窺っていた。



「あの騎士は二人に夢中になっていて、私の事は頭に無いはず。攻めるチャンスを見極めないと!」









 ◇◇◇


「セイン、セイン!?大丈夫!?」


「何とかな。でも身体が動かない。こんなに痛い一撃とはね……。」


「待ってて!今安全な所へ避難するから!」


 モルモーはセインを背負って森へと逃げ込もうとするが、それを遮るように戦車が立ち塞がった。



「よーし!後はお前だけだ!よくも戦車の砲身を壊してくれたな!」


「……早く逃げないと!彼には絶対に手を出させないわ!」


「その強がり、いつまでも続くかな?オラァ!」





「悪い。俺のせいで……。」


「気にしないで。でも今は避けるので精一杯ね。早く安全な所へ!」


 モルモーに突っ込む戦車。彼女は間一髪で回避するが、背負ったセインは苦しそうにしていた。


「急がないと!早く森の中へ!」


「ハハハ!ホラホラ逃げろ!早くしないと潰れちまうぞ?」


 ジェイは二人を楽しそうに追い回す。モルモーも避けながら森に向かっていくが、確実に体力は奪われている。








「そろそろ飽きたな。ここらで決着をつけてやるよ!」


 戦車のスピードを上げて、再びモルモーに突っ込むジェイ。遂にモルモーも避け切れず、足が戦車にぶつかってしまう。


「くっ……。これで逃げ道無しね。でもこの子は守ってみせる!」


 倒れた二人に向けて、戦車は再び突撃する態勢を取る。モルモーはセインの前に立ち塞がり、彼をガードしている。


「さあ、これで終わりだ!」












「今だァァァ!」


「な、何!?」


 ジェイがレバーを動かす直前、空中からスノウが現れる。モルモーが森に向かっていた為、木から飛び移れる距離まで戦車は近づいていたのだ。


 スノウは戦車の頭上に着地。丸い蓋の隙間を見つけ、すぐに雷鳴剣を突き立てる。



「この隙間なら行ける!プラズマカッター!」


「ギャァァァァァァ!?」


 スノウは魔力を流すと、剣の先から電撃の刃が放たれる。装甲は壊せないが、戦車の隙間から中に伝わり、ジェイを攻撃することに成功する。


「クソっ、痺れる!?やめろ!やめろォォォ!」


「やめるもんか!ここで決めてやる!」




 身体中が痺れたジェイは、戦車をデタラメに動かしスノウを振り落とそうとするが、彼女は頭上にしがみつき離さない。




「し、死ぬ!もう駄目だ!外に出るしかねぇ!」


「出て来た!ここで引っ張り出す!うりゃぁぁぁ!」


 電撃を流し続け、遂に我慢出来なくなったジェイが外に出る。だが蓋を開けた瞬間、スノウが彼を掴み、外に放り出した。




「ま、まだだ!捕まるわけにはいかない!早く逃げなければ……。」


「させないわよ!私がここで止める!」


「ヒッ……貴様、何故!?動けないはずじゃ……。」


「応急処置は済ませたわ!今度こそ終わりよ!」


 尚も抵抗するジェイに、いつの間にか近づいたモルモーが扇を突きつける。攻撃された彼女の足は、動きに支障が出ない程に回復していた。







「ま、参った……。降参だ!命だけは助けてくれ!」


「最初からそのつもりよ。その代わり、そっちの事を色々聞かせて貰うから、覚悟しておきなさい。」


 モルモーはジェイを縛り上げた後、倒れているセインの体にそっと手を触れ、魔力を送り込んだ。


「勝ったわよセイン!貴方の大手柄よ!」


「そうか……皆無事で良かった!……痛っ。」


「今手当てするからじっとしてて!少し時間がかかるから。」




 そしてモルモーは、戦車から降りてきたスノウの方にも目をやる。


「やるじゃない、電撃を使うなんて!貴方のお陰でアイツを倒す事が出来たわ!」


「あ、ありがとうございます。」


 スノウはモルモーに軽くお辞儀をし、セインの怪我が治るのを待っていた。







 ◇◇◇


「あ、ちょっと待ってくれ!」


 やがてセインの応急処置も終わり、三人はジェイを連れてケモリアの街へ向かう。だがその前に、セインにはやりたい事があるようだった。


「急ぎでお願いね。街へ戻らないといけないんだから。」


「ああ、アレを何とかしたくてね。」


 セインはそう言って、ボロボロになった戦車を指差す。砲身は曲がり、あちこちから煙も出ている。そんな戦車に彼が近づくと、魔力切れの為かそれは小さくなり、元のアクセサリーへと戻っていった。


「この場に置いておくのもちょっとな……。とりあえず持って帰って、後で直せるか試してみるよ。」


「結構ボロボロだけど、上手くいくといいわね。」


「ああ!それじゃ行こうか!」







 何とか戦車に勝利した三人。モルモーとスノウはジェイを引きずりながら、セインは戦車のアクセサリーを持ち、ケモリアの街へ帰還するのだった。

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